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異世界のイストワール  第9章~真実と復讐と旅立ち~  その2

 
~前回のあらすじ~
エルガが処刑された次の日の昼頃、ニルバーナの村長を決めると言う儀式を自警団が取り持つ事となった。しかし、シャク達は悲しみに暮れるばかりで家を出ようとしない。そんな中、何も知らないノラマにエルガの事を訊ねられ、“ナガタビ”に出たと嘘をつく。

以下は続きです。
 

 
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

蝋燭が揺らぐ静かな牢屋。
鉄格子向こうに独り着物を着た男が正座をしている。
とそこへ影が一つ、鉄格子の鍵を開けようともがいている。
「くそっ!何て頑丈なんじゃ!びくともしねぇっ!」
女の声を聞き、エルガは微笑む。
「ヴェロニカまでお別れを言いに来てくれたのかい?嬉しいね。」
「何言ってんですかい!お別れじゃねぇ、迎えに来たんじゃって!逃げよう、エルガ師匠!」
ヴェロニカはかちゃかちゃと鍵穴に針金を入れている。しかし、開かない。
「サリエルさんを自分と同じ復讐者の道に入れたく無いんす。じゃから・・・あっ、くそ!開けやっ!このクソ鉄格子!」
もがく彼女をエルガは微笑んで見つめる。
———————そう言えば・・・彼女もご両親をご友人に・・・・。
彼と同様、そんな彼女を遠くから見ている人物が居る。
その人物は溜息をついて、さっさと歩いて来る。
「先客が居るたァーな・・・いや、俺の方が早かったか・・・」
声の主は淡い水色の髪の毛を掻きながら溜息をついた。
そんな主を睨み、ヴェロニカは身構える。
「ギルティ!」
ギルティはエルガが居る場所まで歩いて行くとエルガを見た。そんな青年にエルガは微笑んで返す。
「ギルティじゃないか、君もお別れを言いに来てくれたのかい?」
「まァ、そんな感じだな。」
「貴様っ!」
「ヴェロニカ、落ち着いて。」
とエルガ。
「落ち着いて居られないですよ!!」
「まァまァ。」
微笑む師匠を見て、ヴェロニカは不満顔をした。そんな彼女にギルティが言う。
「そう言う事ァ、ガキは家に帰ってろ。」
「ガキじゃと!!自分はガキじゃねぇーっ!つーか、呑気に家に帰ってられっかよ!!自分はエルガ師匠を助け出しに来たんじゃ!!素直に“分かった”っつって帰れるかってんだっ!!」
「相変わらず胸はでかくねぇーが、声はでけぇーな、おい。」
ギルティは耳を塞ぎながら口を開く。しかし、そんな彼の顔は痛みに歪む。
「痛ぇっ!」
腹を蹴られ、その場に蹲る。
「一言多いんじゃ、テメェーは。」
「アハハハハハハハハハハっ!」
二人の遣り取りを眺め、エルガが笑う。
「相変わらず二人は面白いね。その遣り取りずっと見て居たいよ。」
ヴェロニカは師匠の言葉を聞き、暗い表情をした。
「ずっと見せてあげたいですよ・・・じゃから・・此処から・・・」
「ヴェロニカ・・・」
「?」
静かに言い出したエルガの声を彼女は静かに聞き入れる。
「君はサリエルの傍に居てあげてくれないかい?あの子、ちょっとしたことに傷付くタイプだから・・・ね?」
「エルガ師匠・・・」
「僕の望みはそれね。」
「っ!な、何言ってんですか!!望みって何すか!!そんなん・・・そんなん・・・・うっ!」
突然、ヴェロニカはその場に倒れた。
「・・・はァーあ・・そんなにでけェー声出してたら、ばれるだろうが、まな板女。」
ギルティは気絶している彼女に向かって吐き捨てる様に言うと、溜息をついた。
「そうだね。ありがとう、ギルティ。」
「どうって事ねぇーよ。」
微笑むエルガにギルティは暗い表情をして応えた。
そのまま沈黙が二人を支配する。
言葉を発し様にも口から言葉が出ない。
口を開いてしまえば目元が熱くなる。
だから、ギルティは頑なに口を閉じていた。
しかし、沈黙に耐えられなくなったのか、エルガは笑顔を浮かべて言う。
「もう30分くらいかなァ~・・・旅立ちまで。」
笑う村長を一瞥し、青年は俯いて口を開く。
「エルガ・・・悪ィ、アンタと隊長の話・・・ちっとばかし聞いちまったみてぇーだわ。」
「そう。」
「どう言う事ァ・・・ありゃァ・・アーノルドの奴が名声を得たいって話。それでアンタを最初から消したかったって・・・」
「ああ言う事だよ。・・・それにしても、聞かれたんだ・・・参ったねぇ・・」
ギルティは俯き、拳を握り締めて静かに続ける。
「参ったのはこっちの方だよ・・・馬鹿村長がっ・・・」
エルガは俯いて言う青年を見る。その青年の頬からは何かが伝っていた。
「アンタが消えちまったらニルバーナはお仕舞いだ・・・何にも残らなくなっちまう・・・」
「そう・・かな?」
「こいつだって・・・また、復讐者になろうとしている。・・・・・・アンタが消えれば、死者が増えるだけだぜ。」
「・・・・シシャねぇ・・・アハハハハ、どうかな?」
笑う村長。
そんな彼に怒りを覚えたのか、ギルティは少し声を大きくした。
「未だ笑ってやがんのかよっ!」
そこで初めて顔を上げたギルティの目からは涙が溢れていた。
「泣けよっ!アンタだって泣きたい時はあんだろっ!何でいっつも笑ってんだよっ!何、偽りの仮面を顔に付けてんだよっ!!俺ァ、アンタの偽物の仮面なんか見たかねぇーよっ!」
静かな彼の怒り声は心の底から泣き叫んでいた。
エルガは青年を眺め、いつもの様に微笑んだ。
しかし———————。
「泣いても良いのかな・・・僕が・・・泣いても・・・」
しかし、いつもとは違ったところがあった。
微笑む彼の目からは何かが伝っていた。
ギルティは驚愕する。
「泣きたいけど・・泣いたら駄目なんだよ・・・泣いたら・・・」
「エルガ・・・」
村長は溢れる涙を手の甲で拭い、必死に涙を塞き止めている。今まで我慢していた涙が悲しみのダムを破壊し、溢れ出したのだろう。
そんな義理の父親を眺め、ギルティは鼻で笑う。
「泣けるんじゃねぇーか・・・」
「泣けるよ・・・」
それから、ギルティは村長に背を向けた。
「・・・アンタが消えりゃァ、サリエルは・・・ヴェロニカは・・・復讐の道へ入っちまう。それだきゃァ、言える。」
エルガは青年の言葉を聞き、溜息をつく。
「そうだね・・・あの子は・・・特にサリエルは自分に繋がる人間が傷付けられるのを凄く拒むからね・・・」
「まァ、真実を話したところでも奴等は復讐心に縛られる・・・」
「そうだね。どうしよっか・・・?」
悩む義理の父親にギルティは言い放つ。
「アンタがもっとしっかり抵抗すりゃァ良かったんだ。唯、それだけの事だよ。」
「抵抗ねぇ・・・・」
ギルティは気絶し、倒れているヴェロニカを抱き上げ、三呼吸程後に告げる。
「・・・・真実を知っちまった事には、俺もサリエル達同様、いや、あのロン毛野郎もシャク達も黙っちゃいねぇ・・・アンタの事だ、“秘密にしておいて。”って言うだろうな。・・・・・そこでなんだけどさ、俺がサリエル達を代表して一発殺っても良いか?」
思いがけない青年の言葉にエルガは驚く。
「ギルティ!」
「俺が全てを背負えば事が早ぇ・・・」
「でも!」
「どうって事ァねぇーよ、エルガ。アンタやサリエルのおかげで俺ァ、生きる事が出来たんだ・・・此処で恩返し出来るんなら心残りはねぇぜ。」
そう語る義理の息子を見て、エルガは叫んだ。
「駄目だ!それは断じて僕が許さない!」
「・・・」
そして、涙声になりながらエルガは俯いて呟く。
「それに・・・そんな事しても僕は喜ばないよ・・・・寧ろ、悲しいよ。」
「・・・」
「ギルティ、君が全て背負えば良いって事じゃない。君は僕の大切な息子だ、そんな事絶対に許さない。」
エルガの静かな声を聞き、ギルティも静かに言い返す。
「それじゃァ、俺のこの憎しみは誰にぶつけりゃァ良いんだよ・・・・」
「ギルティ・・・」
「大切なモンを奪われた俺のこの憎しみは一体誰にぶつけりゃァ良いんだよ・・・・・・」
「・・・どこにもぶつけなくて良い。」
「・・・」
「どこにもぶつけなくて良いよ・・・君は唯、憎しみや恨みに支配されそうな人達を守ってくれれば良い。」
「エルガ・・・・」
村長はギルティに涙を流しながら微笑むと告げる。
「お願い、ギルティ・・・サリエルやヴェロニカ、皆を守ってあげて欲しい。」
ギルティは父親の最期の頼みを聞き入れると、涙を走らせた。
そして———————。
「相変わらず、甘い野郎だぜ・・・」
「頼むよ・・・」
青年は男を見つめる。
そんな彼を男は静かに見つめ返す。

三呼吸程後。

「・・・分かったよ・・・・・・父さん・・・」
淡い水色の髪の青年は宣言した。
その青年の返事を聞くと、エルガは最期の向日葵を咲かせた。
「ありがとう、ギルティ・・・」

★ ★ ★ ★ ★ ★ ★



自警団副2番隊長ヒルダは集まる群衆を眺めていた。
とそこにミーシアとノアがやって来た。
「ヒルダさんっ!一体、これはどう言う事ですか!!」
「ミーシア・・・」
「そうだよ!エルガさんが裏切り者で処刑されたってどう言う事だよ!!」
ノアは相変わらず食って掛かって来る。そんな兄を無視し、ヒルダはそっぽを向く。
「どうもこうもねぇーよ。裏切り者で処刑されちまったんだよ。」
「テメェーっ!」
ノアはヒルダの胸倉を掴んだ。
「いい加減な事言いやがって!!」
「ノア兄さん、止めて!」
妹が兄の腕を掴む。そんな健気な妹の制止に兄は行動を止める。
兄を止めたミーシアはヒルダに問い掛けた。
「何か事情があったんですよね?そ、その・・・何かが・・・」
「あァ・・・テメェー等には関係ねぇー事だ。」
「貴様っ!」
「兄さん!」
ヒルダはミーシアの泣き腫らした目を見て、胸が痛くなるのを感じた。だが、今は易々言えない。
オルバの予想の事を——————。
だから、追い払う。このまま目の前に居られては、胸が張り裂けそうになる。
「間も無く村長決めが始まる・・・早いとこ並んどけ。」
「・・はい・・・」
ミーシアは泣きそうな顔をして、怒り狂った兄と群集の中に消えた。
それと同時に声が掛かる。
「これより、ニルバーナ村長決めを開始する。ご存知の通り、元村長エルガ・ファレルレットは魔物を秘密で育てていたと言う裏切り行為の結果、我々自警団が裁きました。そして、その裏切り者の息子であるサリエル・ファレルレットも同罪である為、この度、村長にはなれません。以下の結果、我々村人や自警団でニルバーナを守っていかなくてはならない結果となりました。そこで、本日は村長決めを行います。」
自警団1番隊長アーノルドの言葉に村人達が騒ぐ。
それをすぐに自警団達が抑える。
「村長決めなのですが、誰か立候補者は居ませんか?」
重要な問いかけに村人達は黙る。
流石にニルバーナを引っ張って行く村人は居ないのだろう。
アーノルドの口元が歪む。
予想通りだと言う風な父親の横顔を一瞥し、ヒルダは拳を握り締めた。
そこで確信する。
オルバもコネンドも拳を握り締めた。
二人も見たのだろう、本当の罪人の面構えを————————。



黒い布地に灰色の薔薇と茨。胸に咲く一輪の灰色の薔薇は赤く染まっている。
そんな着物を纏い、腰に柄が緑の刀を佩く。
そして、緋色のローブを着ている少年と階段を降りる男。
1階にはシャク達が暗い顔をして存在している。
だが、彼等には触れず、二人は家を出ようとする。
「おい、サリエル!何所へ行く!」
ラヅが焦った様に訊ねる。
しかし、サリエルは妖艶に笑うだけ。
「おい!サリエル!」
「・・・ちょっくら、外まで散歩だ。」
「散歩・・・だと・・・?」
独り取り残された息子の言葉にシャク達は顔を上げる。
「何やら、面白そうな集まりをやってるみてぇーじゃねぇーか・・・・俺等を仲間外れにしてな。」
「サリエル・・・お前!」
とラヅ。
男は連れの少年に着物の裾を引っ張られ、歩き出す。
「サリエルさん、ノラマ!!」
シャクも引き止めようと声を上げた。しかし、二人は立ち止まらない。
そんな二人を凝視し、家から出る前にラヅは叫ぶ。
「俺も散歩なら共に行く!待て!」
駆けて行こうとするが、鋭く血走った目をして、サリエルが振り返った。その目には殺気が宿っていた。
「来たきゃ来れば良いさ・・・勝手にしな。」
「サ、サリエル・・・・」
ラヅは気圧され、その場に立ち尽くし、二人の後を追う事が出来なかった。
しかし、黒紫色の髪の男に声が掛けられる。
「待てよ・・・」
長椅子から立ち上がり、淡い水色の髪の男は、頭を掻く。
「ギルティさん・・・」
ぴたりとサリエルの歩が止まる。
「俺もその面白い集まりに参加したくてな・・・」
「おい、お前まで!」
ラヅはギルティを止めようとするが、彼は聞く耳を持たなかった。青い着物を纏った男はサリエル達二人の後に続く。
そんな二人を見て、シャクは口を開いた。
「俺も行きます。」
「シャク・・・」
とレイア。
「俺だって、村長決めを見たいです。」
シャクは宣言すると立ち上がった。



何やら胸騒ぎがして仕方が無い。
滅神王次男ヘンリは自室に籠り思った。
————————何かが起ころうとしている様な気がするのだが・・・気のせいか?
妙な冷たさが背中を滑る。
寒気がし、大悪魔神官リンネルが淹れてくれた温かいコーヒーカップを握る。しかし、寒気は消えない。
——————一体何なのだ、この妙な寒気は・・・。
ヘンリは研究員キルラーが言っていた事を思い出した。
————————凡そ数十年もの間、石化させられていたので、効果も薄れているはずなんですよね☆・・・だから、石造探知機とか発明しても滅神王エウリア様は見つかりっこないと思うんです☆
思い出し、魔王は胸騒ぎの原因を突き止める。
———————確かにな・・・石化魔法の効果が薄れているか・・・そうだな。だとすれば、人間界で暴れ出しても可笑しくは無い。
ヘンリは勢い良く椅子から立ち上がり、拳を握る。
———————人間界を破壊される前に滅界に連れて戻り、コントロールしなくては!!
滅神王は部屋を飛び出すと赤い絨毯が敷かれた廊下を走って行った。
それを大悪魔神官アプフェルは不適な笑みを浮かべて見ていた。


続く…。

※文章が雑ですまん。許してくれ。
 

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2015-01-02 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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6章7章8章9章

~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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