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異世界のイストワール  第1章~青年達と迷い天使~  その4

 
~前回のあらすじ~
天使ラーの依頼を受けた灼と光は放課後、異世界へ行く事を決心する。そして、放課後、教室から生徒が居なくなるのを待っていたのだが・・・。

以下は続きです。
 

 
*雅か・・・。その雅かだった。あの氷山冷愛にラーの姿が見えていたとは。
———————勇者となる者には姿が見える・・・っつー事は・・・氷山も・・・?
灼は顔を引き攣らせてラーに訊ねた。
「お、おい・・・雅か・・・雅か、ラーの姿が見えるっつー事は・・・その雅かだよな?」
ラーは冷愛を少し見つめて頷いた。
“その雅かです。きっと、勇者様を手助けしてくれる光さんの様な存在の人ですね。”
「マジかよっー!!!!」
灼はシャウトすると、床にガクリと両膝を突けた。
「何でだよ!何でこんな奴が!・・・くそっ!」
「何が‘こんな奴’よ!」
「ラー、嘘だって言ってくれ!俺、もう少し上品な女子が良かったぜ!」
“そう言われましても・・・”
「で、一体何なの?この子が見えると何かあるワケ?」
と冷愛は詰め寄った。
そんな彼女を睨み、灼は叫んだ。
「何でもねぇーよ!関係無いから、テメェーには!」
「何よ!関係無いって!」
「関係無いっつったら関係ねぇーんだよ!」
「あるでしょ!その子が見えてんだから!それに、友達に言ったって、この子見えないって言うんだもん!あたしにだけ見えて可笑しいでしょ?」
と言う冷愛を無視して灼はシッシと手を振る。
「ほら、さっさと帰れよ!友達は?いつも帰ってる友達は?」
「先に帰らせたわ!アンタ達の秘密を暴く為に!」
「はっ!?」
灼と冷愛の口論を横で聞きつつ、光は溜息をついた。そんな彼に気付いた冷愛は光にも食って掛かってきた。
「雷塔君も雷塔君よ!あたしを少しは援護しなさいよ!」
「・・・」
返答をしない光を見て、灼は自慢げに言った。
「へへん!光はな、俺以外の連中とは話さねぇーんだよ!馬ァー鹿!」
冷愛は灼の言葉を聞いて思った。
確かに、光が灼以外の人間と話しているのを見たことは無かった。話し掛けられても彼の返事はいつも「あぁ」とか「いいや」とかで、必要以上の言葉は彼の口から発せられる事はなかった。
だから、冷愛は下がらなかった。
「初めて喋った女子が氷山冷愛だったって凄いじゃん!ほら、喋って!」
「・・・・」
「無理だって。俺だって、幼稚園の卒業式くらいん時から話し始めたんだぜ?だから、そう簡単には光は口を開かねぇーよ。」
灼の言葉に冷愛は怒りを覚えたと同時にあることを思いついた。
そして、灼に人差し指を突きつける。
「分かったわ。明日、雷塔君とあたしがちゃんと会話出来たら、アンタ等の秘密を教えてよね!どう?良い?」
「はっ!?」
灼は彼女の指を仰け反って回避する。
「良いでしょ?ほら、良いって言いなさいよ!」
「そう言われると余計に良いって言いたくねぇーな。」
赤髪の青年の意地悪な発言を聞き、冷愛は指を下げて、鞄が置いてある自分の席に戻った。灼は体勢を戻すと冷愛に意地悪な笑みを向けた。
彼女は鞄を持ち、教室の扉まで行くと二人と天使を振り返り、
「じゃぁ、そう言う約束で。」
と言い置き去って行った。
「お、おい!」
灼が叫ぶが、彼女には届いていない。いや、届いていても無視したのだろう。
冷愛が去って数分後、光が沈黙を破って口を開いた。
「どうしてくれんだよ、灼・・・」
当の灼は溜息をついて応えた。
「良いじゃん、あの馬鹿を追っ払えたんだし。ありがと、光君。」
「テメェー・・・・」
故意に灼は笑うとラーに向き直った。
「よし、ラー、邪魔者は居なくなったんだ。異世界へ行こうぜ。」
“は、はい・・・でも、あの人・・・”
「良いんだよ。・・・・まぁ、ラーが見えたから異世界に行く資格があるってんだろうけど・・・つーか、あんな奴、一緒に来たって役に立たねぇーよ。」
と灼が言う横で、冷愛が校門を出るのを窓の外からラーは眺めていた。
「で、どうやって行くんだ?」
灼の言葉でラーは彼に向き直ると、自分の背に生えている天使の翼から羽を二本抜いた。その行為に二人は驚愕させられた。
「おい!何やってんだよ!」
と灼が叫ぶ。
ラーは羽を抜く時、少し顔を顰めたが、休む事無く羽に魔法を掛け始めた。天使の周囲がほのかに輝いた。

数十秒後。

先程、引き抜いた天使の羽が見る見るうちに指輪型へと変貌を遂げていく。
——————羽が指輪にっ!!
“これは天使の羽で造った指輪です。”
「お、おう・・・」
二人はラーから天使の羽で出来た指輪を受け取った。
羽で出来ている為、軽い。
「軽いな・・・これ・・・」
灼が指輪を眺めていると、光がラーに問い掛けた。
「これをどうするんだ?」
親友の言葉に灼もラーを見つめ、返答を待つ。
数秒後にラーは応じた。
“指にはめて下さい。”
言われ、二人は指に天使の羽の指輪をはめた。
「はめてどうすんだ?」
と灼。
そんな彼等に向かってラーは言う。
“その指輪を身につけていると別世界から来た人間だとバレずに済むと共に、異世界とこの世界を自由に行き来できます。”
「マジでか!?スゲェーな!この指輪!」
灼が目を輝かせて叫ぶ。
小学生みたいな親友を呆れた表情で見つめ、
「もし、バレたらどうなるんだ?」
と光はラーに問い掛けた。
光の問いを聞き、灼もラーを見つめる。
“もし、バレたのなら異世界の人間達がこの世界に来たがるだけです。だって、私達の世界から勇者様達を見たら不思議ですもの。”
「だったら、別にこの指輪をしなくても良いんじゃねぇーのか?」
と光。
そんな彼の言葉を耳にした瞬間に、ラーの表情が一変した。
“駄目です!その指輪をしていなくては!”
「何で?別に差し支え無ぇーじゃん。」
灼がきょとんとした表情で言った。
しかし、少女は指輪を外す行為をしてはならないと連呼する。
“普通の人間にはバレても良いですが、魔族にバレては絶対に駄目です!もし、バレたら・・・勇者様達のこの世界が滅んでしまうと思って下さい!”
「!」
ラーの真剣な物言いに灼と光は言葉を失った。
「この世界が・・・」
「滅んでしまう・・・・?」
“はい。魔族は全ての世界を支配したがります。そして、魔界を統べる魔王・・・滅神王は女神様と同等・・・いや、それ以上の力を持っているかもしれないんです。そしたら・・・この世界に魔の手が迫る危険性が・・・”
「マジで!?」
「なるほどな・・・」
と光。
「だから、俺等の行動が重要なわけだな。」
“光さんの言う通りです。”
「まぁでも、この指輪を外さなけりゃ良いんだし、何て事ァ無ぇーな。」
灼は気を取り直して言った。
「それはそうだけどな・・・」
「そんじゃァ、行くか!異世界!」
ラーは漸く見つけた勇者の言葉に大きく頷いた。
“では、異世界に向かいます。”
「おう!」
勇者の返事と共に、ラーは異世界へ向かう為に魔法陣を描き始めた。


続く…
 

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2014-10-20 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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6章7章8章9章

~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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