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4章

 
第4章
~新たな仲間と力~


*「じゃぁ、行って来ます。」
とシャクはアレクの家の玄関で彼等に言い放つ。
アレクは心配そうに青年達を見つめる。彼の母親シエラも同様だった。
「シャク・・・・ヒカル・・・」
「何だよ、アレク。」
「い、いや・・・その・・・」
アレクは口篭ると下を向いた。そんな彼を見てヒカルの目は半眼になる。
「心配してくれんのはありがたいんだけど、俺等には果たさなくちゃなんねぇーモンがあるんだ。」
シャクは言うと笑い、
「でさ、今度会えたらさ、又一緒にデカイ魚でも釣ろうぜ!」
とアレクの肩を叩いた。そんなアレクはシャクを見て、大きく頷いた。
「あぁ、そうだな。」
青年二人は白い歯を見せて笑い合う。ヒカルも横で鼻を鳴らす。

そして、別れの時。

「じゃぁ・・・さよなら・・だな・・・」
「あぁ・・・・」
「貴方達二人の幸運を願っているわ、シャク君、ヒカル君・・・・」
シエラが微笑んで青年達に言う。そして、シャクを心配そうな顔で見つめる。
「そう言えばシャク君・・・抉られた傷はもう良いの?」
「あ、あぁ・・・多少は良くなりました。ありがとうございました。」
「いいえ・・・でも、良かったわ。」
そんな妻の横でデイノスが快活に言葉を引き継ぐ。
「もう一回、此処へ戻って来いや!そんで、向こう側で見た事を全部話してくれや!」
「はい!」
シャクは元気な返事をする。
そして、勇者は行き先の向こうを見据える。
旅立ちの時だ。
勇者としての役目を果たす時が来たのだ。
足を踏み出す。
新しい大地へ向かう。
シャクはヒカルを見た。
ヒカルも同じ様に親友を見る。
頷き合い、一歩一歩と歩き出し、二人は浜町を出ようとする。
そんな彼等の背後からアレクの声がする。
「シャク!ヒカル!絶対、又今度、デカイ魚を釣ろうな!!!約束だぞ!!」
旅人達は振り返り、呼び掛けて来る青年を見る。
シャクは笑顔を向けて手を振る。
ヒカルは相変わらずつれない表情をしていたが、彼もシャクにつられて心持手を振ってみせた。
———————俺等は又、この浜町の人達と会いたい。
この想いを胸に女神に選ばれし勇者達は魔境に足を踏み出した。



人間界から滅界の滅神王城へと帰還した滅神王弟ヘンリとその部下達。
ヘンリは兄ローレライが居る魔王の間へと赴き、全てを話す。
「・・・と言うワケで、人間界の3大陸を制圧してきた。」
「それで、キルちゃんは合格なのっ!?」
とローレライは目を輝かせて弟に問う。
当の弟は眼鏡を押し上げ、盛大な溜息をついて言った。
「あぁ・・・俺の満足の行く合格点では無いが・・・まぁ・・今回はかなり俺が折れてやったんだ。感謝しろ。」
ヘンリは呆れた目で新人のキルラーを一瞥した。
「はい!感謝します!!感謝しますとも!☆」
とキルラー。
そんな彼女に駆けて行き、ローレライは彼女の両手を握り締めて言った。
「良かったわね、キルちゃん!!」
「はい!ローレライ様!!☆」
キルラーは目を輝かせると、滅神王兄に抱きついた。それを見兼ねた大悪魔神官カルコスが怒鳴る。
「おい!キルラー!幾ら、この魔王が馬鹿でも一応は魔王だぞ!許可も無く抱きつくなど無礼極まりない!!」
「えぇ~?カルトス君、もしかして焼き餅焼いてんの~?」
キルラーがにやけ顔で大悪魔神官兄に言う。
「ンな馬鹿な事があるか!!」
「ローちゃん様!!ボクも頑張ったんだよ!!3大陸のうち2大陸はボクが堕としちゃったんだよ!!エっヘン!」
ヘンリ側の大悪魔神官アプフェルがローレライに目を輝かせて言い放つ。
「まぁ、それは凄いじゃない!」
「でしょ?でしょ?ってなワケで、城の庭にもう一本林檎の木を植えても良い?」
「良いわよ。」
「やったー!!」
「私も手伝うよ☆」
横からキルラーが割って入って来た。
「本当!嬉しいな!!」
そんな事でテンションが上がる馬鹿どもを眺めて、ヘンリとカルコスは盛大な溜息をついた。リンネルはやはり無表情でこの現場を眺めているだけだった。
「すみませんね、カルコスさん、俺の兄貴が馬鹿で。」
とヘンリ。
「いえいえ、もう慣れましたので何とも無いですよ。」
カルコスが苦笑交じりで滅神王弟に返す。
その時だった。
「そう言えば、ローちゃん様にプレゼントがあるんだった。」
とアプフェルが言った。
「プレゼント?何かしら?」
「絶対に喜ぶよ。」
そんな部下の言葉にヘンリが慌てて遮った。
「アプフェル!あれはこの馬鹿へのプレゼントでも何でも無い!あの人間は俺の実験材料だ!」
「えぇ?そうだったの?」
「そうだ!」
「ふ~ん・・・じゃぁ、ごめん、ローちゃん様。プレゼント無いや。」
アプフェルは少し暗い顔をした。そんな神官を見て、ローレライが明るく言う。
「気にしないで。又今度、くれれば良いじゃない。」
「・・・・そうだね!そうするよ!」
アプフェルは満面の笑みを浮かべてローレライを見た。
ヘンリは冷汗を拭う。
「・・・・だから、カルコスさん、後で俺と地下牢へ行きましょう。貴方としたい実験があるんです。」
ヘンリはカルコスに言うと、当の彼は敬礼をして頷いた。
「はい。是非、実験のお手伝いをさせて下さい。」



旅に出たのは良いが、これから先どう進めば良いのか皆目分からない。
スピアッジャの浜町から旅立って数十分が経過していた。運良く、此処まで来るのに魔物達とは遭遇していない。それが唯一の幸いだった。
「なぁ、ヒカル・・・俺等一旦、現実世界に戻った方が良いのかな?」
シャクは両手を頭の後ろで組んだ状態で歩きながら、横のヒカルに問い掛けた。
「その方が良い様な気がするな・・・俺的には。」
「やっぱそうか・・・」
「だって、今戻ったら18時過ぎくらいだろう。」
「あぁ・・・」
ヒカルは言いつつ周囲を警戒している。いつ魔物達が襲って来るか分からないからだ。
「でも、やっぱデイノスさんが言ってた‘ラフ・・・・’何とかって言う町に・・・」
「‘ラフシュタット’だろ?」
とヒカル。
「そうそう。だから、やっぱそこで宿屋を見っけてから現実世界に戻った方が良いのかなってな・・・」
「シャクがそうしたいんだったらそうすれば?俺は別に構わない。」
ヒカルの言葉にシャクは一瞬悩んだが、考えをまとめた。
「よし、そのラフ何とかって町に行こうぜ!」
シャクは手を掲げて元気良く言った。
そんな親友をヒカルは溜息をついて一瞥した。



ラフシュタット。
そこは多くの人間達が住む町である。町に入ってすぐに大きな噴水があり、多くの店が並んでいる。町人は活気に溢れ、盛んに語り合っている。すれ違う人達は買い物を途中で中断し、お喋りに熱中している。
「デけぇー噴水だなぁ~!!俺ん家に欲しいぜ。」
「要らねぇーだろ・・・・・つーか、宿屋探ししねぇーと・・・」
「分かってるって。すみませぇ~ん!あのー宿屋を探してるんですけど!」
シャクは言うなり見つけた町人に声を掛けた。
そんな勇者を見てヒカルは盛大な溜息をついた。



シャクの声掛けにより、すぐに宿屋が見つかった。
「ここが宿屋か・・・」
「入るぞ。」
ヒカルに促され、外観を眺めていたシャクは慌てて彼の後を追う。
宿屋の中は意外と豪華だった。味のある木製の階段にカウンター、赤黒い高級そうな絨毯。
「中々良いな・・・」
「あら、いらっしゃい。此処はラフシュタット一番の宿屋、アルベルゴよ。」
入って来た若者達をカウンターから出迎えたのは、少しぽっちゃりとした愛想の良さそうなおばさんだった。
「あぁ、どうも・・・」
「あたしは此処の宿屋の女将、マードレ・メールよ。・・・・それにしても、見かけない人達ね。旅人さんかしら?」
「え、まぁ・・・」
「やっぱり!」
「アハハハハハハ・・・」
「旅の疲れを癒しにやって来たってワケねぇ~・・・」
「ま、まぁそうっすね・・・」
「うんうん!・・・それで、二人部屋が良いわよねぇ~・・・開いてたかしら・・・?」
女将はカウンターの上に置いてあるリストをチェックし始めた。そして、手を止めてシャク達に微笑を向けた。
「あったわよ!貴方達ラッキーね!」
「あぁ・・・」
「で、お名前を教えてくれるかしら?」
「えっと・・シャクです。」
「シャクさんね・・・」
女将は聞きながらリストに名前を羽ペンで書き加えていく。
「そして・・・そちらの坊やは・・・」
「あ、ヒカルです。」
シャクが慌てて親友の名前を言い放つ。
「ヒカルさんね・・・・・・・もしかして、ヒカルさんは無口なのかしら?」
と女将が言って笑う。
ヒカルはそっぽを向く。
そんな彼を見てシャクは苦笑する。
「すみません・・・こいつ凄い人見知りなんで・・・」
「そう・・まぁ、良いわ。あたしはぐいぐい突っ込んで行くから大丈夫よ。」
女将は豪快に笑って言うと、カウンターの外へと出て来て鍵をシャク達に手渡した。
「はい、これが部屋の鍵ね。」
「あ、はい。」
「それじゃ、案内するわ。」
女将の案内でシャク達二人は部屋へと赴いた。



部屋に入ったシャクはベットに飛び込んだ。ふわふわの柔らかい羽の入った布団が頬に心地よい。
「やべぇ~!このまま寝れそう・・・」
とシャク。
ヒカルは洒落た椅子に腰を下ろし、机の上にあったラフシュタットの地図を見ていた。
「おい、シャク、武器屋とか防具屋とか道具屋とかあるぞ。」
「あぁ・・・・」
「行かないか?」
「あぁ・・・・」
シャクの曖昧な返事にヒカルはベットの方を見て、目を半眼にした。
「おい、寝る暇はねぇーんだぞ。」
「分かってるよ・・・はぁ~あ・・・・・・それじゃぁ行ってみるか。」
言うとシャクはベットから身を起こし、
「金無いけどな。」
と付け足した。



1階に降りたシャク達はカウンターの前で女将のマードレ・メールに引き止められた。
その女将のカウンター前に手品をしてそうな雰囲気を漂わせている青年——————茶色の髪とエメラルドの様に綺麗な目、手品師らしい白く花の刺繍が入ったシャツ、派手なビビッドピンク色のズボン、お洒落な皮のブーツ、腰には2本のナイフと道具袋を提げている———————が立っていた。
「何ですか?マードレさん。」
とシャク。
シャクの問い掛けにマードレはカウンター前の青年を見て、苦笑を二人に向けた。


*宿屋の女将マードレ・メールは苦笑して言葉を紡いだ。
「あのね、どうしても此処の宿屋に泊まりたいって言う子が居てね・・・でも、もういっぱいなのよ。でね、もし良かったら・・・シャクさん達の部屋に一緒に入れてもらえないかしらと思ってね。」
女将の言葉にヒカルの顔が引き攣った。そんな彼を横目でちらっと見て、シャクは困り顔をした。
「えっと・・・」
口篭るシャクを見て、手品師らしい青年が口を挟んだ。
「この場合って一人称何て言ったら良いんだろうねぇ・・・う~ん・・・・・じゃぁ、僕で。・・・あのさ、僕、このラフシュタットの先にある、バルコプエルトって言う港に行かなきゃいけないんだよ。それでさ、一晩だけ泊まりたいんだよね。」
シャクは彼の言葉を耳にして食いついた。
「マジで?実は俺等もその港に行くんだよ。」
「そうなの!?」
「あぁ。アンタも行くんだ。」
「そうさ!それだったら一緒に行くかい?えっと・・・僕、一人旅ってのはあんまし好きじゃないんだよね。」
「まぁ、俺は良いけどさ・・・」
シャクは苦笑して右斜め後ろに居るヒカルを見た。当のヒカルは頬を少し膨らませてそっぽを向いていた。完全に拗ねている。
「彼は嫌みたいだねぇ・・・僕は良いけど。」
と青年。
「あぁ・・・こいつ凄い人見知りなんだよ。だから・・・・」
「だから、そんな膨れっ面をしてるのかぁ~!なるほどねぇ~」
青年の言葉に益々ヒカルは膨れっ面をした。
そんな若者達の遣り取りを聞いて、マードレ・メールは笑った。
「ヒカルさんだったかしら?この子は別に悪い子なんかじゃないのよ。とっても愛想の良い子なの。だから、心を開いてあげてちょうだいな。」
女将の柔らかい台詞にヒカルは溜息をついて小声で、
「・・・・泊まりたきゃ泊まれば良いじゃないか・・・・」
と言い放った。
無口なヒカルの言葉を聞いて手品師は満面の笑みを浮かべ、
「うん!それじゃぁ泊めさせてもらうよ。宜しくね。」
と手を差し出してきた。握手を求めている様だ。慌ててシャクは手品師の手を握った。
「こちらこそ。」
相変わらずヒカルは冷淡な表情をしていた。



「・・・で、名前は何て言うんだ?」
真昼のラフシュタットを歩きながら、不意にシャクが手品師青年に問い掛けた。当の青年はお手玉を横で得意げに披露している。
「えっと・・・この場合の一人称は・・・何て言ったら良いのかな・・・・・う~ん・・・」
シャクはそんな手品師青年を呆れ顔で眺めた。
———————この場合って・・・一々一人称変えなくて良いんじゃね?
「じゃぁ、オレで・・・・・。オレはノデリアストレット・アシュインテレサンテ、17歳。宜しく。」
「同い年か・・・・・てか、名前長くね?」
とシャクが目を点にして言う。
名乗った青年は豪快に笑って応じる。
「うん、長いからさ、みんな‘ノア’って呼んでたよ。」
「だろうな。」
「アハハハハハハハハハハ!」
「・・・ま、まぁ一応は名乗っておくぜ。俺はシャク。俺の横を歩いてんのがヒカル。二人共17歳な。」
「うん、宜しくって、同い年なんだね。」
「(今頃かよ!)あ、あぁ。」
何やかんやでお互い自己紹介をした三人はラフシュタットを歩く。
「・・・で、今から何所に行くのさ?」
とノア。
「武器屋とか・・・まぁ・・色々・・・」
「シャクちゃんは未だフォースってのを授かって無いのかい?」
「(シャクちゃん?・・・まぁ良いか・・・・)ふぉーす?」
「あぁそうさ。」
「何だ・・その・・ふぉーすってのは・・?」
シャクが疑問をノアに投げ掛ける。ノアは足を止めると語り始めた。
「フォースってのは、戦士とか魔法使いとか僧侶とか・・・職業みたいなものだよ。」
「ふ~ん・・・で、一応聞くけど、ノアのフォースは何?」
「見ての通り手品師さ!!こうして、お手玉したりトランプをしたり・・・・ざっとこんな感じさ。」
「う、うん・・・」
「フォース、授かりに行く?」
「今から?」
「そうさ。」
「べ、別に良いけど・・・てか、此処でそんな凄いもん授けられるのか?」
「勿の論だよ!教会に行けば授かれるんだ。」
「で、ノアは俺等に会う前にフォースを授かって来たと・・・」
「そうさ!」
「手品師のなりかけかよ・・・俺、長い間手品師やってんのかと思ったぜ・・・・」
「いや、お手玉が好きだから手品師になってみたんだよ。」
「軽いな・・・お前・・・」
呆れるシャクを無視し、ノアが前方に見える教会を指差して叫んだ。
「あそこだよ!ほら!行ってみよう!」
ノアに促されシャク達は教会へと赴いた。



滅神王城の地下——————薄暗く不気味な地下牢へと続く階段や廊下を進んでいる滅神王弟ヘンリと大悪魔神官兄カルコスの二人。
「・・・そう言えば、ヘンリ様。」
とカルコス。
「何ですか?カルコスさん。」
「・・・この世界に勇者が現れたと言うのをご存知ですか?」
「あ・・・はい、三大陸を制圧していた際に気配を感じましたね。」
「気配を感じた・・ですか?」
「えぇ・・・例えるならば・・・空中からボールが急に落ちてきたみたいな・・・兎に角、突然です。」
ヘンリの言葉にカルコスは眉間に皺を寄せて、唸る。
「と言うことは・・・勇者は何処か別の場所から飛んできたと言うことですかね?」
「別の場所?・・・それは人間界内の別の場所、つまり、町とか村とか・・・と言う意味ですか?」
「いいえ、この世界とは別の世界から転移して来ている・・・と言うことですよ。」
「別世界・・・?・・しかし、そんな別世界が存在するのですか?」
「そう考えられても可笑しくは無いと思います。」
大悪魔神官兄の考えにヘンリは目を光らせた。
「カルコスさんのその発想・・・非常に素晴らしいですね。」
「そうですか?」
「えぇ。もし、カルコスさんの考えが合っていれば、凄い発見ですよ!」
ヘンリの声が普段より高くなった。興奮しているのだろう。
「すぐにでも、別世界があるのかどうか試してみなくては!」
「そうですね、ヘンリ様。」
滅神王の喜ばしい表情を見て、カルコスは滅多に浮かべる事の無い微笑を浮かべた。
そろそろ、捕らえた人間を放り込んでいる地下牢へ辿り着いた二人であったが、思わぬ驚愕に襲われた。鉄格子の扉が開かれ、見張りをしていた魔物が二体、その場で息絶えていた。
「い、一体何があったんだ!?」
とカルコスが目を見開く。
しかし、ヘンリは冷静な表情をして眼鏡を押し上げる。
「やはり・・・故意に捕まったらしかった様ですね・・・」
「故意にですか?」
カルコスはヘンリの発言に視線を向ける。
「実を言いますと・・・あの男・・・簡単に捕まる様な奴では無いはずだったんです。」
「と言いますと?」
「剣術に長け、攻守において素晴らしい才能を秘めているんです。それが、簡単にもアプフェルに捕まるとは・・・」
「・・・ならば、奴が故意に捕まった目的は・・・」
「内部から滅界を叩く・・・と言ったところでしょうか。」
「なるほど・・・随分と賢い人間が生まれていた様ですね・・・」
「だから、連れて帰ったんです。我々の忠実なる下部にしようと思いましてね。」
ヘンリは言うと残忍な微笑を浮かべた。
「流石はヘンリ様ですね。どこぞの馬鹿とは格が違いますね。」
「魔王とあればそれぐらいのことは頭に入れておかなければ恥ですよ。」
「では、先程、仰られていた実験と言うのは・・・・その男を洗脳すると言うことだったのですね?」
「はい。流石はお察しの良い悪魔神官さんですね。」
滅神王弟は漆黒のスラックスのポケットから本を取り出すと、栞をはせていたページを開き読み始め、地下牢から出ようと歩を進めた。
「さて、この本の続きを読みながら、じっくりあの男の戦いっぷりを見物しますか。」
「そうですね。」
カルコスも不適な哂いをし、ヘンリの後を追った。


*聖なる雰囲気が漂う教会。古びてはいるがしっかりとした長椅子が規則正しく並べられ、その長椅子に数人が座り祈っている。そして、教会の窓に張られたステンドグラスから色とりどりの光が差し込んでいる。それを見て何かを言っている数人の子供達。
教会の祭壇に神父と純白のローブを纏った老人が立ち、何やら喋っている。シャク達三人は祭壇へと歩いて行った。
「あの、すみません・・・」
恐る恐るシャクが口を挟む。
そんな青年の声に二人は微笑を向ける。
「何でしょうか?」
と神父。
「お話中、大変申し訳ないんですが・・・此処の教会でフォースが授けられると聞いてやって来たんですが・・・」
「如何にも。」
神父では無く、横に居た清楚な老人が頷いた。
「私がフォースを与える儀式を施す、デラハルド大神官である。」
「又、会ったね、フォースのおじいさん!」
ノアが満面の笑みで大神官に声を掛けた。シャクは慌ててノアに注意した。
「おい!失礼だろ!!」
「何で?挨拶しただけだよ?」
「あのな・・・」
青年達の遣り取りを眺め、神父と大神官は笑った。
「愛想の良い若者だ。」
「まったくですな。」
「えへへへ」
ノアは照れた様子で頭を掻く。シャクとヒカルは同時に溜息をついた。
「・・・して、フォースを求めにやって来たと言っておったな?」
と大神官。
「あ、はい!フォースを授かりに・・・」
「そなた達はどんなフォースが欲しいのであろうか?」
「どんなフォース・・・ですか?」
「左様。・・・・屈強な肉体で攻守に活躍する戦士、魔法による回復と補助を得意とする僧侶、攻撃魔法で魔物達を一蹴する魔法使い、素早い動きと力強い攻撃で魔物を圧倒する武闘家、お宝集めと脱走を専門とする盗賊、多彩な攻撃で魔物を魅了する手品師、魔物と心を通わす能力が身につく魔物使い・・・今現時点ではそなた達にはこの七つのフォースを得ることができる。」
デラハルド大神官はシャク達に説明した。
そんな大神官に向かってヒカルが言葉を発する。
「現時点ではと言う事は・・・未だ新たなフォースが存在すると言うことですか?」
「左様。・・・この七つの初歩フォースを極めて以降に得ることが可能な高位フォースは・・・戦士と僧侶を極めることにより開かれる鉄壁の防御で仲間を守り抜く聖騎士、戦士を限界にまで極めることにより開かれる攻めに特化したバトルマスター、魔法使いと戦士を極めることにより開かれる魔法戦士、手品師を限界にまで極めることにより開かれる旅芸人、僧侶と魔物使いと魔法使いを極めることにより開かれる学者、僧侶と魔法使いを極めることにより開かれる賢者、魔物使いと僧侶を極めることにより開かれるレンジャー、魔物使いを限界にまで極めることにより開かれる召喚士・・・がある。」
「すげぇーあんじゃん!!」
シャクは驚く。
「いずれは有名な旅芸人になるのが・・・・この場合って何て一人称にすれば良いのかな・・・?う~ん・・・・あっ!これだ!・・・いずれは有名な旅芸人になるのがオイラの夢なんだ!!」
ノアは言うと一回転した。シャクとヒカルはそんな彼を見て呆れ顔をする。
「・・・して、どのフォースを得たいのかね?」
とデラハルド大神官。
シャクは先程のフォース説明を思い返し、思案する。
戦士になるのも良い、しかし、魔法を連発して魔物どもを一蹴するのも良い。そして、僧侶と旅芸人、魔物使いは向いていないと捨てる。素早く動く武闘家になるのもまぁ良い、一番は盗賊志望なのだが勇者が盗賊と言うフォースを得ているのは、やはり少し抵抗がある。従って、戦士が良いのか・・・。
悩み顔をしているシャクを置いて、ヒカルが大神官に宣言する。
「魔法使いのフォースを授けて下さい・・・・」
「なっ!」
シャクはヒカルの発言に我が耳を疑った。
———————ヒカルが魔法使いだって!?そんな馬鹿な!確かに、ヒカルは頭が良い。でも、何で魔法使い!?俺的には魔法使いじゃなくて、僧侶にしてほしかった!!!
勇者は苦笑しつつ、金髪の親友に問い掛けた。
「何で、ヒカル君は魔法使いにしたの?」
「いけねぇーのかよ。」
「い、いや別に・・・そう言う意味じゃ・・・」
「じゃぁ良いじゃねぇーか・・・」
「そ、そうだね・・・」
ヒカルは不機嫌そうな表情をして、デラハルド大神官に再び向き直った。
「俺に魔法使いのフォースを授けて下さい・・・」
「うむ、分かった。魔法使いじゃな?」
「はい・・」
「では、己が理想としている魔法使いの姿を心の中に思い描き、祈るのじゃ。」
ヒカルは言われた通りに、手を胸の前に組んで祈り始めた。
シャクは固唾を飲んでその光景を眺めた。何が起こるというのだろうか。
祈り始めて数十秒後、ヒカルの周囲全体が輝き始めた。聖なる光がヒカルへと集結する。その輝きはヒカルの胸に集まると、紫色の徽章になった。
バッチになると輝きは失せ、もとの教会内の明るさに戻った。
「これで、そなたは魔法使いのフォースを手に入れたこととなった。心して、日々精進するが良い。」
ヒカルは胸についた徽章を見る。
「それは、魔法使いの証じゃ。それがある限り、そなたは魔法使いじゃ。そして、魔法使いとして能力が上がっていくと同時にその徽章は変化していくからな。よく覚えておくが良い。」
シャクはヒカルの徽章をまじまじと見つめた。
「へぇ~・・・バッチか・・・」
「ヒカルちゃんのは紫色のバッチなんだね。」
とノア。
「ノアのは?」
「アハハハハハ!そのシャクちゃんの台詞面白い!」
シャクの問い掛けに突然ノアが笑い始めた。
「はぁ?」
「“ノアのは?”だって!何か、‘ノアノア?’みたいで面白い!!アハハハハハハハハ!!」
腹を抱えて大爆笑する手品師青年にシャクとヒカルは半眼を向けた。
「良いから、ノアのバッチはどんなバッチなんだ?てか、つけてねぇーじゃん。」
とシャク。
ノアはポケットから徽章を取り出しながら呟く。
「あ、うん、この場合一人称何て言えば言いのかな?・・・・・う~ん・・・私で良いや!えっと、私ね、バッチを服につけるの好きじゃないんだよね。だって、穴が開くでしょ?」
「まぁ・・そうだけど・・・」
「私のはオレンジ色!」
ノアは言うと手品師のバッチを見せた。
「オレンジか・・・」
「シャクちゃんはどのフォースにするの?」
「えっと・・・てか、赤いバッチとか無いのかな?」
「赤?赤好きなの?」
「まぁな。」
「だから、髪の毛赤いんだ!!」
「(そう言う意味じゃねぇーんだけど・・・)戦士にすっかな・・・」
「戦士か~・・・格好良いね!」
とノア。
「格好良いとかそんなんじゃねぇーんだけどさ、魔物と戦って仲間を護れねぇーと意味ねぇーじゃん。」
「シャクちゃん、格好良い!!!シャクちゃんなら、ミーシアを預けても大丈夫かも!」
「?」
シャクはノアの‘ミーシア’と言う単語に首を傾げた。が、それは一先ず置いといて。
「遅くなってすみません、俺、戦士になりたんで・・・戦士のフォースを授けて下さい。」
と宣言する。
デラハルド大神官は頷くと、先程と同じ要領で言葉を発する。
忽ち、シャクの胸に赤い徽章が装備される。
「これで、そなたは戦士としてのフォースを手に入れたこととなった。心して、日々精進するが良い。」
大神官の言葉にシャクは頷くと、自分の胸元にある赤い徽章を見た。
「やったじゃん!赤いバッチだよ!」
とノア。
「あぁ、良かったよ。」
シャクは微笑むと新たに全身を駆け巡る力を噛み締めた。



滅神王城内は荒れていた。廊下には無数の魔物の死体が無造作に投げられ、体液が飛び散っていた。恐らく地下牢から脱走した人間がやったことであろう。
そんな汚い廊下を歩いている滅神王弟ヘンリと大悪魔神官兄カルコスの二人。
「随分と派手に動いているじゃないですか。」
とカルコス。
「えぇ、この本の主人公も大分派手に動いてますよ。」
「そ、そうですか・・・」
ヘンリは本を閉じると、廊下の隅に置いてある、花瓶を乗せた机の上に本を置いた。そして、眼鏡を押し上げる。
「・・・・それにしても、この部下達の死に方を見る限り・・・かなりの攻撃力を誇る人間の様ですね・・・素晴らしい。」
「はい。俺もぞくぞくしてきましたよ、ヘンリ様。」
「フフフ・・・」
二人は不気味な笑みを浮かべて廊下を歩く。
その行く手にも部下達の死体は続いていた。



教会を出て、ベンチに座っているシャク達。彼等は今、昼御飯であるパンを食べている。
この昼飯代はノアのおごりである。
大好きなメロンパンを頬張り、シャクが言う。
「教会でフォースなんか授けられるんだな・・・・何か、もっとこう神聖な神殿とかで貰うもんだと思ってたぜ。」
「本当は制圧された三大陸の中にデラハルド修道院ってのがあったんだってさ。」
「で、何で此処にその修道院の大神官さんが居んの?」
「何か、デラハルド修道院の中に危険を察知した人が居たらしくてね、すぐに修道院から立ち去る様に言われたんだって。それで、仕方無く此処へ来たらしいんだ。ごめん、説明が上手く言って無いけど・・・つまり、何やかんやで運が良かったんだよ。」
「あ、そ、そう・・・・」
シャクは顔を引き攣らせると、再びメロンパンを食べた。そして、肝心な問い掛けをノアに突き立てた。
「ノア。」
「なぁ~に?」
彼はクロワッサンを頬張り、エメラルドグリーンの綺麗な目を向けた。
「お前さ、さっき、教会でミーシアがどうのこうのって言ってなかったっけ?」
「うん。」
「誰?その・・・ミーシアって人・・・・」
ノアはクロワッサンを食べ終わると微笑んだ。
「この場合の一人称は・・・・う~ん・・・・えっと・・・・俺!・・・俺の可愛い妹のことさ!」
「妹!?妹なんか居んの!?」
シャクは驚愕した。ヒカルも驚愕したらしく、咳き込んでいる。
「うん!可愛い可愛い妹さ!その妹のところへ帰る為に港に行くのさ!」
「てか、そんなに可愛い妹が居んなら何でこんな場所に来たんだよ?普通は出ないだろ?」
「可愛い妹だからこそ出て来たんだ。妹のミーシアに手品を披露してあげようと思ってね。」
「それが手品師になった本当の理由?」
「本当は本当だけど、手品が好きだから手品師になったってのもあるよ。」
「ふ~ん・・・・」
「本当は、デラハルド修道院へ船で行く予定だったんだけど、間違えて此処で船を降りちゃったんだよね。それで、偶然立ち寄った際にデラハルド大神官を見つけたんだ。ラッキーでしょ?だから、あっちの大陸に行く手間が省けたみたいな・・・」
「てか、あの制圧の時、お前は何所に居たんだよ!」
「船。うん、船だね。船の上から眺めてた。」
「呑気な奴だな・・・」
「大爆発が起きて、夜が明けたでしょ?・・・多分ね、シャク達と同時くらいにこの町に来たんじゃない?」
「でも、出入り口で会わなかったじゃん。」
「この町ね、北側と南側に出入り口があるみたいだよ。だから、会わなかったんじゃないかな?」
ノアの言葉にシャクは「なるほど」と町の北側と南側を見た。確かに、看板に書いてある。
「まぁ、今度こそ武器屋とかに行こうね。俺が行き先を変えちゃったからさ。」
手品師は言うとベンチから立ち上がった。シャクとヒカルもそれに従う。

新たな力が手に入った。それは‘フォース’。
シャク達は今、一歩だけこの世界に馴染んだ様な気がした。


*暗く、不気味な城内には悪臭が漂い始めていた。無数の死体の上を歩き、脱走した甲冑に身を包んだ男は荒い呼吸を繰り返す。
———————やはり・・・あの人を此処へ独りで来させるわけにはいかなかった・・・・俺が来て正解だった・・・。
そんなことを思いながら、兜下で苦笑を浮かべる。
しかし、その苦笑も瞬時に消え失せる。前方から武器を持った獣型の3体の魔物達が突っ込んで来る。男は重い腕に再び力を注ぎ、壊れそうな剣を構える。
———————魔界らしい・・・倒しても倒しても湧いて出て来る・・・。
男は動いた。突進してやって来る魔物達目掛けて剣を槍の様に構え、突っ込む。斬り裂いた魔物どもの体液や肉片が飛び散り、瞬時に片付く。
男は倒した魔物どもの道具袋などを漁り、傷を癒す様な物が無いかを調べた。しかし、無かった。男は無言で立ち上がり、廊下を進む。

その時だった。

男が歩く廊下の前方に小さな影が現れた。
青黒く短い髪の毛。前髪が少し目に掛かっている。女らしい。
白衣。
感情の無い顔。
男は瞬時に身構えた。体全体に緊張が走る。
————————コイツは今までの魔物達とは格が違う・・・・。
「お前に問う。滅神王はどこに居る!」
男の質問に人物は顔色一つ変えない。唯、黙っているだけだ。
「もう一度問う、滅神王はどこに居る!」
しかし、男の問い掛けに返ってきた答えは、白衣が翳した手だった。彼女の手から荒れ狂う電撃が走ってきた。男はそれを寸前のところで回避すると、突っ込んだ。
———————答える気が無い雷属性の魔物か・・・。
男は剣を突き出したが、女型の魔物はすらりと回避する。そして、何時の間に詠唱したのか分からない氷属性魔法の鋭い氷柱を男に直撃させた。
「っ!」
男は間合いを取り、廊下の床に片膝を突き立てる。
——————高位氷属性魔法ブリザガルか・・・雷属性かと思ったがそう言うわけではなさそうだな・・・。
そう解釈し、男が立ち上がろうとした瞬間。体全身に電撃が走った。
「なっ!」
体が動かない。
———————麻痺か!!雅か・・・雅か、先程の氷魔法に加え、麻痺魔法を重ねて詠唱しているとは!!迂闊だった!!
男は力無げに廊下に両膝を突いた。手から痛んだ剣が滑り落ち、からんと軽い音を立てる。
———————最早・・・此処までか・・・・。
女型の魔物は動けなくなった人間に歩み寄り、手を翳した。



「やっぱ、値段・・・高いよな・・・」
シャクが武器屋で見つけた見た目の良い武器達を見て言った。
今、彼等が居るのは武器屋である。
「わぁ~、この剣なんか装備したら格好良いんじゃないかな!?」
ノアが興奮し、剣を指差した。
「‘レイピア’か・・・」
レイピア——————剣士が好んで使う装飾が施された優美な剣。
「他に良い奴無いのか?」

<武器一覧>
・銅の剣→+6(銅で作られた少し丈夫な剣)
・兵士の剣→+13(兵士の為に作られた頑丈な剣):素早さ-1
・レイピア→+15(剣士が好んで使う装飾が施された優美な剣):素早さ-2
・鉄の剣→+26(鉄製の壊れ難い剣):素早さ-2
・ナイフ→+6(誰にでも扱える小ぶりな短剣)
・スクラマサクス→+8(戦闘用に特化した大型のナイフ)
・ファングダガー→+9(獣の小さな牙から作り出された短剣)
・ワンド→+3(魔法を唱えるのに集中力を少し高める杖):精神+2
・スピア→+10(小型の魔物を倒すのには最適な槍)
・鉄槍→+18(鉄製の壊れ難い槍):素早さ-2
・ハチェット→+9(軽くて扱い易い小型の斧):素早さ-3
・羽の扇→+3(貴婦人が護身用で持つ、可憐で且つ多少の攻撃力を備え持つお洒落な扇)
・ブーメラン→+13(木で作られた投擲武器)
・棍棒→+7(硬い樫から作られる打撃専用の武器)
・木槌→+12(木製の打撃専用の武器)
・ライトウィップ→+7(敵の動きを封じる為の細長い紐状の武器)
・ファングウィップ→+10(獣の牙を先端に取り付けた鞭)
・鉄の爪→+16(武闘家や盗賊などの御用達の爪)
・鉄鋼鉤→+25(手甲に鉤爪を取り付けて、武器化した物)
・弓→+11(誰でも扱い易い、軽くて丈夫な弓)


武器を一通り眺め、攻撃力等を全てチェックし、シャク達は買いたい品を各々決める。
そして、次に向かったのは防具屋。

<防具屋一覧>
・鉄の盾→+11(鉄製の壊れ難い盾):素早さ-2
・鋼の盾→+16(鋼で出来た頑丈な盾):素早さ-3
・鉄の兜→+5(鉄製のオーソドックスな兜):素早さ-2 
・ミスリルヘルム→+8(貴重なミスリル銀を使った兜):素早さ-1
・鉄仮面→+12(頭全体を覆う、無骨な鉄製の仮面):素早さ-2
・三角帽子→+2(三角に尖った帽子)
・お洒落なバンダナ→+2(普通のバンダナよりかはお洒落さを増すバンダナ)
・グリーンベレー→+3(心を和ませる色をしたベレー帽子):精神+3
・リボン→+3(女の子がお洒落の為に愛用する真っ赤なリボン):知性+3
・金の髪飾り→+4(眩い金属製の髪飾り)
・皮の鎧→+6(なめし皮を繋ぎ合わせた質素な鎧)
・鉄の胸当て→+9(シンプルな半鎧)※即死魔法や即死攻撃を防止
・青銅の鎧→+10(青銅で作られた丈夫な鎧):素早さ-2
・皮のドレス→+2(シックな皮製のドレス)
・絹のローブ→+3(肌触りの良い絹を使ったローブ)
・旅人の服→+3(麻製の青い服)
・安らぎのローブ→+5(戦闘中でも心を落ち着かせる不思議なローブ):精神+3
・白いブラウス→+5(襟がお洒落な少し頑丈なブラウス)
・刺繍入り白いカッターシャツ→+6(手品師が愛用する派手なシャツ)
・レザーマント→+8(なめし皮を沢山使った寒さを凌ぐマント)※氷属性1%減
・修行着上→+10(武闘家や盗賊が好む服):素早さ+2
・綺麗なベスト→+12(細部に凝ったデザインが目を引く清楚で綺麗なベスト)
・布のズボン→+3(布で作られたシンプルなズボン)
・赤いスカート→+5(情熱的な色をしたお洒落なスカート):知性+3
・編みタイツ→+5(女性の脚線美を引き立てるセクシーなタイツ)
・修行着下→+9(修行着上とセットな簡素なズボン)
・鉄の膝当て→+12(鉄製の頑丈な膝当て)
・戦士のズボン→+15(膝部分が頑丈に作られた戦士愛用のズボン)
・皮の籠手→+2(皮製の頑丈な籠手)
・鉄の籠手→+5(手袋の上に鉄の装甲を被せた頑丈な籠手)
・銀の腕輪→+3(銀製の腕輪)
・旅人の手袋→+5(青い指抜き手袋)
・皮のブーツ→+2(ごく有り触れたロングブーツ)
・戦士のブーツ→+7(戦士が戦場で履くのに適したブーツ)
・鉄のグリーブ→+9(鉄製の足用の防具)
・知恵の靴→+2(英知に満ちた魔法使い達が好む魔法の靴):知性・精神+5
・巡礼のブーツ→+4(僧侶達が巡礼の旅に出る時に履く質素だが、頑丈なブーツ)
・静寂のブーツ→+5(静寂に紛れて活動する盗賊達が愛用するブーツ):素早さ+6
・サンダル→+1(外出の際に愛用される日常用のサンダル)
・皮の靴→+2(皮製の軽い靴)
・ハイヒール→+1(脚を綺麗に見せる婦人の靴):素早さ-1
・黒のシューズ→+3(履く者の心を少し悪に染めるシューズ):知性+10
・白のシューズ→+3(履く者の心を少し聖に染めるシューズ):精神+10


この防具屋でも欲しい防具を各々決める。
「やっぱり、強い物は値段が高いぜ・・・・」
シャクは防具屋を出て、腕を伸ばしながら言った。
「そんなモンだよ。だからさ、頑張ってアルバイトしてお金を稼ごうよ!!!」
ノアが元気な声で叫んだ。
そんな事で、金を稼ぐ為、シャク達はラフシュタット内でアルバイトを探すのであった。



目が覚めれば椅子に縄で縛られた状態だった。
男は気を失っていたらしかった。酷い頭痛がし、頭が痛い。
そこで気付いた、「兜が脱がされている」と言うことに。
黒髪のこの男は黒い瞳を周囲に向けた。男の椅子以外は何も無い薄暗い部屋。天井から光が差し込んでいるだけであった。
———————生きているのか・・・・でも、何故生かした・・・?
男は黙って周囲を見回す。誰も居ない。
それを確認すると必死にもがき始めた。
しかし、頑丈に縛られている為、外れない。
と、そこへ足音が響く。
「誰だ!!」
男は叫んだ。
そんな脱走者の前に現れたのは、白衣を纏い、青黒い髪の毛をした小さな人物であった。小さいと言っても150cm前後と言った身長である。
——————コイツは俺に電撃を食らわせた奴!・・・い、いや、待てよ・・・似ているだけだ。コイツは違う・・・。
「俺は滅神王兄側に仕えている大悪魔神官カルコスだ。」
「大悪魔神官カルコスだと・・・?」
「貴様・・・中々やるな・・・我が部下達を殆ど一人で片付けるなんてな。」
「俺をどうする気だ!!」
「貴様は滅神王弟様、ヘンリ様に好かれている・・・」
「ヘンリだと・・?」
「従って、貴様はこのまま生かすことにする。」
「何!?」
「どうだ?滅神王ご兄弟の忠実なる下部にはならないか?」
「断る!!俺が仕えるのはガムラン王国の王家のみ!」
「かなりの強情者だな。」
「そうだろ?」
男が余裕の表情でカルコスに毒づく。
「まぁ、良い。貴様には大きな任務を果たしてもらうからな。無理矢理にでも。」
カルコスは宣言すると紫色の綺麗な瞳を光らせた。
それに呼応して男の顔が苦しみの表情へと歪んでいく。
———————何かが・・・俺の体の中に入ってくる!・・・暗黒染みた何かが!
「くっ!」
「痛いだろ?それは貴様の心の中に闇が無いからだ。光ばかりを宿した貴様に大量の闇は耐えられないはずだ!強大な闇は光を飲み込み、強大な光は闇を飲み込む・・・・。将に今が前者の方だ!!」
カルコスが叫ぶと同時に男も悲痛な叫び声を上げた。これまで味わったことの無い程の痛み。
「さぁ、光を捨てて闇を受け入れろ!そうすれば、楽になる!!」
怨み。
憎しみ。
憎悪。
嫌悪。
暗黒。
漆黒。
全ての黒い感情が男を飲み込んだ。
どんなに抗っても無駄だった。
この闇は無断で体の隅々にまで染み込んで来る。
男の絶叫が拷問部屋とも言うべき空間内に響き渡った。
そして、終に作り変えた。
黒髪の男を。

 
5章へ続く。
 

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1990-01-05 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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