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異世界のイストワール   第4章~新たな仲間と力~   その1

 
~前回のあらすじ~
終に向こう側の大陸が魔王軍に制圧され、焦りを感じるシャク達。向こう側の大陸へ行く為、アレクの父デイノスに船を貸してくれと願い出るが、彼は申し訳ないと首を横に振る。しかし、デイノスはシャク達二人にこの浜町を進んだ先にあるバルコプエルトと言う港を勧める。そこの港なら、もしかすれば向こう側の大陸へ運んでくれるかもしれないからだ。
シャク達はそんな彼の言葉に従うのであった。

以下は続きです。
 

 
第4章~新たな仲間と力~

*「じゃぁ、行って来ます。」
とシャクはアレクの家の玄関で彼等に言い放つ。
アレクは心配そうに青年達を見つめる。彼の母親シエラも同様だった。
「シャク・・・・ヒカル・・・」
「何だよ、アレク。」
「い、いや・・・その・・・」
アレクは口篭ると下を向いた。そんな彼を見てヒカルの目は半眼になる。
「心配してくれんのはありがたいんだけど、俺等には果たさなくちゃなんねぇーモンがあるんだ。」
シャクは言うと笑い、
「でさ、今度会えたらさ、又一緒にデカイ魚でも釣ろうぜ!」
とアレクの肩を叩いた。そんなアレクはシャクを見て、大きく頷いた。
「あぁ、そうだな。」
青年二人は白い歯を見せて笑い合う。ヒカルも横で鼻を鳴らす。

そして、別れの時。

「じゃぁ・・・さよなら・・だな・・・」
「あぁ・・・・」
「貴方達二人の幸運を願っているわ、シャク君、ヒカル君・・・・」
シエラが微笑んで青年達に言う。そして、シャクを心配そうな顔で見つめる。
「そう言えばシャク君・・・抉られた傷はもう良いの?」
「あ、あぁ・・・多少は良くなりました。ありがとうございました。」
「いいえ・・・でも、良かったわ。」
そんな妻の横でデイノスが快活に言葉を引き継ぐ。
「もう一回、此処へ戻って来いや!そんで、向こう側で見た事を全部話してくれや!」
「はい!」
シャクは元気な返事をする。
そして、勇者は行き先の向こうを見据える。
旅立ちの時だ。
勇者としての役目を果たす時が来たのだ。
足を踏み出す。
新しい大地へ向かう。
シャクはヒカルを見た。
ヒカルも同じ様に親友を見る。
頷き合い、一歩一歩と歩き出し、二人は浜町を出ようとする。
そんな彼等の背後からアレクの声がする。
「シャク!ヒカル!絶対、又今度、デカイ魚を釣ろうな!!!約束だぞ!!」
旅人達は振り返り、呼び掛けて来る青年を見る。
シャクは笑顔を向けて手を振る。
ヒカルは相変わらずつれない表情をしていたが、彼もシャクにつられて心持手を振ってみせた。
———————俺等は又、この浜町の人達と会いたい。
この想いを胸に女神に選ばれし勇者達は魔境に足を踏み出した。



人間界から滅界の滅神王城へと帰還した滅神王弟ヘンリとその部下達。
ヘンリは兄ローレライが居る魔王の間へと赴き、全てを話す。
「・・・と言うワケで、人間界の3大陸を制圧してきた。」
「それで、キルちゃんは合格なのっ!?」
とローレライは目を輝かせて弟に問う。
当の弟は眼鏡を押し上げ、盛大な溜息をついて言った。
「あぁ・・・俺の満足の行く合格点では無いが・・・まぁ・・今回はかなり俺が折れてやったんだ。感謝しろ。」
ヘンリは呆れた目で新人のキルラーを一瞥した。
「はい!感謝します!!感謝しますとも!☆」
とキルラー。
そんな彼女に駆けて行き、ローレライは彼女の両手を握り締めて言った。
「良かったわね、キルちゃん!!」
「はい!ローレライ様!!☆」
キルラーは目を輝かせると、滅神王兄に抱きついた。それを見兼ねた大悪魔神官カルコスが怒鳴る。
「おい!キルラー!幾ら、この魔王が馬鹿でも一応は魔王だぞ!許可も無く抱きつくなど無礼極まりない!!」
「えぇ~?カルトス君、もしかして焼き餅焼いてんの~?」
キルラーがにやけ顔で大悪魔神官兄に言う。
「ンな馬鹿な事があるか!!」
「ローちゃん様!!ボクも頑張ったんだよ!!3大陸のうち2大陸はボクが堕としちゃったんだよ!!エっヘン!」
ヘンリ側の大悪魔神官アプフェルがローレライに目を輝かせて言い放つ。
「まぁ、それは凄いじゃない!」
「でしょ?でしょ?ってなワケで、城の庭にもう一本林檎の木を植えても良い?」
「良いわよ。」
「やったー!!」
「私も手伝うよ☆」
横からキルラーが割って入って来た。
「本当!嬉しいな!!」
そんな事でテンションが上がる馬鹿どもを眺めて、ヘンリとカルコスは盛大な溜息をついた。リンネルはやはり無表情でこの現場を眺めているだけだった。
「すみませんね、カルコスさん、俺の兄貴が馬鹿で。」
とヘンリ。
「いえいえ、もう慣れましたので何とも無いですよ。」
カルコスが苦笑交じりで滅神王弟に返す。
その時だった。
「そう言えば、ローちゃん様にプレゼントがあるんだった。」
とアプフェルが言った。
「プレゼント?何かしら?」
「絶対に喜ぶよ。」
そんな部下の言葉にヘンリが慌てて遮った。
「アプフェル!あれはこの馬鹿へのプレゼントでも何でも無い!あの人間は俺の実験材料だ!」
「えぇ?そうだったの?」
「そうだ!」
「ふ~ん・・・じゃぁ、ごめん、ローちゃん様。プレゼント無いや。」
アプフェルは少し暗い顔をした。そんな神官を見て、ローレライが明るく言う。
「気にしないで。又今度、くれれば良いじゃない。」
「・・・・そうだね!そうするよ!」
アプフェルは満面の笑みを浮かべてローレライを見た。
ヘンリは冷汗を拭う。
「・・・・だから、カルコスさん、後で俺と地下牢へ行きましょう。貴方としたい実験があるんです。」
ヘンリはカルコスに言うと、当の彼は敬礼をして頷いた。
「はい。是非、実験のお手伝いをさせて下さい。」



旅に出たのは良いが、これから先どう進めば良いのか皆目分からない。
スピアッジャの浜町から旅立って数十分が経過していた。運良く、此処まで来るのに魔物達とは遭遇していない。それが唯一の幸いだった。
「なぁ、ヒカル・・・俺等一旦、現実世界に戻った方が良いのかな?」
シャクは両手を頭の後ろで組んだ状態で歩きながら、横のヒカルに問い掛けた。
「その方が良い様な気がするな・・・俺的には。」
「やっぱそうか・・・」
「だって、今戻ったら18時過ぎくらいだろう。」
「あぁ・・・」
ヒカルは言いつつ周囲を警戒している。いつ魔物達が襲って来るか分からないからだ。
「でも、やっぱデイノスさんが言ってた‘ラフ・・・・’何とかって言う町に・・・」
「‘ラフシュタット’だろ?」
とヒカル。
「そうそう。だから、やっぱそこで宿屋を見っけてから現実世界に戻った方が良いのかなってな・・・」
「シャクがそうしたいんだったらそうすれば?俺は別に構わない。」
ヒカルの言葉にシャクは一瞬悩んだが、考えをまとめた。
「よし、そのラフ何とかって町に行こうぜ!」
シャクは手を掲げて元気良く言った。
そんな親友をヒカルは溜息をついて一瞥した。



ラフシュタット。
そこは多くの人間達が住む町である。町に入ってすぐに大きな噴水があり、多くの店が並んでいる。町人は活気に溢れ、盛んに語り合っている。すれ違う人達は買い物を途中で中断し、お喋りに熱中している。
「デけぇー噴水だなぁ~!!俺ん家に欲しいぜ。」
「要らねぇーだろ・・・・・つーか、宿屋探ししねぇーと・・・」
「分かってるって。すみませぇ~ん!あのー宿屋を探してるんですけど!」
シャクは言うなり見つけた町人に声を掛けた。
そんな勇者を見てヒカルは盛大な溜息をついた。



シャクの声掛けにより、すぐに宿屋が見つかった。
「ここが宿屋か・・・」
「入るぞ。」
ヒカルに促され、外観を眺めていたシャクは慌てて彼の後を追う。
宿屋の中は意外と豪華だった。味のある木製の階段にカウンター、赤黒い高級そうな絨毯。
「中々良いな・・・」
「あら、いらっしゃい。此処はラフシュタット一番の宿屋、アルベルゴよ。」
入って来た若者達をカウンターから出迎えたのは、少しぽっちゃりとした愛想の良さそうなおばさんだった。
「あぁ、どうも・・・」
「あたしは此処の宿屋の女将、マードレ・メールよ。・・・・それにしても、見かけない人達ね。旅人さんかしら?」
「え、まぁ・・・」
「やっぱり!」
「アハハハハハハ・・・」
「旅の疲れを癒しにやって来たってワケねぇ~・・・」
「ま、まぁそうっすね・・・」
「うんうん!・・・それで、二人部屋が良いわよねぇ~・・・開いてたかしら・・・?」
女将はカウンターの上に置いてあるリストをチェックし始めた。そして、手を止めてシャク達に微笑を向けた。
「あったわよ!貴方達ラッキーね!」
「あぁ・・・」
「で、お名前を教えてくれるかしら?」
「えっと・・シャクです。」
「シャクさんね・・・」
女将は聞きながらリストに名前を羽ペンで書き加えていく。
「そして・・・そちらの坊やは・・・」
「あ、ヒカルです。」
シャクが慌てて親友の名前を言い放つ。
「ヒカルさんね・・・・・・・もしかして、ヒカルさんは無口なのかしら?」
と女将が言って笑う。
ヒカルはそっぽを向く。
そんな彼を見てシャクは苦笑する。
「すみません・・・こいつ凄い人見知りなんで・・・」
「そう・・まぁ、良いわ。あたしはぐいぐい突っ込んで行くから大丈夫よ。」
女将は豪快に笑って言うと、カウンターの外へと出て来て鍵をシャク達に手渡した。
「はい、これが部屋の鍵ね。」
「あ、はい。」
「それじゃ、案内するわ。」
女将の案内でシャク達二人は部屋へと赴いた。



部屋に入ったシャクはベットに飛び込んだ。ふわふわの柔らかい羽の入った布団が頬に心地よい。
「やべぇ~!このまま寝れそう・・・」
とシャク。
ヒカルは洒落た椅子に腰を下ろし、机の上にあったラフシュタットの地図を見ていた。
「おい、シャク、武器屋とか防具屋とか道具屋とかあるぞ。」
「あぁ・・・・」
「行かないか?」
「あぁ・・・・」
シャクの曖昧な返事にヒカルはベットの方を見て、目を半眼にした。
「おい、寝る暇はねぇーんだぞ。」
「分かってるよ・・・はぁ~あ・・・・・・それじゃぁ行ってみるか。」
言うとシャクはベットから身を起こし、
「金無いけどな。」
と付け足した。



1階に降りたシャク達はカウンターの前で女将のマードレ・メールに引き止められた。
その女将のカウンター前に手品をしてそうな雰囲気を漂わせている青年——————茶色の髪とエメラルドの様に綺麗な目、手品師らしい白く花の刺繍が入ったシャツ、派手なビビッドピンク色のズボン、お洒落な皮のブーツ、腰には2本のナイフと道具袋を提げている———————が立っていた。
「何ですか?マードレさん。」
とシャク。
シャクの問い掛けにマードレはカウンター前の青年を見て、苦笑を二人に向けた。


続く…。
 

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2014-11-04 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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プロローグ
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6章7章8章9章

~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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