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異世界のイストワール  第14章~ザ・ファイナル・ショーダウン  その1

※字間違いや字抜けしているかもしれませんが、許して下さい。


~前回のあらすじ~
マキラドーラを立ち去った勇者シャク達は滅神王城を目指すが、シャクはサリエル達ニルバーナの人間は人間界へ帰る様に促す。しかし、サリエルもギルティもヴェロニカもそんな気は毛頭無いと断言する為、襲い掛かって来た2匹の獣人を倒すと言い張る。その間にシャク達はヒカル達と合流しろと言う事でシャク達は仕方無くその場にギルティ達を残し、ヒカル達の許へ向い、何とか無事に再会を果たした。とそこへ、別れたペイン達二人共運良く再会し、シャク達は又ギルティ達の許へ戻る事にする。



以下は続きです。



第14章~The final showdown~


*シャク達は今、地面に横たわっている仲間の傍に居た。
血を流し、呼吸をしていない女剣士の傍に蘇生魔法を施す賢者ヒカルと僧侶ミーシア。
こうなると普通の自然治癒を高める回復魔法では体が反応しなくなる。正にミーシアやペインと同じだ。
シャク達は唯、ヒカルとミーシアの蘇生魔法が上手く発動する事を祈っていた。
祈ることしか出来なかった。
そんな彼女の姿態を当初、青褪めた顔で見つめ、暫くの間絶句していたオルバであったが怒りを込めた拳で黒紫色の髪の青年を殴った。
「オルバっ!」
ヒルダが更に殴ろうとするオルバを後ろから止める。しかし、オルバは暴れる。
「放して下せっ!じゃねぇーと、ヒルダさんだって絞め殺しますぜっ!」
殴られ、地面に倒れたサリエルはゆっくりと立ち上がり、俯く。
黙り込んでいるサリエルを怒り狂った目で見つめ、オルバは叫ぶ。
「アンタはいつもいつもコイツを苦しめてっ・・・そんで・・・コイツは一途にアンタの事を想って自分の身を危険に晒し続けたってのに・・・アンタはそんなコイツをっ・・・・!」
「オルバ、もう止せっ!ヴェロニカはヒカルとミーシアの魔法で甦る。」
「あァ、そりゃァ甦るっすよ!だがな、俺ァ許せないんですよ!!どうしても・・・この男がっ!」
オルバはヒルダの制止を振り切り、俯いているサリエルに向かって皇帝の鞭を振り上げた。
しかし、その攻撃は光によって遮られた。
詠唱する二人の体に金色の輝きが宿った。それぞれ真っ直ぐにヴェロニカの体に線を描き、彼女の胸の上辺りで直角に交わる。十字形を描いた光がその量を増した。
ヒカルがミーシアを復活させた高位魔法、“リーサス”だ。
非常に高度な魔法の一つで、半々程度の確率でしか成功しないとされている。
その難度を下げようとしてヒカルとミーシアは共に唱えたのだが、どうやら功を奏したらしい。
ヒカルは汗を拭う。
——————ミーシアさんを甦らせた時・・・相当、運が良かったんだな・・・俺。
「成功です!」
とミーシア。
栗色の髪の青年ははっと目を見開き、ヴェロニカへ駆け寄る。
「ヴェロニカっ!」
賢者と僧侶の蘇生魔法が成功したらしく、死に掛けていた女剣士はゆっくりと身を起こした。皆の顔に笑みが溢れる。
「ヴェロニカ、お前・・・」
少し心配そうに声を掛けて来たオルバを彼女は鋭い双眸で睨み付け、怒声を上げた。
「オルバ、テメェー、再会して早々サリエルさんに危害を加えんじゃねぇーよ!斬り殺すぞ!!」
「んだと、この女っ!」
怒鳴ったオルバだったがヴェロニカに睨まれ不満げな顔をして黙った。
普段の威勢の良さを取り戻したヴェロニカの身体は綺麗に癒えていた。
そんな剣士ははっとすると向こうで俯いているサリエルに向かってよろめきながら駆けて行った。
「サ、サリエルさんっ!お怪我とかありませんかっ!?つーか、あったら治します!!」
青年は心配性のヴェロニカに曇った苦笑を浮かべる。
「サリエルさん、あの馬鹿オルバが変な事してすみませんでしたっ!後で滅茶苦茶にしときますんでっ!」
「いいや、殴られて当然だ・・・・」
「へ?」
少女は目を瞬かせて首を傾げる。
サリエルは集った皆の方へ歩を進める。そして、口を開いた。
「俺ァ・・・許されねぇ事を仕出かした・・・・父親の為とは言え・・・あの魔王に騙されていたとは言え・・・俺ァ村を破滅させちまった・・・」
唇を噛んで言葉を区切った青年を眺め、ヒルダが声を発した。
「許されねぇ事を仕出かしのは俺の親父の方だ。」
その声にサリエルは顔を曇らせる。
「サリエル、アンタの親父さんは凄ぇ良い人だった。村の為ならいつもでも何でも力を貸してくれた。エルガさんは村の人気者だった。・・・・・・恐らく、それが俺の父親は気に食わなかったんだ。それで・・・・」
自警団副隊長の青年は拳をつくると少し口を閉じ、暫くして続けた。
「・・・・確かに魔物を村の中に入れて育てるのは村の掟を無視した行為だ。村人達にだって危害が及ぶかもしれねぇ。・・・・だが、あの魔物は村人には危害を与えはしなかった。それを知ってるにも関わらず俺の親父は唯、何か思索するワケでも無く唯、闇雲にエルガさんが気に入らない事だけに頭を蝕まれ・・・・っ!サリエル、本当にすまなかった。俺がもっと早く親父の馬鹿げた計画に気付いていたらこんな事にはなっていなかったんだ。」
首を振りつつ言うヒルダは真っ直ぐにサリエルを見ると言い放った。
「頼むから、ニルバーナに戻り、エルガさんの意志を継いでくれ。俺も加え、皆がサリエルの帰りを待っている。」
しかし、薔薇の青年は背を向けた。
そして———————。
「俺ァ悪いが村へは帰れねぇ・・・・」
「なっ!」
「帰れる身じゃねぇ・・・それに・・未だ俺にはやる事が残ってらァ・・・」
「サリエルさんっ!」
とヴェロニカ。
剣士はサリエルに歩み寄る。
「サリエルさん、雅か・・・エウリアを・・・!?」
彼は薔薇刀の柄を強く握り締めた。
そして、シャク達を見る。
「約束通り、俺ァギルティ達と魔物を倒した。だから、魔王討伐には参加させてもらうぜ。」
「サリエルさん・・・・」
「それに・・・・あの魔物は世界に危害を加えたんだ・・・・俺には責任がある・・・」
「・・・・」
絶句する勇者達にギルティがにやりとした笑みをシャク達に向けた。
「俺等の強さは分かったんだ。なら、さっさとこのメンバーで城へ突っ込もうぜ。」
ギルティの言葉に封印師兄弟は微笑んで頷く。
「そうですねぇ。こんなに大人数でしたら、封印魔法を詠唱するのに時間も稼げますし、エウリアに触れる確率も格段と上がります。」
とスピオ。
横ではディが好色な眼差しをペインやミーシア、ヴェロニカ、レイアに向けて言う。
「そうそう。こんなに女性がいらっしゃれば、ぼくの魔力も格段に上がりますよ~!」
シャクは心強い仲間達を眺める。
確かに此処までやって来れたのは他でも無い、彼等のおかげだった。
強敵との戦いにも多くの力を貸してくれた。
そんな彼等を此処で用済みの様に捨てるのは出来ない。
「でも、又、エウリアに操られたりしなけりゃァ良いんですがねぇ~・・・」
オルバが嫌味をたっぷり含んだ台詞をサリエルに吐いた。
「操られたりして、俺等に危害が及んだら元も子も無ぇーっすからねぇ~」
「オルバ!テメェー、サリエルさんに酷ぇー事を!!」
ヴェロニカが怒鳴る。
しかし、そんな彼女をサリエルは制し、口を開いた。
「その時は俺を誰でも良いから殺してくれ。」
「サリエルさんっ!」
青年の言葉を聞き、オルバは鼻で笑い飛ばす。
「フン、そんじゃァその時は俺に殺らせて下さいよ。」
「あァ。」
オルバは憎まれ口を叩き、サリエルを睨んだ。
彼等の会話を聞き、勇者は口を開いた。
「分かりました。必ず、俺がみんなを守ってみせます。」
「ヘっ!頼り無ぇー台詞だぜ。」
とギルティ。
そこで、いつしか忘れていた笑い声が響く。
そう、こうしていつまでも笑っていたかったんだよ。

と——————。
多くの殺気を感じ、皆が各々背中を預け、武器を構えた。
その周囲には大勢の魔物達の姿が——————。
「先刻まで居なかったのに・・・又どうして・・・」
カーツは軽く舌打ちをし、ホーリースピアを強く握り締めた。
しかし——————。
お互い背中合わせの状態の一行の下に巨大な漆黒の魔法陣が突如出現した。
「な、何だ!?」
とシャク。
「ま、雅か・・・さっきのキルラーって魔法陣使いじゃない!?」
レイアが叫んだ。
その時だった。魔法陣内の大気が急激に低下。肌に刺す様な痛みを感じた瞬間、その異変に気付く。足が動かない。否、指先でさえも動かす事が出来なくなっていた。
呪縛の冷気である。
「か、体がっ!!」
「こ、この魔法陣の上に居ると・・・う、動けない・・・っ!」
ヒカルが必死に口を動かした。
「こ、この魔物達の仕業かっ!!」
とヒルダが声を上げたのに対し、
「い、いいえ・・・・途轍もなく凄まじい魔力です・・・・此処に居る・・・魔物達のものではありません・・・・」
ミーシアが応じる。
「そんじゃァ、一体誰がすんだよっ!」
「恐らく・・・・魔王でしょう・・・」
淡い水色の髪の青年の問いにディが平然と答えた。
その答えに皆が驚愕させられた。
—————な、何故・・・魔王がっ!?
体の自由を奪われた人間達の傍に集った魔物どもは近寄らない。体が呪縛に掛かる事を知っているのだろうか、けたけたと哂って見物している。
「な、何で魔王なんだよっ!有り得ねぇーっ!」
とヴェロニカ。
そんな彼女の問い掛けに応じるかの様に少年の声が響き渡った。
<よく此処まで来たねぇ・・・勇者達・・・>
「その声はっ!」
シャクは声を張り上げる。
「エウリアっ!」
どこから語り掛けてきているのかも分からない声はくすりと笑った。
<フフ、その名前で呼んでくれるとは・・・予想外だったよ。君達の事だから、あの頃の名前で呼んでくるかと思ってたんだけどな・・・・>
声はけたけたと哂うと、今度は耳元で囁く。
<まァ・・・サリエル兄さんも元に戻したみたいだし・・・・此処まで君達は立派に生き残ったんだ・・・褒美でもくれてやらないとな・・・・・・・・・・この世界の主として恥だ。>
「何をっ!」
魔王は囁きの後、高笑いすると漆黒の魔法陣を輝かせた。その輝きに呼応してシャク達は魔法陣の闇に飲み込まれた。
呼吸する事さえも奪う様な絶望の闇。
悲鳴も掻き消され、何もかもが黒一色に染められる。


と——————。
ぼんやりとした意識の中、シャクは静かに目を開けた。倒れているのか全てが横に見える。慌てて身を起こす。
そして、見回す。
高い天井、幾つも灯る蝋燭。広い床に螺旋階段と赤黒い絨毯。
—————此処は・・・・?
見た事も無い部屋だった。
振り向くとそこには大扉がある。どうやら、玄関の様だ。
そこでシャクははっとなり周囲を見た。同じく、シャクの周囲には倒れている仲間達の姿がある。
「みんなっ!」
勇者の一声で皆が頭を擦ったりと各々が起き上がる。
「此処・・・何所よ・・・?」
とレイア。
そんな彼女の問い掛けにシャクは首を傾げる。
しかし、勇者の代わりに賢者が声を上げた。
「多分・・・魔王の城の玄関だ・・・」
その声に皆が驚愕する。
「ワープさせられたって事かよ!」
とギルティ。
「恐らくそうでしょう。」
スピオが苦笑する。
当のギルティは肩を竦めた。
「おいおい、どんだけ親切な魔王なんだよ。」
「親切過ぎて逆に気味が悪い・・・・」
ペインが立ち上がり、周囲を警戒した目で見る。
シャクも彼女の言葉に警戒心を研ぎ澄まし、剣を構えた。
と、その時だった。
再び少年の声が響いた。
<フフ、驚いたかい?>
「っ!」
<・・・・・・此処は、ボクの城の玄関だよ。どう?綺麗だろう?>
皆が殺気を放つ。
中でもサリエルの殺気は凄まじかった。
「何所に居る!!魔王!!」
とシャク。
叫ぶ勇者に魔王はくすりと哂って答える。
<何所に居るかって?決まってるだろ・・・最上階の滅神王の間だよ。>
「っ!」
螺旋階段を見る限り、かなり駆け上がらなければならない。
<そこで待ってるから早く上がって来なよ。精々・・・死なずにな・・>
「もう二人の魔王はどうした!!」
シャクは内心では答えを導き出してはいたが本人から直接聞きたかった。
それは仲間とて同じだろう。
「無事なんだろう?」
心の中では否定している。
だが、無事と言う言葉を出さずには居られないのだ。
少し声を震わせる勇者に魔王は哂う。
<無事と言えば無事だが・・・無事では無いと言えば無事では無い・・・な。>
「っ!」
<安心しろ。貴様等が予想している様に吸収までは出来ていない。いや・・・出来なかったと言うべきか・・・・>
「どう言う事だ!!はっきり言え!」
<まァ、そう怒るなよ。ボクが居る場所まで来たら分かるさ。>
「ふざけやがって!!」
とヒルダ。
焦る人間達を嘲笑い、魔王は続けた。
<・・・もう一度言おう・・死なずに此処まで来れたら分かるさ・・・>
その言葉を最後に魔王の声は消えた。しかし、彼の強大な魔力は消えはしなかった。
「凄まじい魔力に頭が痛いです・・・・」
ミーシアが眉根を寄せる。
そんな彼女を横目に、ヒルダは皆に顔を向けた。
「奴が居る場所まで急ぐぞ。」
「はい!」
各々が頷いた直後だった。
城内に殺気が漂い始めた。そんな殺気を感じ、ギルティが鼻で笑い飛ばす。
「やっぱりこうなるよなァ~・・・・」
「勿論。だって、アイツ、“死なずに来れたら”ってほざいてたじゃろ?」
とヴェロニカが剣を構えた。
オルバも皇帝の鞭を撓らせる。
そんな中、ペインが口を開き掛けた。それをシャクは逃さなかった。空かさず勇者は強く言い放った。
「今回は全員で突破する。誰一人欠けること無く・・・・誰かを犠牲にして誰かを先に行かすんじゃなくて。」
「シャク・・・・」
とペインは絶句した。
男勝りな王女に向かって赤い髪の青年は微笑んだ。
「最後は皆、一緒に剣を振るいたい。」
その勇者の言葉に全員が頷き、雄叫びを上げて襲い来る魔物達に掛かって行った。

——————きっと・・・この戦いが終われば・・・みんな、武器を持たなくなるんだからさ・・・。



続く…。
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2015-03-21 : 【異世界のイストワールⅠ】 : コメント : 0 :
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プロフィール

十二仙 百露

Author:十二仙 百露
性別:女
年齢:18
身長:158cm
血液型:AB
誕生日:9月12日
好きな食べ物:甘い物
嫌いな食べ物:苦い物
趣味:小説、書道、絵を描く、模写、ゲーム、ゲーム実況見物

 

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【異世界のイストワールⅠ】
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6章7章8章9章

~番外編~
Happy Halloween !! . 2014

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【勇者の特権を取り戻す為に俺は魔王を復活させ、無限ループを繰り返す。】


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