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異世界のイストワール   第4章~新たな仲間と力~  その3

 
~前回のあらすじ~
港バルコプエルトに向かうと言う同じ目的により、手品師ノアが仲間に加わった。彼にフォースの事を教えてもらったシャク達はフォースを授かりに教会へと向かったのである。
 
以下は続きです。
 

 
*聖なる雰囲気が漂う教会。古びてはいるがしっかりとした長椅子が規則正しく並べられ、その長椅子に数人が座り祈っている。そして、教会の窓に張られたステンドグラスから色とりどりの光が差し込んでいる。それを見て何かを言っている数人の子供達。
教会の祭壇に神父と純白のローブを纏った老人が立ち、何やら喋っている。シャク達三人は祭壇へと歩いて行った。
「あの、すみません・・・」
恐る恐るシャクが口を挟む。
そんな青年の声に二人は微笑を向ける。
「何でしょうか?」
と神父。
「お話中、大変申し訳ないんですが・・・此処の教会でフォースが授けられると聞いてやって来たんですが・・・」
「如何にも。」
神父では無く、横に居た清楚な老人が頷いた。
「私がフォースを与える儀式を施す、デラハルド大神官である。」
「又、会ったね、フォースのおじいさん!」
ノアが満面の笑みで大神官に声を掛けた。シャクは慌ててノアに注意した。
「おい!失礼だろ!!」
「何で?挨拶しただけだよ?」
「あのな・・・」
青年達の遣り取りを眺め、神父と大神官は笑った。
「愛想の良い若者だ。」
「まったくですな。」
「えへへへ」
ノアは照れた様子で頭を掻く。シャクとヒカルは同時に溜息をついた。
「・・・して、フォースを求めにやって来たと言っておったな?」
と大神官。
「あ、はい!フォースを授かりに・・・」
「そなた達はどんなフォースが欲しいのであろうか?」
「どんなフォース・・・ですか?」
「左様。・・・・屈強な肉体で攻守に活躍する戦士、魔法による回復と補助を得意とする僧侶、攻撃魔法で魔物達を一蹴する魔法使い、素早い動きと力強い攻撃で魔物を圧倒する武闘家、お宝集めと脱走を専門とする盗賊、多彩な攻撃で魔物を魅了する手品師、魔物と心を通わす能力が身につく魔物使い・・・今現時点ではそなた達にはこの七つのフォースを得ることができる。」
デラハルド大神官はシャク達に説明した。
そんな大神官に向かってヒカルが言葉を発する。
「現時点ではと言う事は・・・未だ新たなフォースが存在すると言うことですか?」
「左様。・・・この七つの初歩フォースを極めて以降に得ることが可能な高位フォースは・・・戦士と僧侶を極めることにより開かれる鉄壁の防御で仲間を守り抜く聖騎士、戦士を限界にまで極めることにより開かれる攻めに特化したバトルマスター、魔法使いと戦士を極めることにより開かれる魔法戦士、手品師を限界にまで極めることにより開かれる旅芸人、僧侶と魔物使いと魔法使いを極めることにより開かれる学者、僧侶と魔法使いを極めることにより開かれる賢者、魔物使いと僧侶を極めることにより開かれるレンジャー、魔物使いを限界にまで極めることにより開かれる召喚士・・・がある。」
「すげぇーあんじゃん!!」
シャクは驚く。
「いずれは有名な旅芸人になるのが・・・・この場合って何て一人称にすれば良いのかな・・・?う~ん・・・・あっ!これだ!・・・いずれは有名な旅芸人になるのがオイラの夢なんだ!!」
ノアは言うと一回転した。シャクとヒカルはそんな彼を見て呆れ顔をする。
「・・・して、どのフォースを得たいのかね?」
とデラハルド大神官。
シャクは先程のフォース説明を思い返し、思案する。
戦士になるのも良い、しかし、魔法を連発して魔物どもを一蹴するのも良い。そして、僧侶と旅芸人、魔物使いは向いていないと捨てる。素早く動く武闘家になるのもまぁ良い、一番は盗賊志望なのだが勇者が盗賊と言うフォースを得ているのは、やはり少し抵抗がある。従って、戦士が良いのか・・・。
悩み顔をしているシャクを置いて、ヒカルが大神官に宣言する。
「魔法使いのフォースを授けて下さい・・・・」
「なっ!」
シャクはヒカルの発言に我が耳を疑った。
———————ヒカルが魔法使いだって!?そんな馬鹿な!確かに、ヒカルは頭が良い。でも、何で魔法使い!?俺的には魔法使いじゃなくて、僧侶にしてほしかった!!!
勇者は苦笑しつつ、金髪の親友に問い掛けた。
「何で、ヒカル君は魔法使いにしたの?」
「いけねぇーのかよ。」
「い、いや別に・・・そう言う意味じゃ・・・」
「じゃぁ良いじゃねぇーか・・・」
「そ、そうだね・・・」
ヒカルは不機嫌そうな表情をして、デラハルド大神官に再び向き直った。
「俺に魔法使いのフォースを授けて下さい・・・」
「うむ、分かった。魔法使いじゃな?」
「はい・・」
「では、己が理想としている魔法使いの姿を心の中に思い描き、祈るのじゃ。」
ヒカルは言われた通りに、手を胸の前に組んで祈り始めた。
シャクは固唾を飲んでその光景を眺めた。何が起こるというのだろうか。
祈り始めて数十秒後、ヒカルの周囲全体が輝き始めた。聖なる光がヒカルへと集結する。その輝きはヒカルの胸に集まると、紫色の徽章になった。
バッチになると輝きは失せ、もとの教会内の明るさに戻った。
「これで、そなたは魔法使いのフォースを手に入れたこととなった。心して、日々精進するが良い。」
ヒカルは胸についた徽章を見る。
「それは、魔法使いの証じゃ。それがある限り、そなたは魔法使いじゃ。そして、魔法使いとして能力が上がっていくと同時にその徽章は変化していくからな。よく覚えておくが良い。」
シャクはヒカルの徽章をまじまじと見つめた。
「へぇ~・・・バッチか・・・」
「ヒカルちゃんのは紫色のバッチなんだね。」
とノア。
「ノアのは?」
「アハハハハハ!そのシャクちゃんの台詞面白い!」
シャクの問い掛けに突然ノアが笑い始めた。
「はぁ?」
「“ノアのは?”だって!何か、‘ノアノア?’みたいで面白い!!アハハハハハハハハ!!」
腹を抱えて大爆笑する手品師青年にシャクとヒカルは半眼を向けた。
「良いから、ノアのバッチはどんなバッチなんだ?てか、つけてねぇーじゃん。」
とシャク。
ノアはポケットから徽章を取り出しながら呟く。
「あ、うん、この場合一人称何て言えば言いのかな?・・・・・う~ん・・・私で良いや!えっと、私ね、バッチを服につけるの好きじゃないんだよね。だって、穴が開くでしょ?」
「まぁ・・そうだけど・・・」
「私のはオレンジ色!」
ノアは言うと手品師のバッチを見せた。
「オレンジか・・・」
「シャクちゃんはどのフォースにするの?」
「えっと・・・てか、赤いバッチとか無いのかな?」
「赤?赤好きなの?」
「まぁな。」
「だから、髪の毛赤いんだ!!」
「(そう言う意味じゃねぇーんだけど・・・)戦士にすっかな・・・」
「戦士か~・・・格好良いね!」
とノア。
「格好良いとかそんなんじゃねぇーんだけどさ、魔物と戦って仲間を護れねぇーと意味ねぇーじゃん。」
「シャクちゃん、格好良い!!!シャクちゃんなら、ミーシアを預けても大丈夫かも!」
「?」
シャクはノアの‘ミーシア’と言う単語に首を傾げた。が、それは一先ず置いといて。
「遅くなってすみません、俺、戦士になりたんで・・・戦士のフォースを授けて下さい。」
と宣言する。
デラハルド大神官は頷くと、先程と同じ要領で言葉を発する。
忽ち、シャクの胸に赤い徽章が装備される。
「これで、そなたは戦士としてのフォースを手に入れたこととなった。心して、日々精進するが良い。」
大神官の言葉にシャクは頷くと、自分の胸元にある赤い徽章を見た。
「やったじゃん!赤いバッチだよ!」
とノア。
「あぁ、良かったよ。」
シャクは微笑むと新たに全身を駆け巡る力を噛み締めた。



滅神王城内は荒れていた。廊下には無数の魔物の死体が無造作に投げられ、体液が飛び散っていた。恐らく地下牢から脱走した人間がやったことであろう。
そんな汚い廊下を歩いている滅神王弟ヘンリと大悪魔神官兄カルコスの二人。
「随分と派手に動いているじゃないですか。」
とカルコス。
「えぇ、この本の主人公も大分派手に動いてますよ。」
「そ、そうですか・・・」
ヘンリは本を閉じると、廊下の隅に置いてある、花瓶を乗せた机の上に本を置いた。そして、眼鏡を押し上げる。
「・・・・それにしても、この部下達の死に方を見る限り・・・かなりの攻撃力を誇る人間の様ですね・・・素晴らしい。」
「はい。俺もぞくぞくしてきましたよ、ヘンリ様。」
「フフフ・・・」
二人は不気味な笑みを浮かべて廊下を歩く。
その行く手にも部下達の死体は続いていた。



教会を出て、ベンチに座っているシャク達。彼等は今、昼御飯であるパンを食べている。
この昼飯代はノアのおごりである。
大好きなメロンパンを頬張り、シャクが言う。
「教会でフォースなんか授けられるんだな・・・・何か、もっとこう神聖な神殿とかで貰うもんだと思ってたぜ。」
「本当は制圧された三大陸の中にデラハルド修道院ってのがあったんだってさ。」
「で、何で此処にその修道院の大神官さんが居んの?」
「何か、デラハルド修道院の中に危険を察知した人が居たらしくてね、すぐに修道院から立ち去る様に言われたんだって。それで、仕方無く此処へ来たらしいんだ。ごめん、説明が上手く言って無いけど・・・つまり、何やかんやで運が良かったんだよ。」
「あ、そ、そう・・・・」
シャクは顔を引き攣らせると、再びメロンパンを食べた。そして、肝心な問い掛けをノアに突き立てた。
「ノア。」
「なぁ~に?」
彼はクロワッサンを頬張り、エメラルドグリーンの綺麗な目を向けた。
「お前さ、さっき、教会でミーシアがどうのこうのって言ってなかったっけ?」
「うん。」
「誰?その・・・ミーシアって人・・・・」
ノアはクロワッサンを食べ終わると微笑んだ。
「この場合の一人称は・・・・う~ん・・・・えっと・・・・俺!・・・俺の可愛い妹のことさ!」
「妹!?妹なんか居んの!?」
シャクは驚愕した。ヒカルも驚愕したらしく、咳き込んでいる。
「うん!可愛い可愛い妹さ!その妹のところへ帰る為に港に行くのさ!」
「てか、そんなに可愛い妹が居んなら何でこんな場所に来たんだよ?普通は出ないだろ?」
「可愛い妹だからこそ出て来たんだ。妹のミーシアに手品を披露してあげようと思ってね。」
「それが手品師になった本当の理由?」
「本当は本当だけど、手品が好きだから手品師になったってのもあるよ。」
「ふ~ん・・・・」
「本当は、デラハルド修道院へ船で行く予定だったんだけど、間違えて此処で船を降りちゃったんだよね。それで、偶然立ち寄った際にデラハルド大神官を見つけたんだ。ラッキーでしょ?だから、あっちの大陸に行く手間が省けたみたいな・・・」
「てか、あの制圧の時、お前は何所に居たんだよ!」
「船。うん、船だね。船の上から眺めてた。」
「呑気な奴だな・・・」
「大爆発が起きて、夜が明けたでしょ?・・・多分ね、シャク達と同時くらいにこの町に来たんじゃない?」
「でも、出入り口で会わなかったじゃん。」
「この町ね、北側と南側に出入り口があるみたいだよ。だから、会わなかったんじゃないかな?」
ノアの言葉にシャクは「なるほど」と町の北側と南側を見た。確かに、看板に書いてある。
「まぁ、今度こそ武器屋とかに行こうね。俺が行き先を変えちゃったからさ。」
手品師は言うとベンチから立ち上がった。シャクとヒカルもそれに従う。

新たな力が手に入った。それは‘フォース’。
シャク達は今、一歩だけこの世界に馴染んだ様な気がした。


続く…。
 

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2014-11-07 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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