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異世界のイストワール  第9章~真実と復讐と旅立ち~  その3

 
~前回のあらすじ~
村長決めが始まろうとしている昼頃。殺気を放ち家を出るサリエルを止める事が出来ず、威圧されたシャク達であったが、意外なギルティの言葉にシャクも村長決めを見たいと言い出す。その為、村長決めの会場へ赴くのだが————————。

以下は続きです。
 

 
*滅神王城の廊下を歩く暗黒騎士。暗黒の兜の面頬を下げ歩いている。
しかし、何やら小声で呟いている。
「でも、助かりましたよ、貴女のおかげで。」
と暗黒騎士。
そんな暗黒騎士に礼を言われた人物は鈴の様な笑い声を噛み殺す。
「良かったですよ、カーツさんを正気に戻せて。」
「ありがとうございました、天使ラーさん。」
ラーと呼ばれた羽の生えた小さな天使はカーツの肩に座り、笑う。
そう、この天使こそがシャクを勇者に選び異世界に連れて来た張本人である。
でも、何故、彼女が暗黒騎士と一緒に居るのかと言うと…。

現実世界を襲った正気を失ったカーツと魔物の群れに追い駆けられたシャク達はラーに異世界へと転送してもらった。そして、その後、ラーは聖なる光を全身から放ち、カーツの正気を取り戻したのであった。正気を取り戻したカーツは共に現実世界に蔓延る魔物どもにばれない様にし、再び魔界へと帰還したのだ。そして、カーツはラーと共に滅神王城内を探索していたと言うワケである。

「それにしても、ラーさん、貴女が言った勇者と言うのは本当に女神様を救い出し、この滅神王を倒せるのですか?」
とカーツ。
ラーは胸をどんと叩き頷く。
「当然ですよ。きっと、彼等ならやってくれるわ。」
「そうですか・・・」
「だから、カーツさん達が危険を犯してまで魔界へ来なくて良かったんですよ。」
ラーはカーツから聞かされた話を思い出し言った。
そして、二呼吸程後。
「それで、何時、人間界へ戻りますか?」
カーツは天使の問い掛けに黙り込み、思案する。
そして、少しして口を開く。
「いいえ、未だ戻りません。」
「どうしてですか?」
「・・・滅神王や魔物達が言ってた三男の・・・魔王が気になります。だから、もう少しエウリアの事を調べてから戻りたいです。・・・ラーさんも同じでしょう?ラーさんだって、その勇者様に会えば、本当に倒すべき魔王の情報を伝えたいはずでは?」
カーツの言葉にラーは少し考えて、小さく頷いた。
「それもそうですね。全く、考えてなかったです。」
「そ、そうですか・・・」
「だったら、早いとこ、情報収集しましょう!!」
ラーは明るい声で暗黒騎士に微笑んだ。



「立候補者は居ませんか?何方でも構わないのですよ。我々、自警団が後ろから支えるんですから。」
アーノルドは村人達に言う。
ヒルダはそんな父親が憎くて仕方が無かった。
——————やはり、親父は最初から村長の座を狙ってたんだ・・・!
唇を噛む。
しかし、誰も分かってくれる奴は居ない。オルバとコネンドを除いては———————。
アーノルドは村人を見回し、立候補者が居ない事を確認すると続ける。
「では、何方か推薦したい方はいらっしゃいますか?」
再び村人達は騒ぐ。
その時、家からシャク達が出て来た。
そして、騒ぐ村人達を眺める。
「いっぱい居るわね・・・」
レイアは怪訝そうな顔で言い放つ。
彼女の言葉を聞きながら、ラヅは群集の中でとある人物を捜していた。
———————頼むから、事を起こさないでくれ・・・!
ヒカルはそんな紅梅色の長い髪をし、袴を纏った旅人の横顔をチラ見し、目線を群集へ転じる。
———————ヴェロニカさんを捜してんだな、この人は。

一方では群集の前に立つ、自警団達を殺気だった目で眺め、サリエルは笑みを浮かべていた。そんな男にノラマが微笑む。
「何してるノ?村の人達。」
サリエルはノラマを見て、妖艶な笑みを咲かすと言う。
「赤色をノラマに見せる為に集まってんだよ。」
「っ!」
サリエルの言葉を聞いて全員が彼を見た。
「おい!サリエル!一体何をする心算だ!」
とラヅ。
しかし、サリエルは哂うだけだった。
ギルティはそんな彼を見て溜息をつき、ラヅに言う。
「おい、あのまな板女なら群集のあそこに居んぞ。捕まえて来い。今のあいつは何すっか知れたもんじゃねぇーぞ。」
「ヴェロニカ!!」
ラヅはギルティにヴェロニカの居場所を教えてもらい駆けて行った。そんな男を見送ると、ギルティはサリエルに向き直った。
「おいおい、赤い華を咲かすのは止めろ。そんな事してもエルガは喜ばねぇーよ。」
「・・・父さんが喜ばなくとも俺が喜ぶ。」
「お前は赤い華が好きかもしんねぇーけど、エルガは灰色の薔薇が好きなんだぜ?」
悠長に言いながら、サリエルの思考を知っているギルティは宥める。
しかし、当の彼は無視。
そして、二呼吸程後。
「そろそろ、行くぞ・・・ノラマ。」
「うン!」
サリエルはノラマを連れて去ろうとする。しかし、そんな彼に向かってシャクが叫んだ。
「サリエルさん!貴方は行ってはいけない道に行こうとしている・・・・・エルガさんが望んでない道に向かおうとしているっ!」
男はシャクの叫び声に歩を止める。振り返らない。
「お父さんを亡くして、さぞ悲しいでしょう。でも、サリエルさんがしようとしている事は間違っていますよ!」
勇者の言葉にノラマは振り返り、きょとんとした表情で首を傾げる。
「赤色、見ちゃ駄目なノ?」
「ノラマ・・・」
「赤色、見ちゃ駄目なノ?」
シャクは言葉を紡げなくて、黙る。しかし、緋色のフードを被った少年は続ける。
「赤色、綺麗だヨ。・・・・・・そう言えば、シャクの髪の毛も赤色だネ。」
無邪気な少年はサリエルの着物———————いや、元はエルガが纏っていた黒い着物の袖を掴む。
「赤色、見たいヨ。」
「あァ、見るか。」
「サリエルさんっ!」
止め様としたシャクの腕をヒカルが掴んで止めた。
「何すんだよ、ヒカル!」
「危ねぇーよ。」
「危ねぇーつって言ってられっかよ!」
「今、シャクが行ったってな、サリエルさんには今、俺等の声は届かねぇーよ。それに、シャクが此処で死んだら元も子もねぇー!!」
「なっ!」
「そうよ、シャク。」
「レイア・・」
レイアもヒカルの言葉に頷く。
「サリエルさんは見えてないんだわ。自分が歩むべき道が・・・・」
そう言う彼女の目は潤っていた。



ラヅは蘇芳色の髪をした連れの少女の腕を掴むと言った。
「ヴェロニカ、何故此処に居る!」
「放して下さいよ、ラヅさん!放さないと、ラヅさんとて斬りますよ。」
「放さん。放すワケにはいかん!」
ラヅは彼女の腕を力を込めて握る。そして、彼女の腰に差している剣を取り上げる。
「こんな事をしてもエルガ殿は喜ばない。それはお前がよく知っているだろう。」
「黙れ!黙れ!」
群集の中で暴れる男女を目撃し、アーノルドが叫ぶ。
「誰だ!聖なる儀式の際に暴れている不届き者は!!」
すぐに、村人達はラヅとヴェロニカから離れる。その時、刃物が光った。
それを見て、一斉に村人達が叫び、騒ぎ出す。

“刃物を持ってるべ!!”
“危険だべさ!”
“殺されるわよ!!”
“あの子ってエルガさんのお弟子さん達じゃないの!?”
“もしかして、復讐をしに!?”
“それだと巻き込まれるぞ!!”

ヴェロニカは舌打ちをし、ラヅを蹴り飛ばし、剣を奪い返す。そして、切っ先をアーノルドへ向ける。
「おい!貴様等!何勝手に村長決めなんぞしておるんじゃ!!村長はエルガ師匠の息子様であられるサリエル・ファレルレットさんじゃろう!!」
そこでヴェロニカは言葉を切ると、不適に哂ってみせる。そして、続ける。
「それとも何じゃ?村長になり、名声を得たいが為にエルガ師匠を殺したかっただけじゃ・・・・言う真実を隠そうと思って皆に尋ねておるんかえ?大悪党のアーノルドさんよ。」
彼女の言葉に村人全員が再び騒ぐ。
ラヅも驚愕の事実の余り、凍りつく。
そんな彼女の叫び声は村中に響いた。
「貴様っ!」
アーノルドは顔を歪めて叫んだ。
ヴェロニカの言い放った台詞でヒルダ達の予想が的中した事が明らかとなった。
「すぐにあの嘘八百を並べる小娘を引っ捕まえろ!!」
「はッ!」
自警団1番隊長の命令に自警団達がヴェロニカに殺到する。とある三人の人物を除いて————————。
無数の剣や斧などが少女へ向かって来る。それをヴェロニカは迎え撃とうとして、剣を構える。しかし、彼女に牙が触れる事は無かった。
触れる前に捥ぎ取られてしまったのだから———————。
自警団5人の下っ端どもが血飛沫を上げて息絶えたのは一瞬だった。
ヴェロニカは目を見開き、自分の目の前に立ちはだかる黒い着物を纏った男の背中を見つめる。
「サ、サリエルさんっ・・・・!」
「ヴェロニカ、大丈夫?」
ノラマが走って来て、問い掛けた。
「あ、あァ・・・ありがとう・・・ノラマ・・・・」
緋色のローブの少年はヴェロニカが無事なのを確認すると、微笑んだ。しかし、目は笑っていなかった。
ヴェロニカを自警団達の攻撃から庇ったサリエルは返り血を浴びた横顔で彼女を見た。
「・・・ヴェロニカ・・・それは確かな事か・・・?あの下衆な野郎が父さんの村長の座を狙い、父さんを最初から殺そうと計画していたって話・・・」
殺気だった声だった。
ヴェロニカは頷く。
彼女の頷きにノラマが固まる。
「は、はい。間違いなく聞きました。」
「本当なノ?ヴェロニカ・・・エルガが・・・」
泣きそうな顔をして少年は少女に尋ねる。
ヴェロニカはそんな少年を抱き寄せ、フードの上から頭を撫でる。そして、涙を流す。
「本当じゃ・・・・」
「・・そうか・・・」
サリエルは不気味に微笑むと血走った目をアーノルドへと向けた。
そして———————。
「自警団の隊長さんよ、昨日ぶりだな。」
「サリエル・・・」
彼は刀に付着した血を払って地面に落とすと、哂う。そんな青年の近く———————ヴェロニカの傍に居る少年を見て、アーノルドは言った。
「そのガキがエルガが隠し育てていた魔物か・・・」
その発言にサリエルの顔が笑みから反れる。
「随分と弱々しい魔物だな・・・」
しかし、黒紫の髪の青年は余裕たっぷりの笑みを顔に戻すと話を変えた。
「こいつの話はどうでも良い。・・・・・俺ァ殺された元村長の息子だ。だから、村長決めなんぞ意味は無ぇって言いに来たんだ。」
「何だと・・?」
妖艶な笑みを浮かべ、二呼吸程後にサリエルはアーノルドに向かって言い放った。
そして————————。
「俺が村長だ。」
その言葉にシャク達やラヅ、ヴェロニカ、ギルティ達は驚愕に駆られた。


続く…。
 

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2015-01-05 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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