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異世界のイストワール  魔界側パロディー編~今日はハロウィンパーティーだ!~

 
2014 . Happy Halloween !!

~今日はハロウィンパーティーだ!~
  

 
*夕方。
滅神王城内にある会議室。滅神王兄ローレライ、その弟ヘンリ、大悪魔神官兄カルコス、その妹リンネル、大悪魔神官アプフェルと、滅神王兄側の滅軍の3隊長、滅神王弟側の滅軍3隊長が円形に座っている。
「は~い!第何回目か忘れたけど、会議を始めるわよ~!!」
ローレライが笑顔で集まった皆に呼び掛ける。
「は~い!」
アプフェルと研究員になったキルラーが拍手とラッパを鳴らす。
(パフパフパフ・パチパチパチ)
そんな彼等を睨み、カルコスは我が主ローレライに怒鳴る。
「第何回目かぐらい覚えとけよっ!」
「えぇ~、良いじゃないの。そんなの言ったって意味無いんだし~」
「あのな!」
会議机を両手で叩き、反論しようしたカルコスの反対側から無感情の声がした。
「前回の会議は、第213531回でしたので、今回は第213532回目です。」
「わぁ、そんなに会議やってたのね。凄いわ!」
とローレライ。
「リンネル、凄いや!流石はリンネル!」
「リンちゃん先輩、凄いっす!」
アプフェルとキルラーが拍手をする。
優秀な部下を見つめ、ヘンリは自慢げな表情をした。
「リンネルは優秀だ。それぐらい言えて当たり前だ。」
「ヘンリーったら、もっとリンちゃんを褒めてあげても良いんじゃない?」
とローレライ。
「褒めている。」
「ありがとうございます、ヘンリ様。」
リンネルは主を虚ろな目で見つめ、頭を下げた。
「ねぇ!ねぇ!ヘンリー!ボクは!ボクは!」
アプフェルが紫色の目を輝かせて訊ねた。
「“ヘンリー”じゃない、“ヘンリ”だ。お前は我が主の名前を間違えている時点でアウトだ。」
「えぇ~!ケチだなぁ~!」
「どこがケチなのだ!!」
「カルトス君だってとても優秀よ!ねぇ?カルトス君!」
ローレライが言う。
「“カルトス”じゃなくて“カルコス”だ!」
「良いじゃない。」
「良くねぇーよ!いい加減、本当の名前で呼びやがれ!」
「って事で、みんな、みんな、優秀なんだよね!」
シャウトする兄神官を無視して、アプフェルが笑って言った。
「私もですか?」
とキルラー。
「勿の論だよ!」
「やったー!!」
「(テメェー等を除きてぇーよ・・・)」
とヘンリとカルコスは内心思った。
カルコスは盛大な溜息をついて、脱線した話を戻す。
「で、何の会議になってんのか分からなくなるじゃねぇーか・・・だから、脱線を戻すぞ。よし、では第21◎×□#回目の会議を始めようと・・・」
「第213532回目ですよ、カル兄さん。」
リンネルの鋭い指摘がカルコスを突き刺す。
「!」
ひやっとしたカルコスに向かってアプフェルがにやけ顔で突っつく。
「あ~、カル兄、会議の回数知らないんだ~プププっ!」
「ち、違う!」
慌てるカルコス。
「じゃぁ、何で誤魔化したの?」
「誤魔化してなんか・・・」
「最近は妹の方が優秀なのかな~?」
「何だと!?」
「こらこら、アプちゃん、止めなさい。カルトス君は本当に優秀なのよ。」
ローレライが笑顔で止める。
「知ってるよぉ!冗談で言ったの!冗談!」
「私、凄く尊敬しているもの。いつも時間通りに起きて、部屋を片付けて、書類を管理して、部下の指導に当たったり・・・素晴らしいと思うわ。」
「・・・(ローレライ・・・)」
カルコスは少し馬鹿上司に心を動かされた。
——————あいつ・・・俺の事・・そんな風に思ってたんだ・・・。何か・・意外だな・・。
そして、魔王兄はクスっ笑うと続けた。
「・・・でも、ちょっと抜けてるとこがあるけどね。ほら、甘い物を摘み食いしたり、勝手に私の書類を書き換えたり、私の薔薇の庭を荒らしたり、部下をしばいたり、五月蠅かったり・・・」
「おいィ!!それ何のフォローにもなってねぇーよ!てか、俺の悪いとこばっか言ってるじゃんか!優秀の部分より、悪い部分の方が多いんだけど!それにさ、テメェーの庭なんか荒らしてねぇーよっ!」
カルコスは再びシャウトする。
「でも、抜いてたじゃんか!」
「雑草をな!てか、テメェーが抜けって言ったから抜いてやったんだろうがっ!!あと、甘い物を摘み食いしたのは否定しねぇーよ・・・だがな、書類を勝手に書き換えるってな、テメェーがまともな書類を提出しねぇーからだろっ!俺がそこをフォローしてやってんだよ!感謝しろ!」
「あら、そうだったの。ありがと。」
「軽っ!何か軽くね!?」
「まぁ、何はともあれ会議!会議!」
「おい!」
「じゃぁ、今回の策として何か策がある人!」
「何かの策じゃねぇーよ!“勇者抹殺計画の案”だろうがっ!」
さらりと流す魔王兄に向かってヘンリとカルコスは同時に怒鳴った。しかし、そんな二人を割って研究員キルラーが挙手をする。
「あの~・・・」
「なぁ~に?キルちゃん。」
「あのー。ハロウィンパーティーをするのはどうっすかね?☆」
「ハロウィンパーティー?」
「はい!」
「良いじゃん!それ!楽しそう!」
アプフェルが飛び跳ねる。
「でしょ!でしょ!やらない?☆」
「やるか!そんなもん!」
ヘンリとカルコスは同時に怒鳴る。しかし、当の魔王兄は笑顔で賛成する。
「良いわ!やりましょう!」
「駄目だ!絶対に許さん!」
「俺もヘンリ様に同意だ!」
「同意しても駄目よ。私はやるわ!」
「ざけんな!仕事しろ!」
「そんなくだらない案を出す為に会議を開いたワケでは無い!」
とヘンリ。
「ハロパの案に賛成な人!」
ローレライはお構いなしに問う。
「は~い!!」
「は~い!はい、はい☆
アプフェルとキルラーが飛び跳ねて手を挙げる。
部下兄側A「はい!」
部下兄側B「へい!」
部下兄側C「はいはい!」
部下弟側D「は~い!」
部下弟側E「賛成っす!」
部下弟側F「仰せのままに!」
「おい!貴様等!」
部下達を睨みつけ、ヘンリが叫ぶ。
「裏切ったなっ!ヘンリ様に逆らう気かっ!」
カルコスもシャウト。
ローレライは先程から黙っているリンネルに視線を向けて問う。
「リンちゃんはどっち?」
「・・・」
「リンネルっ!俺の部下なんだ、俺側につけっ!」
「リンっ!お前とは組みたくは無いが、ヘンリ様に従えっ!こっち側につけっ!」
ヘンリとカルコスがリンネルに叫ぶ。
「リンちゃん!」
「リンネル!こっちに来なよ!飴あげるからさ!」
どこから取り出したのかアプフェルが飴玉を差し出して、リンネルに詰め寄った。
「どこぞの不審者だっ!」
とヘンリとカルコス。
「リンちゃん先輩、こっちに来て下さいよ~☆」
「リンネルっ!これは命令だっ!俺側につけっ!」
魔王弟の台詞に魔王兄は一瞬不満げな顔をしたが、すぐに笑顔に戻して返す。
「あら?命令を下すの?それじゃぁ、カルトス君、私側につきなさい!上司命令よ!」
「な、何!?」
「それじゃぁ、アプフェル!命令だ!俺側につけっ!」
見兼ねたヘンリも対抗する。
「えぇ?それは無いよ~!命令とか無しにしない?」
「黙れっ!お前は俺の部下だ。俺の命令には従ってもらう。」
「えぇ~・・・」
勇者抹殺計画の案どころかハロウィンパーティーの案に変わってしまった始末をどうつけるべきかヘンリは悩んだ。
「くだらない・・・お仕舞いにするぞ。こんな馬鹿げた会議はしたくはない!」
「ねぇ~ヘンリ~、しましょうよ、ハロパ!」
ローレライが詰め寄って来る。しかし、ヘンリは兄を振り払った。
「しないと言ったらしない!決してそのくだらない宴はホールドする心算は無い!」
「良いじゃんかぁ~!!」
「ボクからもお願いするよ!」
アプフェルも強請って来る。がしかし、ヘンリは同じ言葉を繰り出す。カルコスも横で額に青筋を立てて怒鳴った。
「断じてそんな馬鹿騒ぎはしないっ!」
怒鳴られたメンバーは不満げな表情を浮かべていた。
———————無理にでもやってやる!



この日の夜。
滅神王弟ヘンリはいつもの服装———————白いカッターシャツ、深緑のネクタイ、紺色のベスト、黒いスラックス————————を脱いで、風呂に入った。脱衣所には彼愛用の淡い緑色のパジャマが置いてある。
しかし、この時点では彼は重大なミスを犯している事には全く気付いていなかった。
シャワーで髪を洗い、流す。
体を洗い、流す。
そして、紫色の湯に浸る。
———————全く、馬鹿が多いものだな・・・。あんな馬鹿どもが増えるから俺等の世界は悪化してゆくのだ。まぁ・・アプフェルが優秀な人間を捕獲し、カルコスさんが洗脳してくれたおかげで、少しはマシになったか・・・・。
ヘンリは内心思い、不適に哂った。
——————あの人間は相当使える・・・良いアイテムを手に入れたものだ。

約10分程度、風呂に浸ったヘンリはバスタオルで体を拭くと、脱衣所に上がった。そして、驚愕に襲われた。
「どうなっているのだっ!!」
彼の絶叫が城内に響いた。
そう、脱衣所の鍵はちゃんと閉めておくべきである。
確認すべし。



カボチャのランタン達が並んでいる。
神父、吸血鬼、血塗れフランケンシュタイン、シスター、内臓が飛び出して狂ったメイドが滅神王城の中庭のパーティー会場に揃った。
「みんな、よく似合ってるじゃない!可愛いわ♪」
そう笑顔で言う滅神王兄ローレライは頭から羊の角が生えた死神風の衣装を纏っている。
「“よく似合ってるじゃない!”じゃねぇーよ!ンだよ、これ!」
カルコスが神父風の服で怒鳴った。
「そうだ!何を考えている!」
ヘンリも吸血鬼風の衣装を纏い、怒鳴る。
「ヘンリー、凄い似合ってるわよ!写真撮りたいわ!」
「撮らなくて良い!」
「ヘンリー、可愛い!」
血塗れフランケンシュタインの衣装を纏ったアプフェルが笑う。
「黙れ!」
何故、ヘンリやカルコスがこんな“ハロパ”をする破目になったのかと言うと…
ヘンリの場合、彼が入浴中、ローレライが弟のパジャマとハロパ専用の吸血鬼衣装とを取り替えた事により事態が発生したのである。つまり、勝手に脱衣所へ侵入したわけだ。
又、カルコスの場合はローレライに麻痺魔法パラリスをかけられ、麻痺ったところを無理矢理着せられたのだった。
(大悪魔神官カルコスは魔族系の中ボス的な存在なんだから麻痺は効かないんじゃない?って思うかもしんねぇーけど、魔王の魔力は凄いから効くのだ。)
「リンネルのシスターも、キルちゃんのメイドもよく似合ってる!」
「本当ですか!ありがと~☆」
キルラーは言うと死神ローレライに抱きついた。
「ねぇ、キル!見て!見て!この頭の斧カチューシャ!凄いでしょ!リアルでしょ!」
アプフェルがキルラーに自慢する。
「わぁ、凄~い!本物みたい!流れてる血も本物みたい!☆」
とキルラー。
「これ本物だよ!」
「マジで!?」
「うん、マジ。リンネルに作ってもらったんだ。」
「へぇ~。リンちゃん先輩、やばいっすね!☆」
「そうでも無いですよ。唯、近くにあった斧と近くに居た部下を殺めて作っただけですから。」
リンネルは無表情且つ、虚ろな目で言った。
「お、おう・・・そうっすか・・・なるほど、リアルなワケだ・・・」
キルラーは苦笑し、目を瞬かせた。
「ほーら!いっぱいお菓子が用意してあるから、じゃんじゃん食べてね!」
とローレライ。
そんな馬鹿上司の言葉にカルコスはパーティー用のテーブルに並べられたお菓子達を見つめた。
パイ、タルト、ケーキ、クッキー、チョコレートフォンデュ、アイス、ゼリー、プリン、パン、カステラ、飴、キャラメル等などと言ったお菓子達。
——————菓子達が目の前に・・・・!
カルコスの目は何時しか輝いていた。
甘い物好きのカルコスにとって此処は将に“お菓子の国”!
——————待ってろよ・・・俺のお菓子達・・・・・!
とカルコスは思うが、すぐに頭を振る。
——————駄目だ、駄目だ!奴等の誘惑にのっては!俺は大悪魔神官っ!こんな時こそ、しっかりせねばならない!だから、このアホどもを殺処分しなくてはっ!
神父は拳を握り締め、足を一歩踏み出した。
お菓子達の甘い匂いがカルコスを誘惑する。
——————このバターの芳ばしい匂いは・・・しっとりバタークッキー!あぁ・・・・いや!駄目だ!俺はこんな誘惑には負けない!しっかりしろ!俺っ!
カルコスは自身の頬を叩く。
そうやって彼は真剣にお菓子達と戦っているのであった。

一方、吸血鬼ヘンリは——————。
不満顔で椅子に座り、ブラックコーヒーを飲んでいた。
———————くっ、こんな時に・・・勇者がいつ攻めて来るか分からない時に・・・・!ふざけた宴などしやがって!あの馬鹿がっ!勇者を抹殺せねばならないと言うのに!もどかしいっ!
コーヒーカップを音を立てて机に置くと、ヘンリは足を組んだ。
———————あの馬鹿兄は一体何を考えている!何がしたいのだ!
近くにあった抹茶カステラを手に取る。そして、薄い紙を剥がしながら思う。
——————あのふざけた仮面の裏に何かあるとでも言うのか・・?
一口頬張る。口の中に広がる甘さを感じ、目を半眼にする。
——————いや、そんな裏があるとは思えない。あいつもこの抹茶カステラと同様、甘いままだ。
そう考えていた時、シスター風リンネルがカボチャプリンを持ってヘンリのところへやって来た。
「ヘンリ様、カボチャプリンをお持ちしました。」
「リンネルか・・・」
彼女はヘンリの前にプリンを置くと、虚ろな目を向けた。
「俺はあまり甘い物を口にしたくないのだが・・・」
「その様には見えませんが・・・」
「あの馬鹿どもを何とかしなくてはな・・・滅軍どもも調子に乗りやがって・・・!」
「ローレライ様、とても喜んでいらっしゃいますね。」
「あぁ・・・・いや、あいつの頭の中はいつも花畑が広がっている。いっそ、死の雨でも降らせて枯らしてやりたいものだ。」
「良いじゃないですか・・・花畑が広がっていて・・・」
「リンネル・・?」
いつもより、リンネルの声に感情が入っている様な気がした。
「お前・・・感情が・・・」
「それより、ヘンリ様。」
「何だ?」
もう彼女の声は普段と同じになっていた。
「暫くして、仮装大会が開かれる様ですよ。」
「フン、俺には関係無いことだ。つまらない。」
「ヘンリ様はご参加なさらないのですか?」
「するワケが無いだろ!くだらない!」
「では、私は行って来ます。」
無感情の声でリンネルは言うと立ち去ろうとした。そんな彼女を見て、ヘンリは慌てる。
「おい!行くとはどこにだ!」
部下は振り向くと虚ろな目で答えた。
「仮装大会にです。」
「何ィィィィ!?」
「ローレライ様から命令が下されたましたので・・・」
「おい!お前は俺の部下だろう!」
しかし、彼女は去って行ってしまった。



「さぁ~て!始まりました、仮装大会!今回は様々な仮装をした奴等が集まっているぞ!誰が優勝するか、実に楽しみだ!では、エントリーナンバー1から順々に紹介していくぞ!!皆、準備は良いか!!!」
司会の死魔のマイクを通した元気の良い声が会場内に響いた。
集まっている皆が元気良く死魔に返す。
「OK!じゃぁ、エントリーナンバー1、ダークエルフだ!彼は一体どんな仮装をしているのか!!」
司会の声で舞台に出て来たのは、カボチャを被り、王子の服を纏っているダークエルフだった。
「おっと!これは噂に聞く、カボチャの王子“パンプリ”だ!!これはクオリティーが高い!カボチャは本物、服は高級品!これに敵う仮装者が居るのか!?・・・」
と、何やかんやで仮装大会が進み始め、会場は大盛り上がりであった。
そんな中、ひっそりと蠢く影を誰も気にも留めて居なかった。

★ ★ ★ ★ ★

「エントリーナンバー109!こ、これは何と我が滅界を治めていらっしゃる滅神王ローレライ様だ!魔王様は今回は、な、な、何と、“死神”です!死神です!これは素晴らしい!今まで死神に仮装した魔物は居ない!New idea!Great!Excellent!Fantastic!Wonderful!」
死魔のテンションは次第に上昇していく。
「では、ローレライ様!何かお言葉を頂くことは出来ますでしょうか?」
ローレライは笑顔で頷くと、舞台の前に行き、大きな鎌を振り回した。そして、笑顔を群集に向ける。
「今日はみんな、楽しんでいるかな?」
群集は返事をする。
「アハハハハハハハ!それなら良かった!今日はめいいっぱい遊んで、楽しんで行こうじゃないか!アディオス!」
言うと彼は舞台から降りた。その後も群集の歓喜はおさまらなかった。
舞台裏に戻って来たローレライを見て、カルコスは思った。
——————誰だよ!
「次はカルトス君の番よ!頑張ってね!応援してるよ!♪」
「応援されたくねぇーよ!てか、何?オーディション?どこのアイドル?」
カルコスは言いながら、舞台へ向き直った。
司会の声が聞こえる。
「おっと、次も続いて豪華メンバーだ!エントリーナンバー110!我が主ローレライ様を支えていらっしゃるガミガミ大悪魔神官カルコス様だ!!」
カルコスは目を半眼にして舞台上に立つ。
「カルコス様、それは神父ですか!?」
「そうだ・・・」
「何か地味ですね・・・」
「やかましい!俺だってこんな格好なんかしたくねぇーし、こんな大会に何か出たくねぇーんだよ!」
「おっと、いきなりガミガミ発動!ガミガミの方の調子は快調ですね!流石!」
「それ程でも~・・・ってお前、どさくさに紛れて失礼な事言ってんな!殺すぞ!」
「すみません!」
カルコスは不満げな表情をして舞台から降りて行った。
死魔は冷汗を拭い、気を取り直した。
「で、では続いて・・エントリーナンバー111!アプフェル様です!彼は血塗れフランケンシュタインの仮装です!」
「はぁ~あ~い!!」
アプフェルは笑顔で舞台上に飛んで現れた。
「では、アプフェル様、今回の仮装の見所はどこですか!?」
「えっとねぇ・・・この血塗れの斧のカチューシャかな!!」
「おぉ、これは素晴らしい!本物・・・ですか?」
「うん、そうだよ!」
「通りで生々しいわけですね・・・ありがとうございました・・」
「みんな、ボクに投票してねっ!!」
こんな捨て台詞を吐いてアプフェルは去って行った。
「お次は、エントリーナンバー112!リンネル様です!リンネル様はカルコス様の妹様!さぁ、どちらが優勝するのか!!」
リンネルはいつもの無表情で登場した。
「リンネル様、その仮装はシスターですか!!」
「そうらしいです・・・」
「中々、似合ってますよ!それでは、何かアピールする為に一言どうぞ!」
リンネルは死魔に促され虚ろな目を群集に向けた。
そして——————。

「・・・・死スター・・・・」

場が凍った。
これは完全に滑った。
(いや、リンネルが滑ったんじゃない!作者の俺<=百露>が滑ったんだ!)
群集も司会も黙った。
そして、彼女は舞台から降りて行った。

数分後。

我に返った司会の死魔がマイクを握り絞め、言葉を搾り出した。
「な、な、中々、素晴らしい名言でしたねぇ・・アハハハハハハハ・・・つ、次は・・・いや、もう終了しましたかね・・・」
死魔が言い掛けたその時だった。
影から裏方の魔族が顔を出し、エントリー用紙を出した。
「何々・・・」
読み終えた死魔は驚愕の表情をしていたが、言葉を詰まらせながら発し始めた。
「エ、エ、エ、エント、エントリーナンバー・・・113!・・・我が主滅神王ローレライ様の弟様でいらっしゃるヘンリ様です!」
司会の言葉に皆がざわめき始めた。
無理も無い。
あのヘンリがエントリーしているのだ。
「ヘンリー!?」
裏ではローレライが頓狂な声を上げている。
「ヘンリ様・・・どうして!」
とカルコス。
「わぁ~い!ヘンリーが出場した!!ヤッホー!」
「凄い!こんな事ってあるんですねぇ~☆」
アプフェルとキルラーは笑顔で飛び回っている。
ヘンリは呼ばれると同時に舞台上へと上がった。
「ヘンリ様は・・・今回・・吸血鬼の仮装をしていらっしゃるそうで・・・」
「仮装をしてるのではない!させられたのだ!勝手に変えるな!」
「す、すみません・・・・」
滅神王弟は眼鏡を押し上げると群集を見下した。
「して、ヘンリ様・・・何故、今回はご参加を・・・」
「決まっているだろう!」
ヘンリは叫ぶと、吸血鬼のマントを翻した。
「此処で、このくだらない仮装大会に参加して我が馬鹿兄ローレライに勝ち、永遠にこのくだらない宴の幕を閉じてやろうと考えたからだ!」
「そ、そうですか・・・」
「さぁ、我が下部達よ!迅速に優勝者を決めるのだ!」
ヘンリは群集に呼び掛けた。
すぐに死魔も慌てて命令を下す。
「ヘンリ様が仰っている!早く投票を行うのだ!」
そこへローレライ達が出て来る。
「ちょっと、ヘンリー!出場してくれたから嬉しいって思ったけど、何よ、その計画!」
「どうだ?参っただろう?」
ヘンリはドヤ顔で兄を見る。しかし、当の馬鹿兄は目を輝かせて言った。
「素晴らしいじゃない!何か対抗したくなったわ!」
「うんうん!確かに!」
アプフェルも笑顔で頷く。
「笑って居られるのも今の内だ。これで、貴様の楽しい宴もこれが最期だ。」
魔王達が会話を交わしている間に投票結果が出たらしい。死魔がマイクを握る。
「さぁーて!終に投票結果が出ました!さぁ、どんな結果になったのでしょうか!!では、発表致します!仮装大会、栄えある第1位は・・・・・・!」
全員の視線が死魔の口元に集まる。
「栄えある第1位は!・・・・・・・」
群集が騒ぎ始める。それと同時に魔王軍側の胸も早鐘を打ち始める。
「栄えある第1位は・・・・・・・・・・・・・・神父&シスターのカルコス様とリンネル様です!!」
発表と同時に二人にスポットライトが当たる。
「はっ!?」
カルコスは驚愕の顔をする。
歓声が巻き上がる。
「そして、第2位は・・・・・・死神のローレライ様です!!」
「フフフ・・・・」
ローレライは歓声を上げる群集達に手を振って、笑顔を向けた。
「第3位は・・・・・内臓が飛び出して狂ったメイドの研究員キルラーです!」
「わぁ~い!!!☆」
キルラーが飛び跳ねる。
ヘンリは顔を真っ白にしてその場に立ち尽くした。
しかし、そんな魔王弟にお構いなく死魔は第1位の二人に歩み寄った。
「優勝、おめでとうございます!感想は如何ですか?」
「全く嬉しくねぇーよ!てか、俺等のどこが良かったって言うんだよ!」
カルコスの問い掛けに死魔は紙を読み上げる。
「えっとですねぇ・・・・兄妹で、神父とシスターが良かったらしいです。身長の方も評価が高かったそうです。」
「どうでも良い・・・つーか、身長の事に触れられたのがスゲェー腹が立つんだがっ!」
「まぁまぁ、良いじゃないですか!優勝商品は滅食堂1年分のお菓子食べ放題無料券なんですから!」
「マジか!!」
カルコスは目を輝かせた。
「マジか!!!」
「はい。ローレライ様のご提案なんですよ。」
カルコスはローレライを振り返った。当の彼は笑顔で手を振り、
「良かったでしょ?カルトス君。」
とウィンクした。
カルコスは一瞬殴ってやろうかと思ったが、抑えて口を開いた。
「ま、まぁ・・・偶には休日って事でこんなのも良いか・・・・」
そんな彼の言葉を裂いて、ヘンリが突っ込んで来た。
「何故!何故、俺が上位に居ないのだ!!」
「あ、あ・・そ、それは・・・・」
「ヘンリー、良いじゃない。私は何より、ヘンリーが仮装大会に参加してくれた事が嬉しいのよ。いつも、膨れっ面ばかりしてたから・・・・それが心配だったの。でも、今日、こうして皆が参加できた。きっと、ヘンリーは参加しようと思って参加したんじゃなくて、私が今後提案する計画を打ち壊す為に参加したんだろうけど、でも、ちゃんと皆が参加出来た。私は何より、それが嬉しかったわ。」
ローレライは言うと、弟に微笑んだ。
そんな彼はそっぽを向いて、溜息をついた。
「さぁ、ハロパはもう少し続くわよ!みんな、大盛り上がりましょうね!!」
滅神王兄の言葉に全魔族達が歓声を上げた。



ハロウィンパーティーが成功した次の日の朝。

再会議を行う為に開かれた会議室にて。先程のメンバーが集まり、座っている。
「な、何ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィっ!!」
滅神王城内にヘンリとカルコスの絶叫が響いた。
ヘンリとカルコスの二人は今月の経費紙を見て驚愕と怒りに駆られた。二人共、額に青筋を立てている。
そんな彼等にお構いなく、隣でローレライは紅茶を優雅に飲んでいる。
「おい・・・馬鹿!・・・これは一体どう言う事だ!!」
ヘンリは怒った口調で兄に尋ねた。
「どう言う事だって、そう言う事よ。今月の、11月分の経費が半分になっちゃったのよ。ちゃんちゃん!」
「“ちゃんちゃん!”じゃねぇーよっ!何呑気に言ってんだよっ!」
カルコスが怒鳴る。
「経費半分だぞ!今月、一体どうする心算だっ!!」
とヘンリは怒鳴り、ローレライの首許を掴んだ。
「どうもこうもって・・・・どうもしないわよ。てか、何も考えて無いし・・・あ、紅茶が零れちゃったじゃないの・・服にシミがついちゃうわ・・・」
「黙れ!」
怒り狂っている二人を見て、アプフェルは苦笑した。そして、キルラーに囁く。
「(これってヤバイよね?)」
「(そ、そうだね・・・マジギレしてるもんね・・・)」
「(このままいくと・・今月の経費が半分になったこと・・・ボク達のせいにでもされちゃうもんね・・・)」
「(そうそう・・・てか、ハロパを提案したのは私なんだけど・・・・テヘ☆)」
「(そうだよねぇ~・・・・トイレにでも行くフリして、逃げよっか?)」
「(それ良い考え!そーしよ、そーしよ!☆)」
二人は頷き合った。そして、そっと席を立つ。ばれずにそっと歩く。忍び歩く。
その時。
「どこへ行く気だ・・・二人共・・・・」
ヘンリがどす黒い声で言い放つ。
二人はぎょっとしてその場に固まった。
「な、何だい・・・?ヘンリー・・・」
とアプフェル。
「どこへ行く気かと聞いているのだ・・・・」
「ど、どこって・・・お手洗いだよ・・・ね?キル。」
「そ、そうですよ・・・☆」
「そうか・・・それはご苦労だな。」
とヘンリ。
「ま、まぁね・・・早く行かないと漏れちゃうからさ・・・」
部下の言葉にヘンリは哂った。
「・・だがな、お手洗いはわざわざこの会議室から出なくても、お前等が居る反対側にあるのだが・・・・」
「!」
魔王弟の声で二人は会議室から逃げ出した。
「カルコスさん、俺の馬鹿兄をお願いできますか?」
とヘンリ。
「はい。」
「少し、奴等を殺ってきますので。」
「お願いします、ヘンリ様。」
二人はどす黒い声で会話をすると各々自分の役についた。

リンネルは電卓を使い、経費を計算していた。
 

おわり。
 

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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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