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異世界のイストワール  第1章~青年達と迷い天使~  その2

 
~前回のあらすじ~
ニュースで見た巨大な氷を登校中に見た灼は、その現場で天使ラーと名乗る少女と出会った。その後、少女に「勇者発見」と言われ、女神を救ってくれと依頼される。

以下はその続きです。
 

 
*2学年で一番の成績を誇る雷塔光の席は一番後ろの中央だった。彼は1時間目の古典の授業を受けながら、(しかし、下を向いている)別の事を考えていた。
———————灼・・・何で朝っぱらから保健室に運ばれるんだよ・・・。
そう、同じクラスの灼の悲鳴が学校中に響き渡り、その後、彼は保健室へと運ばれた。
———————てか、何で気絶?
それも気絶していたらしい。
光は溜息をついて、黒板を見た。その時、光は驚愕した。よくある、幽霊や宇宙人映像を見せられた時にぞっとするあの感覚が光を襲った。
———————な、何だ・・・あれは!!
光は我が目を何度も擦った。そして、黒板を見る。
———————居るよ。何か・・・。
確かに居た。古典教師の傍らに居た。白くて小さな少女——————純白の羽を生やした。
その少女は古典教師を眺めたり、黒板の堀に置かれたチョークを触ったりしていた。初めて見る少女だった。光はそんな少女の動きを眼で追った。気になって仕方が無いのだ。
———————あれ・・・幽霊・・だよな・・?いや・・・羽がある・・・。
羽を動かし、自由に飛んだりしている。何とも不思議な少女だ。
そんな不思議な少女に目を奪われていたせいで、光には教師の呼びかけが全く聞こえなかった。
「雷塔君!聞いてる?」
と古典教師。
「は、はい!!」
光は我に返って古典教師を見た。その瞬間、少女も光を見た。二人の目が合う。
「雷塔君、貴方ちょっと大丈夫?さっきから何度呼び掛けても返事もしないで・・・」
「す、すみません・・・」
教師は心配そうに光を見つめ、数秒して口を開いた。
「まぁ、それにしても・・雷塔君がこんなんになるなんてとても珍しい事だわ。何かあったの?」
「い、いいえ!何でも無いです。すみませんでした。」
光は古典教師に向かって頭を下げた。
「良いわよ。じゃぁ、雷塔君、この作者の心情を答えてくれるかしら?」
「はい。」
光は返事をして、古典教師の望みを叶えた。

★ 

4時間目終了のチャイムが鳴った。灼は保健室のベットから起き上がると、頭を振った。
そして、周囲を見回した。朝、出会った少女は居ない。
——————やっぱ、あれは夢だったのか・・・良かった。てか、何で俺・・・保健室に居るんだ?何があったんだ?
そう思った時。
“気絶したんですよ。”
と聞き覚えのある声が聞こえた。
灼は驚き、肩がびくっと動いた。
「だ、誰だよ!俺に話し掛けた奴!」
灼は言い捨て、隣のベットのカーテンを開けた。しかし、そこには誰も居なかった。
「!」
誰も居ないのに声がする。これはやはり———————。
「出たァァァァァァァァァァァァっ!!!先生!出たよ!!」
灼は叫ぶと、上履きを履かずにベットから逃げ出した。保健室の先生のところへ逃げようとしたのだが、残念な事に保健室には誰一人として居なかった。
「何で誰も居ないんだよっ!!」
灼は悔しさで地面を蹴った。
「痛ぇっ!」
それもそうだ。上履きを履いていないのだから。
そんな青年の方へ、天使ラーがゆっくりと浮遊して来る。
“大丈夫ですか?勇者様。”
「大丈夫なワケねぇーだろっ!てか、勇者ってな、俺そんなんじゃねぇーからっ!」
“いいえ、そんなんなんですっ!貴方は私の姿を見る事が出来た時点で勇者様なんです!”
「ンなワケねぇーだろ!」
その時———————。
「灼っ!」
光が保健室へ駆け込んで来た。
「光っ!」
走って来たのだろう、光は荒い息遣いをしながら灼の許へ歩み寄って来た。そして——————。
「あっ!1時間目の幽霊っ!」
光が叫んだ。
“幽霊なんかじゃありませんってっ!”
とラー。
「お前にも見えるのか!?この幽霊!」
「あ、あぁ・・・・てか、灼・・・気絶したって・・・」
「らしいな。俺もよく分かんねぇ。・・・もしかして、心配して来てくれたのか?」
目を輝かせて言う灼を一瞥して、光は冷たい目を向け、「いいや。」と答えた。
「俺、変な物が見えるんだって言おうとしてさ・・・」
「ちっ、何だよ。それが大親友の言葉かよ。」
“やっぱり見えてたんですね。”
ラーが頷きながら言う。そんな彼女を見て、灼が問う。
「つーことは、光もその勇者がどーのこーのってやつなのか?」
“そうです!異世界を救う人間の一人です!”
「何・・・それ?」
光が目を半眼にして冷たい口調で言った。
「何かさ、この幽霊・・いや、天使が俺の事を‘勇者’だって言うんだよ。そんで、異世界を救えなんか言うんだよ。・・・そんなん、急に言われたって知ったこちゃねぇーし、異世界なんかありっこねぇーよな?あったら笑えるぜ。な?光・・・」
灼が光に笑い掛けた瞬間———————。
“笑い事じゃありませんっ!”
天使ラーが怒鳴った。
体全体を包んでいた清らかな輝きが、一瞬にして真っ赤に輝いた。そんな彼女を見た二人は驚愕させられた。黙った二人を少し見て、ラーは輝きを戻した。
“・・・笑い事なんかじゃありません。・・・笑い事なんかじゃ・・・”
泣き出しそうな声でラーが言い出したのを耳にして、灼は慌てた。
「お、おい!ちょ、あ・・・・・ごめん!マジごめん!」
「はぁ・・・」
光は盛大な溜息をついた。
「光も何とかしろよ!」
「あ?・・・俺は関係無い。馬鹿にして笑ったのはお前だろ?」
「っ!」
“クスッ・・・”
———————え?もしかして・・・泣いてんの?マジ?
「・・あ・・・ちょ、泣くの止めようぜ?な?な?話ちゃんと聞くから・・・」
灼の言葉にラーは涙を手の甲で拭い、頷いた。彼女が涙を拭い終わるのを待って、灼が問い掛けた。
「・・で、笑い事なんかじゃないって・・・一体その・・異世界で何があったんだ?」
数分後———————。
“人間達が暮らす世界を、私達、天使が仕える女神様は見守っていました。その平和は長く続いていました。しかし・・・”
「しかし?」
“しかし、ある時・・・滅界と呼ばれる魔族達が暮らす世界から滅神王と言う魔王が神の国に突然現れました———————”

★ ★ ★ ★ ★

「ラー・・・勇者を捜して旅にお行きなさい。」
「勇者・・でございますか?」
ラーは呆気にとられて女神に聞き返した。
「はい。しかし、この世界の勇者ではありません。」
「?」
「この世界より別世界にこの世界を救う程の力を持った人間が居ます。その人間を捜しなさい。そして、ここへ連れて来て下さい。」
神の神殿内がざわめき始めた。
「しかし、女神様!もし、その世界に行けたとしても私達、天使の姿が見えなければ・・・」
「見えます。勇者となる者には私達の姿が見えます。だから、お行きなさい。滅神王が来る前に。」
女神が言った———————その時だった。
「呼んだかしら?」
男の声が背後から神の神殿内へ響いた。
神殿内に居合わせていた全員の表情が凍る。そして、天使達は一斉に振り返り女神を護るかの様に天使の弓を構える。
現れたのは薄紫色の肌をした背の高い男———————紳士服を纏い、白髪の髪を赤いリボンで結い、赤い目をした——————と、白衣を纏った青黒い髪をした小さな神官だった。
「滅神王・・・!」
天使達が低い声で悪名高い男の名前を呼んだ。
「そうよ。お久しぶりね、女神ちゃん。」
「滅神王・・・一体何の用ですか?貴方が此処へ来るなんて珍しいですわ。」
「そうでしょ。相変わらず美しい場所ねぇ。お手入れが行き届いて素晴らしい。」
「おい、それを言う為に此処へ来たんじゃねぇーだろ?」
神官は呆れた表情をして王へ言った。
魔王は微笑むと「そうだった」と思い出した様に手を合わせた。
「あのねぇ、女神ちゃん。この世界全体を頂けるかしら?」
と魔王。
「何を馬鹿げた事をっ!!」
天使の一人が食って掛かる勢いで怒鳴ったが、女神がそれを制した。
「全てを貴方に明け渡せ・・・と?」
「そう言う事になるわね。」
「この世界が手に入ったら貴方は何をする心算なんですか?」
「それは勿論・・・全てを魔界に創り変えるの。素晴らしいでしょ?」
女神は滅神王の言葉を聞くなり、玉座から立ち上がった。
「申し訳ありませんが、その申し出は受け入れられませんわ。」
「あら?どうして?それだと困るんだけど?」
「・・・貴方は貴方の世界・・・つまり、滅界があるでしょう?それと同様に人間には人間の世界があります。私達は私達で世界があります。全てにおいて平等でないとなりません。誰かが誰かのモノを奪ってはならないのです。」
滅神王は女神の言葉をきょとんとした表情で聞きながら、傍らに立つ神官に言った。
「やっぱり、カルトス君が言ったみたいに、邪魔するわね。」
「だろ?俺の予想は当たってんだよ。つーか、いつもの事。序でに、俺の名前はカルコス。カルトスじゃねぇーっての!いい加減覚えろよ。何千万年一緒に居ると思ってんだよ!」
カルコスと名乗った神官は小声で怒鳴った。しかし、王は聞いていない。
「交渉は無駄らしいわねぇ・・・だったら、仕方ないけど・・・消えて。」
滅神王は片手を女神達に向かって翳すと、暗黒の霧を放出させた。
その霧のせいで、神の国が石化し始める。天使達がそれを阻止すべく滅神王へ牙を向けて駆けて行く。しかし、その刃が滅神王に届くはずも無い。王へ向かう虫は全て大悪魔神官カルコスが取り去るのだから。
魔王の暗黒の霧を打ち消すべく、女神が神の息吹を吹きかける。
そんな中、天使ラーは何も出来なかった。唯、石化したり消されていく仲間の天使達を目に焼き尽くすだけだった。
———————私は・・・何も・・・。
その時、頭の中に女神の声が聞こえた。
‘聞こえますか?ラー・・・’
一瞬驚いたラーであったが、現状を把握し、敢えて彼女も口には出さずに脳内で返事をする。
‘は、はい!女神様!’
‘天使ラー、滅神王が此処へ来たとなると、もはや急ぐしかありません。私が隙を突いて勇者が居る世界へ貴女を飛ばします。ですから・・・どうか、勇者を見つけ出し、この世界を救って下さい。’
‘女神様!’
‘貴女とその勇者一行の幸運を祈っています。’
女神の声が途切れたと同時に、女神がラーに向かって手を翳した。その瞬間、ラーは今までに無い神々しい輝きに包まれ、神の国から消えた。
消える直後に見えたのは石化する女神の姿であった。


…続く
 

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2014-10-18 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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【異世界のイストワールⅠ】
プロローグ
1章2章3章4章5章
6章7章8章9章

~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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