スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- : スポンサー広告 :
Pagetop

異世界のイストワール  第1章~青年達と迷い天使~  その3

 
~前回のあらすじ~
幽霊的なものが見えると光は灼の居る保健室へと駆け込んだ。しかし、その物体は灼にも見えていた。
幽霊——————天使の依頼を笑い飛ばす灼であったが、天使の過去を聞かされ、心境が変わる。

以下は続きです。
 

 
*天使ラーが話し終わっても保健室内は静まり返っていた。何とも言えない空間が灼達を飲み込む。保険室内の壁に掛けられている時計の針が一つ進んだ。それと同時に灼が口を開く。
「・・つまり・・・マジな話ってワケなんだろ・・・?」
“はい。”
ラーの返事に灼は光を見た。当の彼は眉一つ動かさず、冷淡な顔をしていた。
“あの時からすると・・・もう女神様は・・・・”
「消された・・・・か・・・」
灼の言葉にラーは小さく頷き、二人に向かって叫んだ。
“お願いです!どうか、私と一緒に私達の世界に来て下さい!そして、女神様を・・・世界を救って下さい!”
必死の叫び声に灼と光は戸惑った。急な申し出に対応する様な彼等ではない。
「一緒に来てくれって・・・そんな急に・・・」
その時だった。
保健室の扉が開かれ、保健教員が帰って来た。ベットでは無く床に居る彼等を不審な表情で見つめて問い掛ける。
「何してるの?」
「い、いやァ別に・・・・てか、コイツが・・・」
「コイツ・・?」
灼は横に居るラーを指差して言った。教員は灼に歩み寄り、彼が指差す方向を見た。
「何も居ないけど・・・何?」
「え?」
灼はラーを再び見た。
確かに居るんだ。
横に!!
やはり、見えていない様だ。
「よく分からないけど・・・・もう具合は良いの?紅日君・・・」
「は、はい!もうすっかりです!やっぱ、先生のおかげっすよ!ありがとうございました!」
「い、いえ・・・で、雷塔君はどうして此処に・・?」
「あ、唯来ただけです。」
「そう・・・まぁ、紅日君の調子が良くなったんだったら良いわ。このまま意識が戻らなかったら救急車を呼ぶところだったのよ。」
「すみません・・・」
「まぁ、良かった。それじゃぁ、教室に戻りなさい。昼御飯、食べてないでしょ?」
「は、はい!」
保健室を出て行こうとした光に向かって、教員が言った。
「それから、雷塔君、紅日君を頼むわね。」
「あ、はい・・・」
光は教員の思わぬ言葉に返事をし、保健室を後にした。勿論、背後にはラーの姿もあった。



数人居る教室。
弁当に食いつく灼。相当、腹が減っていたのだろう、すぐに弁当箱は空になった。
「ごっそさん。」
「もう、食べたのかよ。」
そう言う光はタコさんウィンナーを箸で掴んでいた。
「まぁな、早いだろ。」
「別に競争なんかしてねぇーけど・・・」
そうこうして弁当箱を収め終わった灼を見て、ラーが口を開く。
“あの・・・一緒に来てくれるんですか・・?”
灼は少女の言葉を聞き、彼女に視線を向けた。
三呼吸後。
「・・・行ってやるよ。その世界に。」
「はっ!?」
灼の思いがけない台詞にお茶を飲んでいた光は咳き込んだ。ラーは喜びに羽をばたつかせた。
“本当ですか!勇者様!”
「あぁ。」
「本気で言ってるのか?灼!」
「勿論。」
灼は簡単に返事をする。そんな彼を見て、光は呆れた表情をした。
「まぁ、お前が考える事とすれば、‘異世界に行ってると宿題とかしなくて良いじゃん!’だろ?」
光の言葉に灼は顔を引き攣らせた。そんな親友を見て、光は言う。
「そう言う事だろうと思ったよ。」
「光・・・(コイツ・・・!)」
「でも、俺等が居ない間、この世界はどんな風に進むんだ?」
光はラーに尋ねた。
“きっと、私達の世界で朝を迎えた場合は、この世界は1時間進んだ事になるんじゃないでしょうか?”
「は?」
と灼。
「よく分かんねぇーよ。もっとよく分かる様に説明しろよ。」
「例えばな、もし今、13時15分に俺等が異世界に行きます。そして、あっちの世界が夜になりました。寝ます。朝になります。俺等の世界に帰ります。そしたら、時間は14時15分になっています。」
光は呆れた口調で灼に言った。
「へぇ~・・・凄いな。」
“今から行きますか?”
「いやいやいやいやいやいやいやっ!未だ、心の準備っつーもんが出来てねぇーよ!放課後だ、放課後!」
“ホウカゴ・・ですか?”
「あぁ。俺等の学校が終わった後だ。」
灼の言葉にラーは少し考えて、「分かりました。」と返事をした。
「おっし決まりっ!」
白い少女に向かって言う灼を遠くから見つめ、冷愛は不審な顔をするのであった。



「明日はいつも通りだから、気をつけて帰れよ。最近、冬に近付いたせいか、暗くなるのが早いからな。」
灼のクラスの担任はそう言った。

ホームルームが終了し、各々生徒が散って行く。そんな中、灼と光は生徒達が去って行くのを唯ひたすら待っていた。教室を出て行く際に「じゃぁーな」と声を掛けて来る友達に返事をし、唯ひたすら待った。
しかし、一向に異世界へ行く段取りが進まない。
その理由は唯一つ————————あの女が一人居るからだ。
彼女は自分の席に座って本を読んでいた。動く気配が無い。
「氷山冷愛・・・・」
灼は恨みを込めた小声で呟いた。
「どうして居んだよ・・・・お前、追っ払ってくんない?」
「嫌だよ。お前、知ってるだろ。俺はお前以外の連中とは話さない。」
と光。
「ちっ、俺だってアイツと話したくねぇーよ。死んでもお断りだな。」
「俺はそうには見えねぇーけどな。仲良さそうだし・・・」
「はっ!?」
「誰が仲良さそうだって?」
突然、冷愛が本を閉じて立ち上がり、灼達の方を向いた。淡い水色の髪がふわりと揺らめく。
「ンな事言ってねぇーよ!てか、さっさと帰れよ!」
「アンタ等こそ帰りなさいよ!・・・・何?アンタ等、もしかして、その少女と何か変な事でもするワケ?」
「はっ!?馬鹿じゃねぇーの!?するわけねぇーじゃん!てか、変な事って何だよ!」
灼が怒鳴り散らす。

その数秒後、沈黙。

時が止まった。

———————その少女・・・?

灼は横に立っているラーを見た。ラーは灼を見上げると首を傾げた。

再び、沈黙が教室に残る三人と天使を包んだ。



続く…
 

スポンサーサイト

2014-10-19 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

Pagetop
« next  ホーム  prev »

プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

アクセスカウンター

本棚

【異世界のイストワールⅠ】
プロローグ
1章2章3章4章5章
6章7章8章9章

~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

---------------------------------
【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


★*:;;;;;:*★*:;;;;;:*★*:;;;;;:*★
ウィンドウは新規で開きます。

月別アーカイブ

12  11  03  02  01  12  11  10  10  01 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。