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異世界のイストワール  最終章~未来を担う者達~

※字抜けとか字間違いとかしているかもしれませんが、許して下さい。


最終章~未来を担う者達~



*異世界から勇者が現れ、滅神王エウリアを封印してから、それなりの時が過ぎていた。
女神メリティスが実体を全て魔力へと注ぎ込み、魔族と滅神王エウリアとの戦いにおいて命を喪った世界と者へ生命力を与えた。
それにより、世界は元の姿を取り戻した。
破壊された町や城は生き返り、人々は再び幸せな毎日へと戻っていった。
魔界とて同じである。
女神の力にて彼等の世界も又、復活していた。

「ローレライ、お前、又寝ずに何か部屋でやってただろ?」
いつもの少年の声がする滅神王の間。
魔王長男は玉座に座り、微笑むばかり。
「あァ~・・・うん。ちょっと・・ね。」
「ちょっとねじゃねぇーよ!睡眠はちゃんと取れよ。じゃねぇーと・・・・その・・・」
照れくさそうに口ごもる部下に魔王は微笑みを向けた後、玉座から立ち上がり、暗雲が消え、太陽が除く魔界を窓から眺めた。
太陽の光が心地良い。
「ねぇ、カルトス君・・・・どうして私の考えにのってくれたの?・・・人間と魔物達が共存した世界を創ろうって私の考えに・・・・」
振り返らず語り掛けてくる魔王に大悪魔神官はすっと息を吐くと小声で呟いた。
「そ、そりゃァ・・・・人間達もそんなに・・・悪くは無いって・・思ったからだよ・・・」
「え?」
笑顔のまま振り返ったローレライにカルコスは慌ててそっぽを向いて叫ぶ。
「な、何でも無ぇーよ!つーか、理由なんて無ぇっての!」
そして、腕時計を見、主にこれからの予定を叩き込む。
「おい、もう会議の時間だぞ。」
「はい、はい♪」
ローレライは微笑み、短気な部下の後に続く。





ヘンリはやはり嫌いなパソコンと自室で対峙していた。世界が平和になったと言うがこの次男魔王の絶望的な機械音痴は直らなかった。
悩み顔で画面へと視線を向け、温かいブラックコーヒーを飲む。
そんな主の横には無表情な白衣の少女が居た。
「相変わらず、絶望的な機械音痴ですね。ヘンリ様。」
「っ!」
びくっとする様な事を言われ、ヘンリは眼鏡を押し上げ言う。
「いいや、俺が機械音痴なのではないのだ。この機械が生物音痴なのだよ。勘違いするな、リンネル。」
当の彼女はくすりとだけ一瞬笑う。それをヘンリは見逃しはしなかった。
「リン、今笑ったな?」
「いいえ、笑っていません。」
「いいや、確かに笑ったぞ。俺の目は決して誤魔化す事などできないのだ・・・・・・・と言うか、俺は未だお前の事を許しては無いのだよ。」
ヘンリは目を閉じた。
「お前が俺の命令に背き、勝手に命を人間の為に投げ出したと言う事をな。」
我が主の言葉に少女は無表情で返した。
「その事は誠に申し訳無いと思っている次第です。」
「俺は絶対に許さないぞ。」
「申し訳御座いませんでした。」
「どれだけ俺を悲しみに暮れさせれば気が済むのだ・・・・」
次男は盛大な溜息をつき、続ける。
「まァ・・・・・・その・・・なんだ・・・・・お、お前が永遠と俺の傍に居ればこれまでの失態を許してやっても良い。」
魔王の言葉に少女は見つめ、
「承知致しました。ヘンリ様の許しを請う為、このリンネル、永遠と貴方様のお傍に居ましょう。」
と敬礼をする。
そして、彼女は部屋から出て行こうと扉を開けた。
ヘンリはそんな部下を眺め、言い放った。
「これからも当てにしている。」
背後から声を掛けられ、リンネルは一瞬立ち止まり、「失礼します。」と言う言葉を返し、静かに出て行った。



☆ ☆



あれから約9年が過ぎた。
女神との約束通り、魔王達は人間と共存する事を決意した。
それにより、最初は慣れず、ぎこちなかったが次第に人間と魔物達は仲良くなっていった。
今では共に町や村を創り、一緒に暮らしている。
これこそが誰もが望んだ平和な世界だった。



城の庭。
そこでは鉄と鉄とが交わる激しい音が飛び交っていた。
母親譲りの綺麗な金髪と緑色の目を太陽に輝かせた少年は顔立ちの良い黒髪の男と一戦交えていた。
聖騎士の鎧を纏った黒髪の男は手にした槍を少年へと突き出した。その槍を少年は盾で弾き返し、男がよろめいたところへ剣を叩き入れた。男はそれをさっと回避し、少年の足元へ槍を滑らせる。足下を見ていなかった少年はすっ転び、庭の芝生の上に尻餅をつく。
「イテテテ・・・・」
転んだ金髪の少年に男は軽い笑い声をかける。
「アハハハハ、相変わらず自分の足元は見ていないんだね。」
「父さん、足払いなんて卑怯だよ。」
少年は頬を膨らませ立ち上がった。
そんな息子に父親は笑う。
「そんなに顔をぶすっとしない!母さんに怒られるよ。」
「だって・・・・」
と悔しそうに呟く。
「ほら、続きをするよ。」
促す父親に少年はすっと溜息をはき、剣を握る。
その刹那——————。
雄叫びと共に頭上から緑色の髪をした男が斧を翳して襲い掛かって来た。
少年ははっとなり寸前のところで男の攻撃を回避する。
「ゼ、ゼノさん!!あ、危ないじゃないですか!!」
突如攻撃を繰り出してきた男を驚愕の目で見つめる少年に“ゼノ”と呼ばれた男は笑う。
「いや、カーツに不意打ちを仕掛けてくれって言われててね・・・」
“カーツ”と言う名前に少年は自身の黒髪の父親を睨んだ。
「父さん!!」
当の彼は少し慌てて言葉を発する。
「こ、これはカイン、お前の事を思って・・・」
少し怒りの表情を浮かべた少年カインに淡い緑色の輝きが纏わりつく。
「っ!」
体が頑丈になったような感じがして、カインを含め、カーツとゼノは背後を見やった。
そこにはガムラン王国の紋章が入った外套と白いローブを纏った男が立っていた。
「エイク様っ!」
とカーツとゼノ。
エイクは悪戯な目をし、皆に言う。
「カインの援護を僕がすれば、2対2で丁度良いんじゃないかな?」
「エイクさんっ!」
カインは嬉しそうに飛び跳ねた。そして、フフンと鼻を鳴らした。
「2体2じゃないよ。俺には母さんが居る。」
「なっ!」
騎士二人は驚く。
少年の言葉に応じて鎧の音がした。その音は次第に近付き、声を発した。
「そうだな。私はカインの方につくとしよう。やはり、我が子は可愛いからな。」
「母さん!」
カインは金髪の母親に抱きついた。
長く綺麗な金髪と黄緑色の瞳と薔薇の様な唇。
「参ったな・・・ペインと一戦交えるなんて・・・」
とカーツは苦笑する。
しかし、ペインは剣を構えるとぶっきら棒に言い放った。
「カーツ、私がお前の妻だからと言って手加減は無用だ。ゼノも遠慮するな。」
「そう言われましても・・・」
ゼノもカーツと同様に顔を引き攣る。
中々掛かって来ない男どもに業を煮やしたのかペインは息子のカインと弟のエイクに指示を飛ばした。
「行くぞ!」
その声にカインは雄叫びを上げ、駆け抜けて行った。



☆ ☆



蘇芳色の長い髪を風に靡かせた女性が墓に花を添えていた。そんな女性の横には黒紫色の髪と藍色の目を煌かせた男の子が居る。少年も又墓に花を添えていた。
「おじいちゃん、ちゃんと自分の事見てくれるんかな?」
と少年。
そんな子に女性は微笑む。
「あァ。きっと見ていてくれるわいね。」
女の言葉に少年は太陽の様な笑みを浮かべ、大きく頷いた。
「お母さんが言うんだったらそうじゃね。」
親子が微笑んだ刹那。
「ヴェロニカ、やっぱり此処に居たのか。捜したよ。」
と心地良い男の声が背後から掛けられた。
女が振り向く前に少年は振り向き、男の方へ元気良く駆けて行った。
「お父さんっ!」
自分と同じ黒紫色の髪をした少年を男は撫で、微笑んだ。
ヴェロニカと呼ばれた女は夫の前に歩み寄り、淡い微笑浮かべた。
そんな妻に寄り添い、男は声を発する。
「今日の晩御飯、俺も手伝うよ。」
夫にそう言われヴェロニカは微笑む。
「ありがとう、サリエル。」
そんな妻の頬をサリエルと呼ばれた男は優しく撫でる。
「フフ・・・」
笑い合う二人を見、少年は顔を真っ赤にする。
「お母さん、お父さん・・・・・」
二人ははっとなり息子を見る。
「ごめん、ゾネ。」
「イチャつくのは子供の居ないところでしろってギルティさんが言ってたよ。」
ゾネと呼ばれた少年はむすっとしたが次第に太陽の様な笑みを浮かべた。
「でも、良いや。お母さんとお父さんが仲が良いこんな温かい家族、俺は好きだから。」
少年は言うと、家の方へ駆けて行く。
「ギルティさんやラヅさんに剣術習ってくるよ。」
「良いけど、晩御飯には間に合う様にするんよ。」
とヴェロニカ。
「はーい!!」
そんな息子を二人は笑顔で眺めて見送った。



☆ ☆



鋭い双眸と深緑色の髪、そして、素晴らしい剣術とツンとした性格。
これは父親譲りだ。
一方、エメラルドの様に綺麗な目、そして、純白の魔力を掴むことが出来るのは母親譲りだ。
そんな少年は森の中に居た。神経を研ぎ澄まし、上下左右から牙を向けて来る輩の気配を察知する。
と——————。
何か音がした。
即座に少年の双眸の鋭さが増す。
——————右か、左か・・・それとも・・・上か。
鎧や盾などは装備していない。
そんな重いものなど装備して戦場に身を置くなど出来ない。
父親の自警団の服と専用に作ってもらった刀だけで十分だ。
少年はかっと目を見開いた。
——————左だっ!
案の定、左から鋭い爪が飛び出してきた。それを素早く回避すると少年は反撃に出る。
反撃に出る、と言っても刀の切っ先を相手に向けるだけで終わる。
刀が目の数センチ前に来ている事を体を震わせて凝視し、牙を向けて来た輩は上ずった声を上げる。
「あ、あ、相変わらず、デ、デ、デインは強いねっ・・・・!」
「そうでもねぇーよ。単にお前が遅いだけだ。」
とデインと呼ばれた少年は吐き捨てる様に言うと、刀を収めた。
上ずった輩は安堵の息を吐く。
彼に牙を向けたのは小さな角を生やした小柄な黒い魔物だった。
その魔物とデインは友達だった。
人間と魔物達が仲良く暮らす様になってからと言うもの、ニルバーナにも多くの魔物達が観光で集まってきた。その際になったらしい。
「僕もデインみたいに強くなれるかな?」
可愛い目を煌かせ魔物はデインに問い掛けた。
「それで、いつかはニルバーナの自警団に入れるかな?」
「さァーな。」
とデイン。
そんな少年に魔物は羨ましげに見る。
「デインは良いよね、ヒルダさんと言う自警団副隊長のお父さんが居るから。僕には・・・」
言いながら悲しそうな表情をする魔物にデインは肩を竦めて言い放つ。
「何言ってんだよ。母さんが言ってたぜ。“プックルも家族だよ”ってな。」
「ミーシアさん・・・が?」
「あァ。」
プックルと呼ばれた魔物は潤った目をして大きく頷いた。
「そうだよね。もう、魔物も人間も差別は無いんだよね!」
「まァーな。」
喜んで飛び跳ねる小さな魔物を眺め、デインは綺麗な青空を仰いだ。
とそこへ、影が飛び出してきた。
即座に影の気配を感じ取ったデインは影の攻撃を回避し、刀を向けた。
そして、父親とそっくりな鋭い双眸を突き刺す。
「少し遅かったな、デイン。」
「父さんも、俺に対して手加減し過ぎじゃねぇーの?」
深緑色の髪と自警団用の制服を着た男が鼻で笑う。
「何なら本気でやってやろうか?」
「そうこなくっちゃなっ!」
身構え合う親子をたじたじと見ながらプックルは慌てて言う。
「や、止めなよ・・・危ないよ・・・・」
しかし、二人は聞いていない。
と——————。
「そうよ。プックルも言ってるでしょう?」
綺麗な女の声が背後からした。
茶色の長い髪と美しいエメラルドの瞳をした女だった。
「母さん・・・」
「ミーシアさんっ!」
とプックル。
当の彼女は腰に両手を当てて、頬を膨らませている。
「ヒルダもデインに対してちょっと自棄になり過ぎよ。」
「す、すまん・・・」
ヒルダは刀を収め、きまり悪そうに妻に返した。
「今日、この森に来たのは他でも無い、ピクニックの為でしょう?」
「あぁ・・・」
「だから、のんびりしましょう。ね?」
愛する女性に微笑みかけられ、ヒルダは肩を竦めた。



☆ ☆



綺麗な飲み水が流れている神聖な森の中に栗色の髪をした青年が一人、歩いていた。
小鳥達の囀りを背に歩く。
彼は振り返る。
何かを惜しむ様に——————。
旅人の服を纏い、肩には陣羽織を羽織っている。
陣羽織が風に揺られる。
——————素直に祝福できなくてすまねぇ・・・。
と、そんな事を思い、ふっと息を吐く。
そして、青年は陣羽織を翻して再び歩いて行く。
静かな森の中を唯、独りで———————。




☆ ☆ ☆



赤い髪の男はスーツを着、靴を履く。
そして、一言。
「行って来る。」
そんな男に淡い水色の髪をした女は3歳の男の子を抱き、笑顔で見送る。
「行ってらっしゃい。」
「父さん、行ってらっしゃい!」
元気良く言うのは女の横に立っている5歳くらいの男の子だった。
少年は濃い紫色の髪をし、笑っている。
そんな息子に父親である男は歯を見せて笑う。
「あぁ。冷煉(ひれん)、母さんと熱寒(ねっか)を頼んだぜ。」
「うん!」
長男は大きく頷いた。
父親は玄関の扉を開け放ち、太陽が笑う外へと出る。

男は歩きながら空を仰ぎ、ふと思う。
———————あの世界もきっと・・・こんな太陽が在るんだろうな・・・・。

仰いでいる空はどこまでも青く、綺麗だった。




☆ ★ ☆ ★



それから長い時が過ぎて、あの激しくも悲しい魔王との戦いの傷痕は完全に消え去り、人間と魔物が争いをせずに暮らす毎日が訪れた。
誰もが望んでいた世界だった。
それを築いた青年達の事は夢物語の様に語られ、世界中に知れ渡った。
そして、悲しき最期を迎えた魔王の事も————————。
再び訪れた平和に女神や天使達は長き眠りについた。

もう、闇が世界を覆う事が無いと言う事を示すかの様に。





<異世界のイストワールⅠ>終わり。
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2015-03-24 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 2 :
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連載お疲れ様~☆
完結おめでとうございますぅ~☆
先生の次回作、期待してますね!
てか、第二部期待してます!!!!!!
がんばれ、がんばれ~!
2015-04-07 16:12 : キルラー URL : 編集
Re: 連載お疲れ様~☆
> 完結おめでとうございますぅ~☆
> 先生の次回作、期待してますね!
> てか、第二部期待してます!!!!!!
> がんばれ、がんばれ~!
2015-11-15 21:13 : 十二仙 百露 URL : 編集
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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【異世界のイストワールⅠ】
プロローグ
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6章7章8章9章

~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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