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異世界のイストワール  第14章~ザ・ファイナル・ショーダウン  その2

※字抜けとか字間違いとかしているかもしれませんが、許して下さい。


~前回のあらすじ~
本格的にサリエルを仲間に入れたシャク達は滅神王城を目指す。しかし、そんな彼等を襲ったのは漆黒の魔法陣。その魔法陣に絡め捕られた彼等は瞬時に魔王の根城へと導かれたのであった。そして、立ち上がるシャク達にエウリアは死なずに最上階まで上って来いと促す。


以下は続きです。


*滅神王城5F。
疣に覆われた柔らかな皮膚は緑色で、つるりとした腹は白。横に膨れた滑稽な顔の一部は鯰の髭の様に伸びている。蝦蟇と鯰を掛け合わせた様な姿のその魔物は真紅の布を外套の様に纏い、巻貝を象った杖を手にしていた。
「我が主、滅神王エウリア様のおはす最上階へはそう易々と行かせぬわっ!!」
その魔物は奇声を上げ髭でシャクを薙ぎ払ってくる。
「いいや、行かせてもらうぜっ!」
勇者は叫ぶなりペルセウスの剣を煌かせて突っ込んだ。その横を疾風の如くレイアが四天の棍を構え駆け抜ける。四天の棍は狙い過たず締まりの無い身体を叩く。
「そんな棒なんぞじゃ利かぬわっ!」
大声が分厚い肉を揺らし、レイアごとその棍を弾き返す。悲鳴をと共に吹っ飛ばされた彼女が体勢を立て直すよりも早く、魔物は頬を風船の様に膨らませ、毒々しい霧を勢い良く吐き出してきた。
「うっ!」
込み上げてきた猛烈な苦痛にレイアは思わず四天の棍を落とし、真っ青な顔で声を上げる。霧は致命の威力を有した毒気だったのだ。猛毒に侵された武闘家を救う為、ミーシアは慌ててあらゆる状態変化を消し去るキュアルの魔法に意識を集中させる。
一方、シャクは猛毒の霧を神鏡の盾で振り払い、勢いかかって剣を突き出した。しかし、刃は滑りを帯びた皮膚の上を滑るばかりで魔物には一切傷をつけることができない。
「いやァ~触りたくねぇー魔物だなっ!」
そんな様子を嫌そうに見つめつつ、ギルティは村雨を振るう。
「なんて、ふざけた事言ってる場合じゃねぇーんだけどなっ!」
青い青年が斬りつけた後にヴェロニカが飛び掛ってきた。
ごうっと音を立てて彼女の聖焔の剣が聖なる炎に包まれた。この剣を装備したおかげで可能になった火炎斬りが強化された灼熱斬りだ。
燃え盛る刃は粘性の皮膚を焼き去り、そのまま焦がして斬り裂いていく。そこへ、ヒルダとサリエル、ペインが一閃、オルバが皇帝の鞭を強かに打つ据えたと同時に上空からカーツのホーリースピアが魔物を貫く。
ヴェロニカの一撃の後、人間どもの一斉の攻撃を浴び負った傷に、少し怯んだ様子を見せた魔物が喉を立てて叫んだ。
その咆哮と共に妖しい霧が生じる。その霧の中から水を滴らせ、銛と苔の生えた盾を手にし、骨板で覆われた体に更に鎧を装備した魔物が大勢這い出て来た。竜の落とし子が腕を有した様な姿の魔物達だ。しかし、シャク達人間達の背丈は遥かに越えている。
「ちっ、粘性の魔物でもアズッテル(梃子摺っている)ってのに!仲間呼びすんなよな!」
ヴェロニカが吐き捨てる様に言い放った。
シャク達は忽ち現れた魔物達によって取り囲まれた。
しかし———————。
「“雷劇の序曲”・・・なんてのはどうですか?」
療光の竪琴の上をディの指が走り、周囲に電撃が駆け巡る。
ディの攻撃の後、ヒカルが目を閃かせた。
「フルミーガっ!」
賢者の声が響き渡る。
途端に空気が眩く放電し、激しい火花が舞い散る。
高位雷属性が発動したのだ。
乱舞する稲光に撃たれ、現れた魔物達が苦悶の声を上げ、怯む。そこへ、目標を眼前の敵に替えたシャク、レイア、ヒルダ、オルバ、ヴェロニカ、サリエル、ペイン、カーツ、スピオが一斉に斬り掛かる。
シャクの会心必中は魔物に深い傷を負わせ、ヒカルのフルミーガに合わせてレイアの電撃の舞は鮮やかに魔物を叩く。魔人の如く斬り掛かったヒルダの渾身の一撃は魔物を一刀両断し、オルバが放ったエンペラーウィップは痛恨の一撃を繰り出した。その後も炎を纏ったヴェロニカの灼熱斬り、素早く斬り裂くサリエルの隼駆け、氷結を促すペインの氷河斬り、カーツのジャンプ攻撃、ディの曲の効果で雷を帯びたスピオのサンダーボルト。
仲間が攻撃し、魔物に瀕死のダメージを負わせたのを確認すると、ギルティは懐から無双の扇を取り出し広げると、勢い良く振った。
「女誑しと賢者のおかげで俺の竜巻ちゃんの威力もパワーアップだぜっ!!」
忽ち辺りから猛烈な風が吹き荒れ、鋭く尖った刃と駆け抜ける電光が敵を引き裂いていく。
よろめいた魔物達へ、今度は素早く棍を収めたレイアが、その手刀を撃ち振るう。すると、その動きに伴って生み出された空気が死を促す程の冷気を帯びた。その強烈な風が上下左右に吹き荒れ魔物達を飲み込み、次々と凍らせた。
凍傷波と呼ばれる武闘家になって覚えた技だ。
シャク達の攻撃によって呼び出された魔物どもは体を傾がせ、倒れて逝った。仲間を呼んだ鯰の様な魔物の大将らしき輩が動く。
「何をしている!!立ち上がらんか!!」
手下を出し、シャク達の攻撃を防いでいた大将は巻貝を象った杖を振り上げた。その途端、巻貝の杖から金色の光が溢れ出し、倒れた魔物どもに降り注いだ。
シャク達は目を剥いた。
死を待つだけであったはずの魔物達の体が見る間に完治し、息を吹き返した。
まるで時間が戻ったかの様な感覚に落ちる。
シャクは唇を噛んだ。複数の魔物が各々に連携を取ってくることは珍しくは無いが、蘇生魔法リーサスと高位回復魔法ヒールガを同時に使用してくるとは思わなかった。手下達を幾ら倒しても復活させられる様であるならば、先ずはあの鯰野郎に攻撃を集中させるべきなのだろうが、何せ呼び出した魔物の数が多過ぎて、奴に攻撃の手を回せない。
又もや、周囲を魔物に囲まれる。
「これじゃァ、キリが無ぇーぜ・・・・」
ヒルダが苛立った様に言う。
「力押しであの鯰に斬り掛かっても無駄だろうな・・・・」
とペイン。
皆が思案していた矢先。
蝦蟇と鯰を掛けた魔物が頬を膨らませた。
又、猛毒の霧が来るのかと、突っ込みかけたギルティが蹈鞴を踏んだところへ、今度は氷の息が吐き出された。追い討ちをかける様に生き返った手下達も一斉に冷たい息を吹きつけてきた。威力は異なるが、共に冷気の力を持った息吹が瞬く間にシャク達の熱気を奪っていった。
お返しとばかりにヒカルが高位炎属性フォーラルガを詠唱。
凍り付いていた空気が一気に溶け出して、周囲を蒸気で包んだ。そこへ重なる様に、手下の3、4体が真っ赤な焼け付く様な息を吐き出してきた。
魔力と魔獣の力が吹き荒れた戦場を覆った最後の息吹は凄まじい熱気こそほんの一瞬のものでしかなかったのだが、過剰に反応した神経が一種の麻痺状態を引き起こすものだった。
「なっ!」
息吹などお構い無しに突っ切って、魔物を攻撃しようとしたシャク、レイア、ギルティ、オルバ、続いてその息からサリエルを守ろうとして庇ったヴェロニカ、同じくペインを、ミーシアを守ったカーツとヒルダが顔を顰めて膝を床に突く。
「ヒルダさん!!」
「ヴェロニカ!」
「カーツ!」
空かさずヒカルとミーシアは状態変化解除魔法キュアルの詠唱に入った。しかし、防御の剥がれた魔道士達を死に追いやる絶好の機会を逃すはずもなかった。手下達は奇声を上げ、賢者と僧侶、続いて封印師達に攻撃の矛先を向けて突進してきた。
「ぼく等も舐められたものですねぇ。」
ディは言うと竪琴の上に指を滑らす。
途端に竪琴から勇ましい曲が流れ出す。それと同時に手下達の体が発火した。
突進してきた魔物どもは悲鳴をあげて体の炎を消す。
「“火劇の序曲”・・・・気に入ってもらえましたでしょうか?」
兄の曲の魔力を吸収し、スピオがフレイムボルトを放った。
しかし、手下の数匹がその攻撃を回避し、突進してきた。盾を装備していない彼等にとっては痛恨の一撃になりかねない。
慌てて防御体勢に入った封印師に魔物どもは鋭い銛を掲げたが、素早い黒い影に弾かれ、あっと言う間に死体へと戻る。
封印師の前に現れたのはサリエルだった。
「サリエルさん!」
とスピオ。
当の彼は父親の刀を床を突き刺すと言う。
「この刀には未だ特技があるらしくてな・・・一度使って見たかったんだよ・・・」
その言葉と共に彼の刀から真っ赤な薔薇の花弁が舞い始めた。
その花弁達は目まぐるしく手下の魔物達の周りを回り、視界を奪う。
薔薇演舞——————相手を幻惑状態に陥れ、攻撃を無効にする技。
サリエルのおかげで幻惑効果に填まった魔物達と同時にヒカルとミーシアのキュアルが発動し、麻痺状態に侵されたシャク達から自由を取り戻す。
自由を得た彼等は手下達を無視し、一気に大将の魔物へと武器を叩き込んだ。
ペルセウスの剣が閃く。弧を描いた切っ先が横殴りに魔物の巨体に襲い掛かった。それだけには留まらない。体ごと回転したシャクは遅滞無く剣先を翻し、空気を断つ様に相手の肩口へと刺す。
「な、何っ!!?」
不審と動揺の声を上げながら魔物はよろめく。そんな魔物の眼前で今度はレイアがしなやかに胸を反らせ、跳ねる様に足を交差させ一撃を加えた。それは正に舞踏そのものの動きだった。回復する余裕など一切与えない。
「今よっ!」
よろめく巨体を離れ、レイアが叫ぶ。その澄んだ声を受け、残りの仲間達は動く。ギルティの無双の扇から放たれる竜巻、ヒルダの雷神斬り、オルバの縛り鞭、ヴェロニカの灼熱斬り、ペインの隼氷撃、カーツの隼突き。
それでも尚、杖を掲げ己を回復しようとする魔物の大将にヒカルが渾身の魔法を放った。
賢者は魔法風にローブや髪の毛をはためかせ同時に叫ぶ。
「ルーチェルラっ!!」
聖なる風が魔物全体を包み込み、星達が舞う様な弱い光の爆発を引き起こしたかと思うと今度は隕石が落下した様な衝撃を与える。そして、最後に光の一閃で魔物達を薙ぎ払い魔法は掻き消えた。
ルーチェルラと呼ばれる光属性魔法の上級魔法である。
賢者の魔法で魔物どもは断末魔を上げる事無く消え去った。
「ヒカル!」
シャクが振り返る。
とそこへ、優しい癒しの魔法がシャク達の負った傷を癒していく。
ミーシアの高位回復魔法ヒールガだ。
「やっと終わったか・・・」
とギルティが伸びをする。
それに皆が頷く。
「だが、先は長い。急ぐぞ。」
ヒルダは次なる階段を鋭い双眸で睨み、言い放った。

滅神王城内5Fにして漸く終わった戦闘。
此処まで来るのには長く時間が掛かった。
そして、皆が同じ様に疲労しきっていた。
だが、諦めるワケにはいかない。
全てがこの最後の戦いに掛かっているのだから———————。



続く…。
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2015-03-21 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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