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異世界のイストワール  魔界側パロディー編~大悪魔神官アプフェルの機嫌を取り戻せ!!~

◎当魔界側パロディーは、ワケあって本編9章中に機嫌を損ねたアプフェル——————滅神王次男ヘンリの部下の機嫌を取り戻すパロディーで御座います。
ごゆっくりどうぞ。



大悪魔神官アプフェルの機嫌を取り戻せ!!!


*林檎のドアノブ、林檎のマット、林檎の絨毯、林檎の壁紙、林檎のテーブル、林檎の窓枠、林檎柄のカーテン、林檎の鏡、林檎の箪笥、林檎のクローゼット、林檎の電気、林檎の御香、林檎のクッキー、林檎のコップ、林檎のジュース、林檎のベット、林檎の枕、林檎の掛け布団、林檎のスリッパ…………。
全てを“林檎”に染めている大悪魔神官アプフェルの部屋。
入った途端にする林檎の香りはほんのり優しい。
アプフェルは仕事着の白衣のまま、林檎のベットに蹲り、拗ねていた。
「どうして・・・どうして・・・ヘンリーはボクに頼ってくれないんだろう?・・・・・・酷いよっ!ヘンリーの馬鹿っ!うえ~ん!」
林檎の枕に顔を埋め、呟く。
此処のところ、ヘンリは酷く冷たかった様な気がした。


* * * * * * * * * *

—————とある日。ヘンリの部屋にて。
アプフェル「ヘンリー!!何してるの!?」
ヘンリ「仕事だ。」
アプフェル「仕事って何ィ~?いつものパソコンかちかち?」
ヘンリ「そうだ。」
アプフェル「ぷぷ♪絶望的な程に機械音痴なのにィ~?」
ヘンリ「(ムカっ!)お前が居ては仕事が出来ん。直ちに俺の部屋から失せろ。」
アプフェル「えぇ~!酷いよぉ~!」
ヘンリ「黙れ。五月蠅い。さっさと出て行け。邪魔だ。」

部屋から追い出される始末。
そして——————。

ヘンリ「・・・あ、それと、リンネルにコーヒーを持って来いと伝えておいてくれ。以上。」

扉をガチャン。

* * * * * * * * * *

思い出し、アプフェルは林檎の枕に顔を押し付ける。
林檎の匂いがしていつもなら癒されるのだが、それも今は効果が薄い。
「ヘンリーの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿っ!」
主にこんなにも指示を貰えない悲しさ。
「その点、リンネルは良いよねぇ・・・ヘンリーにいっぱい仕事貰ってさ。絶対、ボク嫌われてるんだァァァァァァァ~!」

将又、思い返す。

* * * * * * * * * *

——————滅神王城、林檎の木を植えた庭で、ピクニックをした際。

アプフェル「ローちゃん様!!見て、こんなに林檎が成長したよ!」
ローレライ「凄いわねぇ~★」
アプフェル「でしょでしょ!これ、ヘンリーにあげたら喜ぶかな?」
ローレライ「喜ぶんじゃない?」
アプフェル「それじゃァ、コーヒーの中に摩り下ろした林檎をダイブさせた奴を飲ましてみようかな?」
ローレライ「林檎コーヒー?」
アプフェル「うん!きっと美味しいよ!」
ローレライ「美味しいなら、あげてみるのも良いわねぇ。」
アプフェル「作ってくるよ!!」

10分後。

椅子に座って読書をしているヘンリ。

アプフェル「ヘンリー!」
ヘンリ「(見向きもせずに)読書をしている。」
アプフェル「ヘンリー!コーヒーをさ・・・」
ヘンリ「(見向きもせず)読書をしている。邪魔をするな。」
アプフェル「ちょっとだけで良いから読書を止めて、ボクが作ったコーヒーを飲んでみて。」
ヘンリ「(見向きもせず)今、コーヒーを飲みたい気分ではないのだ。あっちへ行って馬鹿兄と遊んでいろ。」
アプフェル「(頬を膨らませて)何さ!ボクが折角、ヘンリーの為に作ったのに!」
ヘンリ「(見向きもせず)俺は頼んでいない。頼むからあっちへ行け。読書の邪魔だ。」

* * * * * * * * * *

未だ未だ酷い事はたくさんあった。
読者の皆さんには分からないだろうけど、読者の皆さんには公開していないけど、ヘンリとアプフェルの間には酷い話があるのだそうだ。
本人は話したくないらしい。
「ヘンリーなんか知らないもんねっ!」
大悪魔神官は独り言を言い、枕に顔を埋めたままであった。



と言うのをアプフェルの部屋の外から聞き、滅神王次男ヘンリは盛大な溜息をついた。
———————全く・・・アプフェルの奴・・・拗ねれば中々機嫌が直らないんだったな・・・やれやれだな・・・。
しかし、ヘンリは眼鏡を押し上げると、扉をノックし部下を呼ぶ。
「アプフェル!お前に命令したい事がある。出て来い。」

一方、アプフェルの方はヘンリの声が聞こえたと同時に枕から顔を上げた。
そして、紫色の目を輝かせる。
———————ヘンリーだっ!
知らないと思っていても声が掛かれば知らないフリなど出来やしないのだ。

一方、ヘンリの方はと言うと。
——————命令したい事があると言ったものの・・・これと言って考えていない。唯、ローレライに言われて来ただけだからな・・・・うむ・・何か良い命令は無いか・・・?
部屋の扉が開き、アプフェルが出て来た。
「何?何?ボクに命令したい事って!!」
目を輝かせて問い掛けてくる。
ヘンリは少し仰け反って口篭る。
「そ、それはだな・・・・」
———————ちっ!何もアプフェルに命令したい事などない!いや、待てよ・・・・コーヒーを淹れて・・・・却下だな。コイツにコーヒーを頼めば、必ずコーヒーの中に林檎下しが入っている。あんな不味いものは飲めない!他は・・・・書類を書かすか・・・?いやいやいやいやいや!書類を書かせた日には大惨事だ!書類が落書き帳になって帰って来る。
黙っている滅神王次男を目を輝かせて見つめるアプフェルは再び問い掛けた。
「何?命令って!!」
「そ、それが・・・・実はな・・・・・」
———————くっ!良いものが出て来ない!これはもう・・・・・あの手しか・・・・。
ヘンリは顔を緩ませるとアプフェルの肩を叩き、笑った。
「アハハハ・・・冗談なのだ、冗談。いや、お調子者のお前が中々部屋から出て来ないから、ローレライに言われて・・・」
「あっそ。」
言うなり、アプフェルは部屋の中に入り、鍵を掛けた。
その場に取り残されヘンリは沈黙した。

★ ★ ★ ★

魔王の間。
滅神王長男ローレライ、大悪魔神官リンネルが居る。カルコスは仕事、サリエル達は部屋に戻ったらしい。
「ヘンリがそんなふざけた冗談を言うからいけないのよ!普段、冗談やふざけたりしないキャラがそんな事やっちゃ駄目よ!」
ローレライが優しく弟を叱る。
「しかしだな・・・」
「あの子はね、ヘンリーが好きなのよ。」
「気持ち悪い。」
「それがいけないのよ!」
「どこがだ!!男と男の恋愛など・・・うっ・・考えただけで吐き気を催す・・・!」
ヘンリは不快な顔をし、目元を押さえた。
「そんな汚いものじゃないわよ!純粋に“男同士の友情”みたいな感じよ!」
「例えそうだとしても、俺は知らん。こんな馬鹿げた事に付き合っていられるか!俺には仕事があるのだ。じゃァな。」
滅神王次男は言うと間から出て行こうとする。
そんな分からず屋な弟の背に向かってローレライは言った。
「どうするのよ!アプフェルちゃんが居なくなったりでもしたら!」
「別に構わない。俺にはリンネルが居る。リンネルさえ言えば十分だ。」
振り返らずに言うヘンリに向かってリンネルは無表情なまま言い放った。
「ヘンリ様、アプフェルさんの機嫌を直してみたら如何でしょうか?」
その言葉にヘンリは振り返った。
「リンネル、お前まで・・・」
「アプフェルさんはヘンリ様の大切な部下です。アプフェルさんは私よりかは年上ですが、私の大切な同僚です。ですから、このままヘンリ様とアプフェルさんが別々に歩んでいらっしゃるのを見るのは嫌です。」
「リンネル・・・」
「私はヘンリ様とアプフェルさんの遣り取りを見るのが楽しみなんです。」
「リンちゃん・・・」
「だから、拗ねているアプフェルさんの機嫌を直して下さい。」
リンネルは言うと、深く頭を下げた。
そんな健気な部下に頭を下げられ、ヘンリは少し考え、そっぽを向いた。
そして———————。
「わ、分かったよ。」
「ありがとうございます、ヘンリ様。」
「べ、別にお前の為にやるのではないからな。勘違いするなよっ。」
「はい。」
次男と部下の遣り取りを眺め、ローレライは微笑を浮かべた。

★ ★ ★

滅神王次男ヘンリは赤黒い絨毯が敷かれた長い廊下を歩き、大悪魔神官アプフェルの部屋へと向かう。
——————っ、何故この俺が部下の機嫌を取らねばならんのだ。亜奴など唯の部下じゃないか。・・・・・・しかし、アプフェルの奴は本当に面倒だな・・・。
すれ違う部下達はヘンリの姿を見るなり頭を下げ、敬礼をする。
と、前方に会いたくない部下が居た。
ヘンリは見なかった事にしようと行き先を変えようとくるりと向きを変えた時だった。
「あっ!ヘンリー様じゃないですかっ☆」
びくっとヘンリの肩が震えた。
そして、背後から駆けて来る部下。
次男は不機嫌そうな顔をして振り返った。
駆けて来たのは白衣を纏い、ブラックチョコレートの様な髪の色をし、赤い目をしたキルラーだった。
「ヘンリー様、お久しぶりです☆それにしても、いつ見ても可愛いですねぇ~☆」
「黙れ。・・・して、何の用だ?俺は今急いでいるのだ。」
「それじゃァ、歩きながらお喋りでもしましょう☆」
キルラーは笑うと、ヘンリの腕と自分の腕を組ませ、歩を進めようとしたが、すぐにヘンリに振り払われた。
「ふふふ☆」
「何を無礼な事をするのだ!!」
「照れてるヘンリー様も可愛い☆」
「黙れ!!」
ヘンリは怒鳴るとキルラーから離れる為に足早に歩を進めた。しかし、彼女は付いて来る。
「付いて来るなっ!」
「何所に行くんですか☆」
「何所でも良いだろう。貴様には関係無いのだ。仕事に戻れ。」
「仕事なら終わりました☆」
とキルラーはウィンクをした。
滅神王次男は顔を引き攣らせた。
「本当なのか?」
「はい☆ヘンリー様とデートしようと思って☆」
キルラーは不気味な笑みを浮かべ、言った。
「へへへ、どうですか、ヘンリー様☆良かったら、今から自分と・・・・」
「黙れっ!何と卑猥なっ!」
「冗談ですよ、冗談☆テヘ☆」
「今のは冗談の部類ではなかったぞっ!!!」
怒る滅神王次男を笑って流し、キルラーは言う。
「そう言えば、エウリア様、お戻りになったとか・・・」
「あァ・・・それがどうしたと言うのだ?」
彼女はにやりと厭らしい笑みを浮かた。
「それじゃァ、エウリア様にもちょっかいを・・・」
「死ぬぞ、お前。」
とヘンリ。
しかし、キルラーは笑う。
「アハハハハハ☆」
魔王は眼鏡を押し上げると閃く。
———————コイツ・・・・暇にしているな・・・。
「おい、キルラー。お前に頼みたい・・・・」
「何ですか☆」
何時の間に腕を組んだのかキルラーがヘンリの腕にくっ付いて首を傾げる。
「離れろっ!!」
と次男は振り払う。
そして、部下から距離を置いて言う。
「キルラー、お前に頼みたい事がある。」
「何でしょうか☆」
「アプフェルの機嫌を直して来い。」
「アプフェル様の機嫌ですか☆それは又、何でです?」
「色々あってな・・・良いから、機嫌を直して来い。」
キルラーは大好きな主の命令に少し考えて頷いた。
「良いですけど、御代はヘンリ様のお体ですか?」
「っ!」
ヘンリは赤面し叫んだ。
「何故、頼みの御代が俺の体なのだっ!本気で言っているのか!!!!」
「ふふふ☆」
「もう良い!!お前には頼まんっ!」
滅神王次男は言うなり去って行った。
そんな主の後姿を眺め、キルラーは思う。
———————大切な部下さんなんですから、御自分で仲直りして下さい☆

★ ★

機嫌を悪くし、漸く辿り着いた大悪魔神官アプフェルの部屋。
ヘンリは深呼吸をし、扉をノックする。
「アプフェル。お前に頼みたい事があるのだ。」
しかし、中からはくぐもった不機嫌そうな声が聞こえる。
「どーせ、嘘でしょ?帰って帰って。ボク、今忙しいから!」
部下の返答に滅神王次男は腕を組む。
——————っ!生意気な奴だなっ!
「あァー分かった、先程はすまなかった。・・・・そこでなんだが、俺に林檎パイを焼いて欲しいのだ。今、無性にお前が作った林檎パイが食べたい。」
———————奴は死ぬ程林檎が好きだからな・・・これならば機嫌を直すだろう。まァ・・・俺は林檎パイなど甘ったるいモノは食べたくないのだがな。
数分して、中からくぐもった声が帰って来た。
「あっそ。自分で作れば?」
「(ムカっ!)」
ヘンリは額に青筋を立てて拳を握り締めた。
——————調子に乗りやがってっ!!!
「あのなっ!!!」
そこで言葉を切り、ヘンリはローレライとリンネルに言われた事を思い出す。

“良い?何があっても怒っちゃ駄目よ。”
“ヘンリ様、怒りは抑えて下さいませ。”

次男は溜息をつく。
そして——————。
「分かった。自分で作るとする。」
と彼は言うなり去って行った。

それから・・・・。
滅神王次男が去って行ったのを扉を少し開けて確認し、アプフェルはキッチンに向かった。


★ ★ ★ ★ ★

アプフェルの部屋から帰って約1時間が経過した。
部屋。
絶望的な機械音痴なヘンリはパソコンを前に、調べモノをしていた。
——————くそっ・・・どうやったら俺の絶望的な機械音痴が直せるのか調べたいのに、調べ方が分からんっ!
とそこへノック音。
「何だ?今、俺は忙しいのだ。」
ヘンリの声に扉が少し開き、腕が伸びてきた。その手の平の上には林檎パイが乗っている。
———————林檎パイっ?・・・雅か・・・っ!
「林檎パイ・・・食べたかったんでしょ?ボク、作ってて余ったから持って来たんだけど・・・・」
「アプフェル・・・お前・・・」
ヘンリは椅子から立ち、林檎パイがある扉に歩み寄った。がしかし、当のアプフェルは顔を出さない。
「アプフェル、部屋に入ったらどうなのだ?主に失礼だぞ。」
「林檎パイが食べたいだけに部下を利用する方がよっぽど失礼だと思うんですけど。」
「っ!」
「早く受け取って下さいよ。腕がだるいんで。」
「・・・・」
ヘンリはアプフェルに促されて林檎パイを受け取った。
その途端に扉が閉まった。
魔王は虚しくその場に突っ立ったままだった。
林檎パイが凄く温かいのが身に染みた。
———————出来立てか・・・・。態々焼いたって言うのか・・・・?
ヘンリは甘い匂いを放つ林檎パイを眺め、不適に笑った。
———————デレツン野郎が・・・・。

★ ★ ★ ★

リンネルは落ち着いた自身の部屋の椅子に座り、日記を書いていた。
机に置いたほんのり甘いコーヒーを飲み、ほっと息をつく。
そして、ペンを握る。
———————今日はエウリア様がご帰還なされた。
見ただけであの御方の強さを感じる事が出来た。
あの時の魔界大戦争の記憶が甦ってくる。
再び、この地に今ある闇よりも更に強い闇が襲い掛かって来るのでしょうか。
黒と漆黒。
闇と大闇。
如何なる時でも私は滅神王ヘンリ様を御守りせねばならない。
それはいつも頭に叩き込んでおかなくてはならない。
もし、カルコスお兄さんが死んでしまったら、私がローレライ様を御守りせねばならない。
それ故、日々、感情を捨てて精進しなければならない。
リンネルは書き終えると見返す。
「はてさて、これは日記と呼べるのでしょうか・・・・」
どこまでも彼女の目は虚ろであった。

★ ★ ★ ★

一方、ヘンリの方はと言うと——————。
「よしっ!やっと“林檎”関連のレシピをネットで調べる事に成功したぞっ!長かったネットとの戦いだったな・・・・・だから、アプフェルの林檎パイを食べてから凡そ3時間が経過してしまったな。」
ヘンリは壁に掛けた時計を見、紙と羽つきペンを取り出し調べたレシピをメモる。
「最高の機嫌取りを思いついたのだっ!この林檎関連の菓子を作り、奴に持って行く!そして、機嫌取り成功なのだ!!」
書き写すと、ヘンリは部屋から飛び出しキッチンへ向かった。

★ ★ ★ ★

全ての書類に目を通し、印鑑を押す。
部下達の成長記録を調査員から受け取り、目を通し、仕事先を変える。
そして、ローレライを魔王らしくする。
それが大悪魔神官カルコスの大まかな仕事である。
椅子に座り、印鑑を押す。
それから、机に置かれた砂糖たっぷりの甘いコーヒーを一口飲み、顔を緩ませる。
この甘いものに触れる瞬間が彼の至福の時なのだ。
「やはり、砂糖をふんだんに入れたコーヒーは美味いなァ・・・・そして、セットで持って来たショコラケーキ!う~ん・・・最高だな。」
気分は絶好調らしい。
いつもの彼ではなさそうだ。
ショコラケーキを一口食べ思う。

———————この口に入れた時の触感がたまらない。・・・・・・・とろりと蕩ける甘いチョコレートをふんわりとしたココアシフォンケーキ生地に挟むなど・・・一体誰が考えたんだ!!!こんなケーキを作った者は神だっ!!

因みに、彼はショートケーキの苺は最初に食べるタイプらしい。
理由は、“苺を先に食べないと、生クリームとか周りが甘くて苺が酸っぱくなるじゃん。”
らしい。
何と子供染みた理由だ。

甘いチョコレートが俺の体を包み込む様だな・・・。

カルコスはケーキを食べ終わると閃く。
———————勇者を打っ倒したら、お菓子の国創ろう。


★ ★ ★ ★

*摩り下ろし林檎ゼリー*

◎材料(4~5個分)
林檎・・・・・・・・1個
檸檬汁・・・・・・・大匙1
粉ゼラチン・・・・・5g
お湯(熱め)・・・・50cc
水・・・・・・・・・100cc
砂糖・・・・・・・・大匙1
蜂蜜・・・・・・・・大匙1・2分の1
ミント・・・・・・・適量。(あれば)


◎作り方
①林檎は皮付きのままよく洗い、六つ割程度に切って芯部分を取り除く。

②①の林檎を摩り下ろし、檸檬汁を振り掛けて混ぜる。(林檎の変色を防ぐ為、檸檬汁を少しずつ加えながら混ぜる。)

③ボウルに分量の熱いお湯を入れて粉ゼラチンを振り入れ、しっかりと混ぜて溶かす。溶けたら砂糖、蜂蜜も加えて混ぜ溶かし、水を加える。

④③に②の林檎を加えて全体が馴染む様にしっかり混ぜ、器に入れて冷やし固める。

⑤出来たら、お好みでミントを飾る。



※上記のメモについて。
実際のヘンリのメモはこんなに綺麗ではありません。
彼は字が非常に汚いのでお見せで来ません。
なので、書き換えてものをお届けしております。


今、ヘンリはいつもの服(白いカッターシャツ、黒緑のネクタイ、黒いベスト、黒いスラックス)に緑色のチェックのエプロンをし、作り方①の林檎を六つ割程度に切って、芯部分を取り除くとこで止まっている。
——————簡単だと思ったのだが・・・・包丁で林檎を切る事が出来ない。指を切ってしまったらと思うと・・・・怖くて踏み出せん。何とかしなくては・・・・。
そこで、ヘンリは自分に“慎重に切れば平気”だと言い聞かせ切り始めた。
包丁が林檎に刺さる。
「よし・・・・慎重に・・・・慎重に・・・・」
ざくっと真っ二つに切る。
そして、六つに切る。
「よし・・・・芯を取り除くのだが・・・・指を切りそうで怖い・・・・」
そのせいか肩に力が入ってしまう。
——————指は切らない・・・指は切らない・・・・指は切らない・・・大丈夫だ・・・。
深呼吸をして芯を取り除いていく魔王。
これは又何とレアな風景だ。
魔王がキッチンで料理。
ローレライなら未だしも、ヘンリと来ればかなりレア物である。
数十分して①の段階を終え、②も続けて終える。
「③は・・・湯が要るのか・・・・フォーユですぐに沸くな。」
(※フォーユ→初歩炎属性魔法)
分量の液体をボウルに入れ、粉ゼラチンを溶かす。そして、砂糖と蜂蜜を入れる。
「何だ、簡単ではないか。」
と微笑むヘンリ。
次第に調子が出て来て、④の器に入れるところまで完成させる。
「よし、これで後は冷やし固めるだけだな。うむ・・・・冷蔵庫に入れて待つのは長いから嫌だから・・・ブリザーで済まそう。」
(※ブリザー→初歩氷属性魔法)
魔法を唱え、一瞬で器どもを固まらせる。
氷柱を提げた器達を眺め、ヘンリは笑う。
「上出来だな。これをアプフェルに持って行けばOKだ。」
と言う訳で、ヘンリ様のクッキングは終了し、彼は満足げにアプフェルの部屋へ向かって行った。

★ ★ ★ ★

林檎の枕に顔を埋め、未だ拗ねていた。
「ヘンリーってば、林檎のパイを作れって命令してさ・・・・何さ、何さ・・・」

アプフェル曰く、主の命令を承るのが下部の快感へと繋がる。又、その主を殺してこそ喜びがある。

とそこへ、ノック。
彼の林檎の蔕の様なブロンドの阿房毛が動いた。
———————ヘンリーだっ!
「アプフェル、入るぞ。」
案の定、主の声が外から聞こえ、扉が開いた。
ヘンリは盆の上に作った摩り下ろし林檎ゼリーを載せ、部下の部屋に入った。
林檎の枕に顔を埋めているアプフェルを呆れた様に眺め、言った。
「おい、アプフェル。顔を上げろ。」
「嫌だ。ヘンリーなんか大嫌いだもんねっ!」
「俺もお前の事は好きでは無いが・・・そ、その・・・食べて欲しいモノがあるのだ・・・」
その言葉にアプフェルは少し顔を上げた。
見えたのは林檎ゼリー。
「お前・・・ディナーに来てなかったから・・・夕飯を食べていないだろう。」
「ヘンリー・・・・」
アプフェルは主の言葉を聞き、紫色の目を潤々させた。目がアメジストの様に煌く。
当のヘンリはそっぽを向き、ゼリーを差し出した。
「べ、別に・・・お前の為に作ったワケでは無いのだが・・・しょ、少々余ってな・・・それで・・・・うわっ!」
急に抱き付いて来たアプフェルにヘンリは尻餅をつく。
「ヘンリーっ!大嫌いなんて嘘だからね!!本当は殺して、ホルマリン浸けにしておきたい程大大大大大好きだからねっ!」
「わ、分かったから離れろ!!気持ち悪いっ!」
ヘンリはアプフェルから解放されると、凍った林檎ゼリーを渡した。
「食べろ。」
「わぁ~い!!いっただきまぁ~すっ!!」
アプフェルは凍ってしゃりしゃりするゼリーを頬張る。その間にヘンリは服を直す。
そして、林檎好きな大悪魔神官は笑う。
「凄く美味しいよ、ヘンリー♪・・・・これって、林檎シャーベット?」
部下の問い掛けに魔王は顔を引き攣らせた。
「ゼリーなのだが・・・・」
「そうなんだぁ~♪全然、ゼリーに見えなかったよ。ふふ、料理下手だねぇ~★デザートも碌に作れないなんて・・・・・相変わらず可愛い♪」
「五月蠅い。文句を言うのであれば食べなくて良いのだぞ!別にお前の為に作ったのではないのだからな。」
とヘンリは不満顔で言うとゼリーを没収する。
それを慌ててアプフェルは制止する。
「待ってよ!不味いなんて文句言って無いでしょ!!美味しいんだから没収しないで!」
ヘンリは溜息をつく。
林檎ゼリーなのか林檎シャーベットなのかよく分からないデザートを食べながら、アプフェルは紫色の目を輝かせて問い掛けた。
「ボクの林檎パイ美味しかった?」
「・・・あ、あァ・・・・」
「食べてくれたんだ!!嬉しい!・・・はぁ~・・ヘンリーの為に甘さ控えめにしておいて良かった。」
「・・べ、別に食べる心算では無かったのだが・・・・部屋に置いていては邪魔になるのでな・・・」
「邪魔って、ヘンリーが作れって言ったんじゃないか!!」
とアプフェルは頬を膨らませた。
「言ったが・・・・・」
何か言おうとしたが、ヘンリは言葉を見つける事が出来なかった。
そんな魔王を見てアプフェルが笑う。
「珍しいねぇ、ヘンリーが言い返して来ないなんて。」
「・・・五月蠅い。」
「五月蠅いのがボクだよ。」
ゼリーを食べ終え盆の上に戻す大悪魔神官を見て、ヘンリは少し笑った。
「そうだな・・・」


面倒臭い主に面倒臭い部下。
何とも似た様な奴等ではないか。

今後とも、馬鹿な魔族達をお願いします。
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2015-01-21 : 【魔界側パロディー】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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