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異世界のイストワール  第2章~スピアッジャの浜町~  その1

 
~前回のあらすじ~
天使ラーに‘天使の羽の指輪’を貰い、終に異世界へと足を踏み入れた灼と光。

以下は続きです。
 

 
第2章
~スピアッジャの浜町~

*落ちる。無抵抗のまま落下していく。海に向かって———————。
———————誰か・・・誰か助けてくれっ!!
海の中へ落下し、海に飲まれる。
必死に足掻き、泳ごうとするが、慌てている為上手く泳げない。
————————誰か!俺を・・・・!
溺れる。体が言う事をきかない。声を出して助けを呼ぼうにも出ない。
———————俺はこのまま・・・・・。

★ ★ ★

「父さん!人が海に!!」
赤茶色の髪の毛をした青年が船の舵を握っている父親に向かって叫んだ。父親は息子の叫び声を耳にして、溺れている人影を捜す。
「ほら、あそこ!!」
少しして人影を発見し、慌てる。
「おい!海に飛び込んで引っ張って来い!早くしねぇーと死んじまうぞ!」
「分かった!」
青年は返事をすると浮き輪と鋭い短剣を持ち、海に飛び込んだ。



潮の香りがする。鴎が鳴く声もする。人々の声もする。そんな中、一際五月蠅い声が青年の耳元で騒ぐ。
“目を開けて下さい!!お願いですから!勇者様っ!”
聞き覚えのある少女の声がする。
シャクはゆっくりと目を開け、ベットから身を起こした。目を擦り、周囲を見回す。
丈夫な木で出来た家の中。
——————俺は・・・。
起き上がった青年を見て小さな少女は手を合わせて喜ぶ。
“勇者様!良かった・・・生きてて・・・”
傍らで喜んでいる凄く小さな少女—————天使ラーは言うと、安堵の息を吐いた。そんなラーを驚いた表情で見つめ、シャクは言った。
「何だ?その姿は?何か・・・15cm物差しくらいの大きさになってね?」
“あぁ、この小ささですか。いやぁ~・・・この方が何かと便利なんですよ。でも、この世界の一般の人間達には私達、天使の姿は見えないんですけどね。”
「そ、そうなのか?」
“はい。・・・それに、勇者様から言えばこんな姿の方が良いでしょ?”
「ま、まぁ・・・妖精みたいだからな・・・・・・って、ヒカルはっ!!」
シャクは慌てて横のベットを見た。そのベットにはヒカルが横たわっていた。
「ヒカルっ!」
シャクは驚くと、ヒカルに駆け寄った。
彼はシャクの声に起こされ、目をゆっくり開けた。
「シャ・・・シャク・・・?」
「あぁ!大丈夫か!?・・って、お前・・・服可笑しくね?」
「はぁ?」
ヒカルは返事をしながら、身を起こした。そして、自分の服装を見た。
「何で制服じゃねぇーんだよ!!」
とヒカルは言った。
「俺もだ・・・」
シャクも自分の服を見て呟いた。そんな彼等に向かってラーは言う。
“異世界用の服装に変わっただけですよ。”
「つまり・・・異世界に来たって事か・・・」
とヒカル。
ラーは頷く。
「ここが異世界?何か俺等が住んでる世界とあんまし変わりねぇーじゃん。まぁ、机とかタンスとかが木製で野生的だなって感じだけどさ。」
シャクは周囲を見回して呟いた。
「でも、何で選りに選って‘布の服’と‘布のズボン’、‘サンダル’なんだよ?俺が勇者ってんだったら、もっとこう・・・スゲェー鎧とかあっても良いんじゃね?」
“勇者様が最初から最強装備なんて事はありませんよ。誰でも最初は弱いんですから。”
ラーの言葉にシャクは不満げな顔をして応じる。
「それもそうだけど・・・で、何で俺等此処に居るわけ?俺等、溺れてなかったっけ?」
「確かに・・・」
“お二人が溺れていたところを偶々通りかかった漁師さんが助けてくれたんですよ。漁師さんって言っても若くて、赤茶色の髪をした男の子でしたけど・・・”
その時だった。
部屋の扉が開き、パンと牛乳をのせた盆を持った赤茶色の髪の毛をした青年が入って来た。その青年はシャクとヒカルの姿を認めるや否や満面の笑みを浮かべた。
「良かった!無事だったんだ!心配したんだぜ。」
「あ、ど、どうも・・・」
シャクは苦笑して頭を軽く下げた。
——————コイツか・・・俺等を助けてくれたって男は・・・。
青年は微笑んで、机の上に盆を置いた。
「まぁ、これでも食べてよ。」
「サンキュー・・・・」
シャクは言うと、口にパンを頬張った。そんなシャクを見て、青年は明るく言った。
「俺、アレク。アンタ等は?」
「あ、俺はシャク。」
シャクはパンを飲み込んで名前を名乗り、横目でヒカルを見て付け足した。
「アイツはヒカル。」
「シャクとヒカルか・・・宜しくな。」
言って笑顔を向けて握手を求めてくるアレクの手をシャクは握った。
「あぁ、宜しく。・・・てか、俺等を助けてくれたんだろ?ありがとう。」
「え?何で俺が助けたって分かったの?」
「あ~いや~・・・勘だよ、勘。」
「ふ~ん・・・・」
「ありがとう。おかげで助かったぜ。」
「良いって事よ。お互い困った時は助け合わないとな。」
アレクは白い歯を見せて笑うと、先程から黙っているヒカルの方へ視線を向けた。
「ヒカルだったよな?アンタ、腹は空いてないの?良かったらこれ食べな。」
「・・・・」
親切なアレクの物言いにも応じず、ヒカルは無言を突き通す。そんな彼を心配したのか、アレクは問う。
「大丈夫か?どっか具合でも悪いのか?」
「あ~いやいやいやいやいやいや!全然具合なんか悪くねぇーよ!コイツ、無口なんだよ。だから、放っておいてくれ。」
シャクは苦笑して言った。
「無口なのか・・・まぁ、何時かはちゃんと喋れる様になれると良いな。・・・で、何で溺れてたんだ?何してたの?」
「あ~・・・・何て言えば良いのかな・・・・」
シャクは頭を掻きながら、ラーに助けを求めた。彼女はそんな彼に向かって口パクで伝える。

“ヒカルが泳ぎ下手だから練習に付き合ってやってたら、俺まで溺れたんだ。”

——————何だよ、その下手な嘘・・・てか、俺まで溺れたってどんだけ間抜けなんだよ。
しかし、これを言うしか無い。
「えっと・・・ヒカルが泳ぎ下手だから・・・練習に付き合ってやってたら、俺まで溺れたんだ・・・アハハハ・・・」
シャクはヒカルの怒りの矛先が自分に向いているのに気付いた。
「泳ぎの練習か・・・って、ヒカル、泳ぐの下手なんだ。」
「そ・・・」
ヒカルが反論しようとしたのをシャクが見事に遮った。
「そーそー!コイツ、スゲェー下手でさァ~泳ぎのテストはいつもゼロ点。」
ヒカルは拳を握り、シャクを思いっ切り睨んだ。
「へぇ~・・・で、どっから来たんだ?」
「・・・」
再びラーに助けを求める。

“凄い遠いところから来たんだ。”

「凄い遠いところから来たんだ。」
「凄い遠いところ・・・・ガムラン王国辺りから?」
「ガムラン王国・・・?」
シャクの問いにアレクは頷いて説明する。
「うん。この浜町から・・・・」
「この浜町・・・?」
「ごめん・・・此処はスピアッジャって言う浜町なんだ。魚を捕ったりして生活している平和な町なんだ。」
「そうなんだ・・・」
「・・・で、ガムラン王国って言うのは、この浜町から凄く離れた場所にある美しい王国なんだ。でも、唯の美しい王国じゃないんだ。」
「唯の美しい王国じゃない?」
「うん。魔法も剣術も凄い王国なんだってさ。」
「へぇ~・・・」
「それに、あそこの王女様、凄い美人な上に剣術も凄いらしいんだ。はぁ・・一度でもいいから会ってみたいよ・・・・」
「そんなに美人なのか?」
「勿論!だから、結婚してくれって言う人が多いらしいよ。毎日毎日、男達が押しかけてるんだって。」
アレクは言うと、呆れた表情をした。その時、
「アレク!漁に出るぞ!」
と声がした。
アレクは目を輝かせると叫んだ。
「今行く!!」
「漁?」
とシャク。
「あぁ!・・・って、シャクとヒカルも一緒に漁に出ないか?きっと楽しいと思うぜ!」
アレクが満面の笑みで二人を誘う。
シャクはヒカルを見た。当の彼は半眼。シャクはアレクに視線を戻すと言った。
「あぁ、俺等も一緒に行くぜ。」
シャクの返事にアレクは飛び跳ねた。
「おっしゃーっ!決まりだ!今日はいっぱい捕るぞ!!」
元気の良いアレクと一緒にシャクとヒカルは部屋を出た。


続く…
 

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2014-10-21 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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